ここに
非売品と書かれた
地井さんの絵手紙563枚なる
本がある

それはあの日
お別れの会で配られたもので
ちい散歩で描かれた
すべての絵が掲載されている




ちい散歩


地井さんを失って
もうすぐ
干支がひと回り

その散歩の番組も
引き継いだ加山さんから
じゅん散歩へと変わり
それもまた
来月で終わるそうだ

もう12年かと振り返ってみると
2年続けて愛犬
チャンスと トトとを失い
その悲しみを紛らわす為にと
急いで探した
ぱふ が我が家に来た頃





あれから長いこと
探した墓所を見つけたのは
わずかな とある情報からで

それでもその巨大な霊園では
ひとつひとつ探すことは困難で
仕方なくも
案内所へと出向くと 閉口

でも
お知り合いの方ならばと
住所氏名を書き
案内された墓前

そこは
先立たれた前の奥様との墓所で
そっと
やっとな時間なのだろう

本当は
僕らが触れてはならないと
わずかに思ってもみるが

掃除だけはと
ほんの少しの時間を頂き
ご無沙汰しましたと一礼し
手を合わす




ちょうど
波乗りで出掛けていた
外房への道の途中

素通り出来ず
高速を降りて
また参りましたと一礼し
手を合わす

それももう
ご無沙汰してしまった

今年は命日あたりにとも思うが
いやいや
どなたも見えないような
そんな季節に
そっと出掛けてみよう


先日は
多くのスタッフを連れ
巣鴨を散歩する
じゅんさんを見掛けたけれど

地井さんと
最後にお会いしたのは
なぜか
五箇山だったなあと
振り返ってもみる