桜の撮影と言えば「夜桜」も魅力的な被写体です。昼間の桜もきれいですが、夜のライトアップされた桜もまた美しい。しかし夜桜は難しいんです。なかなかイメージ通りに撮れません。夜桜をきれいに撮るにはコツがあるんです。

 

今回は「夜桜の撮り方」についてお話します。
*桜の撮り方/基本編はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12580225147.html?frm=theme
*桜の撮り方/応用編はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12581005268.html?frm=theme


【夜桜は難しい被写体】

まずは、夜桜の撮影で一体何が難しいのかを整理しておきましょう。


①夜の撮影:ISO感度とシャッタースピードの設定
②明暗差:白飛びと黒つぶれの補正
③ピンボケ:夜はピントが合いづらい
④被写体ブレ:スローシャッターではブレる
⑤手振れ:スローシャッターではブレる
⑥照明の色合い:照明の色による色かぶり

 

…根本的に夜景撮影は難しいんです。ISO感度には限度があるし、シャッタースピードはどうしても遅くなります。その場合、手振れ被写体ブレという問題が出てきます。

 

暗ければピント合わせも難しく、照明による明暗差も極端なので、白飛び黒つぶれも発生するだろうし、写真全体としてどこまで明るく撮るかの判断も難しくなります。

 

さらに照明の色合い(暖色系か寒色系か)によって桜全体が特定の色に染まっています。それをホワイトバランスで補正しなくてはいけません。(補正すべきかは好みの問題ですが。)


【夜桜撮影で用意するもの】

次に、夜桜撮影に必要なもの(あれば便利なもの)を整理しておきましょう。
 

①カメラ:高感度に強い一眼カメラ(ノイズが乗りにくいカメラ)
②レンズ:開放F値の明るいレンズで明るさを稼げる
三脚/レリーズ:手振れすることなくスローシャッターができる

…フルサイズなどの高感度に強いカメラならISO感度で明るさを稼げます。ISO6400くらいでも問題ないなら手持ちでも明るく撮れるでしょう。明るいレンズなら絞りで明るさを稼げます。
 

三脚やレリーズがあればブレることなくシャッタースピードで明るさを稼げるので、ノイズの問題も解決し、絞りもある程度絞って撮影できます落ち着いて撮影できるのでピントも合わせやすいです。それでも被写体ブレによってピンボケするかもしれませんが。。。


【夜桜の撮り方】

それでは最後に、夜桜撮影のポイントを見ていきましょう。

①ISO感度の設定
まずはノイズが出ない程度までISOを上げていきましょう。ISO1600~3200くらいになると思います。最終的に明るさに余裕があれば、ISOを下げていきます。

*絞り/シャッタースピード/ISOに関する記事はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12552045372.html

②絞り(F値)の設定

パンフォーカスかボケ撮影かを決めます。パンフォーカスならF5.6~8.0くらい。明るさとの兼ね合いで調整します。ボケ撮影なら開放から1、2段分絞ったあたりで調整します。開放F値の明るいレンズでも開放ではピント範囲が極端に狭くなるので、できれば1、2段絞ったほうが失敗(ピンボケ)せずに撮れます。

③シャッタースピードの設定
最後はシャッタースピード(以下SSで表記)の設定になります。手持ち撮影なら手振れしないSS1/60~1/100くらいで、三脚があるならSSはいくらでも遅くできるので、ISOを下げれるし絞りも自由に設定できますね。

三脚があれば、いくらでも明るさが稼げるので”手振れ問題”や”ピント合わせ問題”、”ノイズの問題”、”パンフォーカス”も余裕をもって撮れます。ただ被写体ブレ(人の動きや風になびく桜)が発生しますので、そこはもうタイミング次第でしょうね。逆に”ブレ表現”として割り切るのもありかと。。。

④ピント合わせ
夜景は「ピント合わせ」がしづらいです。なかなか合焦してくれません。基本的には明暗差のある部分でピントは合います。AFではピンボケする可能性があるのでMFで追い込みましょう。

⑤露出補正
ライトアップされている夜桜は桜と照明の位置関係によって明るすぎたり、暗すぎたり極端です。白飛びする部分があったり黒つぶれする部分もあったりします。細かい部分を見てるときりがないので、写真全体として”自分のイメージに合う明るさ”を目指して露出補正しましょう。

RAW撮影なら少し暗めがいいでしょう。白飛びはRAW現像で復活しませんが、黒つぶれはある程度復活しますから。JPEG撮影なら少し明るいほうが幻想的な雰囲気が出てイメージ通りの夜桜写真になると思います。

⑥ホワイトバランス補正
ライトアップの照明はオレンジ色(暖色系)だったりブルー(寒色系)だったり様々です。そのままでも美しいんですが、気になるならホワイトバランスで「色かぶり補正」する必要があります。オートホワイトバランス(AWB)に設定しておくと自動で補正してくれます。それでも気に入らなければ色温度の数値/ケルビン(K)を細かく調整しましょう。

*ホワイトバランスに関する記事はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12545116194.html

●照明がオレンジ(黄色かぶり)

●照明がブルー(青色かぶり)

●オートホワイトバランス(AWB)で色かぶり補正

RAW撮影でRAW現像するなら色温度も自在に調整できるし、上述した明るさも自在に調整できるので夜桜撮影はできれば”RAW”で撮ることをお勧めします。

*RAWに関する記事はこちら↓
https://ameblo.jp/stereo-gn-ryoma/entry-12574519474.html

⑦構図(夜桜プラスα)
ただ夜桜だけを撮るのもいいんですが、夜桜プラスαで周辺のランドマークや建物、人物、満月、池(リフレクション)を組み合わせるのも素敵な夜桜写真となります。長秒露光で撮影するなら車のヘッドライトの光跡を同時に狙うのもいいですね。

●満月に夜桜も情緒がある


以上、夜桜撮影は注意事項が多いですが、その分イメージ通りの写真が撮れたらその喜びは半端ないでしょうね^^ あとは新型コロナでライトアップイベントが中止されないことを祈りましょう。。。


【夜桜の撮り方まとめ】
夜桜は魅力的な被写体だが難易度高め
●ISOはノイズが出ないくらい上げる
●パンフォーカスならF5.6~8.0
●ボケ撮影なら開放から1,2段絞る
●手持ちならSS1/60~1/100
●三脚ならSSでスローシャッター
三脚があればISOも絞りも自在に設定できる
●ピントはMFで合わせる
●露出補正は自分のイメージに合わせる
●オートホワイトバランスで色かぶり補正
RAW撮影なら暗めに撮り、現像で持ち上げる
●JPEG撮影なら明るめに撮り幻想的なイメージに
●夜桜プラスαで素敵な夜桜写真を目指そう
夜桜はRAW撮影がおススメ



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