今晩のTVの『世界不思議発見』でトルコの南東部にある;ギョベクリ・テペ(Gobekli Tepe)とよばれる丘で人類最古の神殿の発掘が進んでいるという報告があり興味深く見た。


ここは人類最古の文明といわれたメソポタミア文明が栄えた地でもある ギョベクリ・テペの神殿が建てられたのは紀元前9500年ごろと推定されており、エジプトのピラミッドより7000年も早く、人類が最初に作った巨大建造物が含まれる遺跡となる。

世界大発見と言えるだろう。

遺跡のあちらこちらには石を積み上げて作った円形の壁があり、中にはT字型をした高さ5mほどの石碑らしきものが数多く立ち並んでいる。

この石柱のほぼ半数の表面には抽象的な図柄やイノシシ、牛、ライオン、キツネといった動物画が精密なタッチで描かれている。

クラウスシュミットによれば,巨大な石柱は聖なる存在を表していて手や足が掘られているが,顔を作ることはタブーになっているとのことだ。

それは神をあらわしているからとかんがえられている。

この遺跡には人間の生活の跡がない。火や水を使った跡がない。



何処からともなく人々が集まり,巨大な神殿を建ていろんな儀式を執り行ったことを窺わせる。

周りにはベンチみたいなものがあり宗教的な儀式をおこなったようだ。

宗教的な要素を持つ何かがあり,人々が集まり、その後に文明社会が生まれたことになる。

今までの教科書には、まず農耕や家畜を飼い始め、その後集落や都市が生まれ、その中から集団の統率する者が現われた。

集団を率いる者はときに神秘的な儀式や手法を用いたことから宗教が生まれた。 つまり、最初に文明社会が誕生し、そこから宗教が生まれたことになる。

しかし、ギョベクリ・テペの遺跡の発掘により、この考えは間違いで、最初にこの地で宗教的な要素を持つ何かがあり、それに引き寄せられるように人々が集まり、その後に文明社会が生まれたことになる。

文明が神を生み出したのではなく、神が文明を生み出したことになる。

現在発掘作業にあたっているドイツの考古学研究チームは既に20年近く現地で発掘作業をつづけている。

リーダーのクラウス・シュミット教授は現地のトルコ女性と結婚して定住し,この発掘に生涯をかけている。しかし,彼が生きているうちにかんりょうすることはないだろう。

今晩『世界不思議発見』のTVを見ながら,クラウス・シュミットさんの発掘の様子を見て、昨年行ったことのあるカマン遺跡の発掘に一生をかけて取り組んでいる大村ご夫婦のことを思い出した。

教科書に書いてあることが今もう変化していることは事実である。
しかし,4大文明の前にギョベクリ・テペが存在したことを教科書に書き換えられることはいつになるのであろうか?

たまたまトルコに縁があるので私は、興味深くギョペクリ・テペの発掘が歴史を覆すことを実感したが知らない人は知らないままだろう!!

このBlogを読んでくださった方に、歴史が塗り替えられつつある事実を知ってもらえたら嬉しい!!

シュミットさんや大村ご夫婦、遺跡発掘に人生をかけて関わる人達に頭の下がる思いである。これからも,どうぞ、歴史の不思議発見に御元気で邁進していただきたい。