パーム=シベリア

プロハンター。強化系能力者。22歳。
ノヴの弟子で、ノヴに対して執拗な愛情を注ぐヒステリックな女性。普段はボサボサ髪に血走った表情で非常に不気味な印象を与えるが、素顔は好色のビゼフ長官の目に留まるほどの美人である。討伐隊人選の時に、NGLへ入国するためゴン達に接近する。モラウの弟子であるナックルとシュートを忌み嫌っている。
敵の潜む東ゴルトー王宮に「シンカー・ベル」という偽名で潜入する。その任務は、王と護衛軍を見ることで監視能力の発動条件を満たすことである。潜入以来完全に消息を絶っていたが、その後ピトーに発見されたため機密保持に自殺を図るも失敗、キメラ=アントの兵隊として改造される。変化後のパームは頭部に水晶が埋め込まれ、魚の鱗のようなもので手足が覆われている。能力者としての素質はそのままに王の兵隊として改造する実験体として記憶と感情をつなぐ回路を破壊された。結果として人格は残ったが、憎しみを抱いていたキルアに襲い掛かる。しかし、ゴンを思いやり涙を流したキルアの影響で正気を取り戻す。改造後は自身の系統に最適ともいえる発を有しておりキルアも「攻撃力は自分より上」と認めるほどである。正気を取り戻した後は討伐隊に合流し、薔薇によって王が死ぬまでの時間を稼ぐためにコムギを交渉に利用しようとする。しかし、王が既に野心を捨てていることと、コムギに会いたいと純粋に願っていることを知り、そしてキメラ=アントの本能に苦しみながらも王の動向を監視することを条件に再会を後押しする。その後能力で監視を続け王の死を看取る事になる。
 

淋しい深海魚(ウィンクブルー)
自分の右目のみで直接見たことのある者を水晶玉に記憶し、左目だけで視ることで現在の動向(映像のみで音声までは聞こえない)を水晶に映し出す能力。
視えるのは相手の「本体」であり、鳥瞰風景(斜め上・背後から見下ろすかたち)となるため、相手の周囲も同時に監視できる。
3人までの動向を同時に捉えることができ、水晶に画面分割して表示される。4人以上を右目だけで見た場合は古い順から視えなくなっていく。「記憶」も「発動」も、片目で視ることが条件になっており、両目で視ている際には能力は発動しない。人間時は水晶玉を介して「視て」いたが、このときは両目で視ていた。
なお、水晶を介して見る場合には、台座の不気味なオブジェ(人魚の木乃伊らしい)に自らの血を捧げなければならない模様(作中では、左腕のリストカット痕から血を落としていた)。また、改造前は師匠のノヴに自分が許可した場合以外の使用を禁じられていた。
 

暗黒の鬼婦神(ブラックウィドウ)
キメラ=アントに改造されたことによって得た強化系の能力。毛髪で全身を覆い、帽子を被った貴婦人のような姿に武装する(感情によってその様相は変わる)。強堅な毛髪の鎧は防御としての役割はもとより、怪我を気にせずくり出せる拳による殴打に本領を発揮する。パームはもともと武闘派ではなかったが、合金製のヨーヨーを瞬時に破壊する攻撃力と卓越した体術でキルアを防戦にさせるなど、元々強化系能力者である彼女にとっては相性の良い能力である。