次の写真は何でしょう?



調査日記-クロゴキ 卵鞘


豆やガマ口の財布ではありません。


これはクロゴキブリの卵です。


正確には,「卵鞘(らんしょう)」という卵の入ったケースです。
大きさとしては1cm×0.5cmほどです。


ゴキブリは交尾後,鞘の中に卵を二列に並べて産みます。
ちなみに卵は白色でバナナ状です。
卵鞘ができてから,種にもよりますが15日~90日ほどで孵化し,幼虫は卵鞘をやぶって外に出てきます。



では,卵鞘を観察してみましょう。

よく見るとノコギリの歯見たいなギザギザが付いています
この部分は,鞘の繋ぎ目です。


写真では判別しにくいのですが,ノコギリの歯から卵鞘の中に向けて
細い筋
が通っています。これは卵が呼吸するための管です。


実物を見た方がわかりやすいのですが,繋ぎ目の下に丸いふくらみがあり,
その部分が卵の頭部にあたります。つまりこの数が卵の数になります。
卵鞘の中には,種によって差がありますが,20~40個ぐらいの卵が入っています。


雌はしばらくは体に卵鞘をくっつけています。
でも,そのうちに物陰など隠れた場所に産み落とします。そして,唾液で周囲のしっかり固定し,さらにホコリやゴミをくっつけて目立たなくします。


実は先ほどの画像は,ある倉庫の壁の途中にくっついていたものです。
このように地面に置くだけでなく,壁に貼り付けることもできます


また,下の写真のような場所にも産みつけていることがあります。




調査日記-クロゴキ 卵鞘(ビニール)


これは,駆除作業中にビニール袋の山を除去していた時に見つけたものです。
放置されたビニール袋の中は暖かく,安全な卵のゆりかごとなっていたのでしょう。


このように,放置されているビニール袋やダンボール,新聞などはゴキブリの棲みかにもなりますし卵鞘のゆりかごになることもあります

そうさせないために整理・整頓が大切ですね。



株式会社エスケーシステム は,卵が孵化しても幼虫を駆除できるよう,安心・安全な残効性のある薬剤を使用しています。