今回から
幻想水滸伝Ⅴです。
発売年月:2006年2月
対応機種:プレイステーション2
ジャンル:RPG
オススメの点
・やはりやりごたえのある仲間集め
・シンプルでありながら、考え所のある陣形システム
・シリーズファンにはうれしい、歴代キャラの再登場
気になる点
・『水滸伝』らしさはほとんどなし
・原点回帰したところはシリーズファンには嬉しいが、同時にマンネリ化も……
2020年時点で、最後の紋章世界を舞台とした幻想水滸伝。
もう、14年もたってしまったんですね……。
その後、紋章世界の続編がでるのはやはり難しいでしょうか?
Ⅴの舞台は群島諸国よりもさらに南の大陸にある「ファレナ女王国」。
その存在はたびたび本編で触れられたものの、内情がわかるような情報はありませんでした。
女王国という独特の設定故にファンからもぜひ舞台にしてほしいという要望の多かった地域でもあったため、
ファレナが舞台と決定した時はかなりファンから期待されました。
いろいろと新機軸を打ち出しながらも、古参のファンからはなかなか受け入れてもらえなかったⅢ。
時代を大幅に過去に戻したⅣ。
Ⅴは戦闘システムは基本、Ⅰ・Ⅱ寄りで、ミニゲームやその他施設などもⅡに近いです。原点回帰と言えましょうか。
時代は、Ⅰより遡ること8年で、過去の世界ではありますが他の作品の時代に近いです。
そのため、Ⅱで「ファレナで女王を殺した」という情報のある(探偵に依頼時)ゲオルグ・プライム、
シンダルの謎を追うローレライ、そのライバルキリィなど、シリーズファンから人気の高いキャラが多く再登場しています。
このように、いままでのシリーズファンを意識した作品であると言えるでしょう。
もちろん、単にⅠ・Ⅱそのままではなく、Ⅴならではのシステムも多く採りいれられています。
そのひとつが、「陣形」システムです。
Ⅰ・Ⅱでは、前衛・後衛の概念しかありませんでしたが、Ⅴではアイテムを取ることにより、様々な形にキャラを配置できるようになりました。
縦長の陣形は、横一列攻撃には強いものの、縦一列攻撃には甚大な被害をこうむるため、敵の攻撃にあわせて最適な陣形を選ぶ必要があります。
また、陣形にはそれぞれ特殊な効果や、戦闘で一回のみ使える陣形技などもあるので、それらも考慮する必要があります。
戦争はかなり独自で、
リアルタイムで移動していく部隊に指示を与え、適切に移動させていきます。
各部隊には、それぞれ優劣があります。
陸戦 「騎兵は歩兵には強いが、弓兵には弱い。弓兵は騎兵には強いが、歩兵には弱い」
水上戦「突撃船は弓船には強いが、白兵戦には弱い。白兵船は突撃船には強いが、弓船には弱い」
といった三すくみで、このあたりはⅠを彷彿とさせます。
Ⅰに、リアルタイムのシュミレーション形式を取り入れた、といったところでしょうか。
他にも、水上では無敵のビーバー、竜馬、遠距離では高性能だが接近されると弱い投石器など特殊なユニットも存在します。
シリーズおなじみの一騎打ちも、コマンドを選ぶ際、時間制限が追加されました。
これにより、緊迫感が増しました。
このシステムをにらんでか、ひっかけのようなセリフ(必殺!!と言った後、やっぱりやめる、と宣言する)を言う敵もいるため、
あまり急いでコマンドを選ぶのも考え物です。
また、Ⅲで登場したサポートメンバーシステムやスキルシステムなども採用されるなど、
「Ⅰ・Ⅱの雰囲気を残しながら、いかにマンネリを打破するか」
という挑戦をしていると見られます。
マンネリ打破に重点を置き、シリーズらしさが失われたとされるⅢに対し、
「らしさ」を重視した作りであると言えるでしょう。
シリーズファンには概ね好評だったようですが、
Ⅲから入ったり、新規でⅤから始めたユーザーにはどうだったのか……というのは気になるところです。
次回は、ストーリーを見ていきましょう。