関宿 江戸時代の旅籠:玉屋歴史資料館 | 舟水の世界ごゆるり街歩き

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               NHK教育番組「たんけんぼくのまち」で強烈な刺激を受け、小学校の頃から地理大好き人間。日々の散策からちょっとした世の中の宝箱を覗いて見ませんか?

江戸時代の宿場町「関宿」。東海道五十三次で江戸から数えて47番目にあたり、参勤交代やお伊勢参りの人々

で賑わったこの宿場町は今も歴史的な建物が立ち並んでいます。その中に関宿を代表する旅籠として有名だった

「玉屋」があります。旅籠とは、江戸時代、公用以外の武士や一般庶民が利用した旅の宿の事です。

玉屋は「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と謡われたほどの、関宿を代表する大旅籠の

ひとつでした。現在は江戸時代の貴重な旅籠建築として修復され、旅籠玉屋歴史資料館として一般公開されて

います。そんな江戸時代の旅籠をごゆるり見学です。

 

(2017年6月撮影)

旅籠玉屋歴史資料館の正面玄関です。立派なエントランスをしています。

 

 

 

旅籠玉屋歴史資料館の場所です。

 

 

 

(2017年6月撮影)

江戸時代や明治初期、多くの旅人がこの入口を入りチェックインしていたのです。

 

(2017年6月撮影)

宝珠の玉をかたどった虫籠(むしこ)窓。虫籠窓は、建物二階正面にある漆喰で塗籠めた竪格子の窓のこと。

「玉屋」では、その屋号にちなんで、宝珠の玉(玉から火焔があがる様)をかたどった虫籠窓が設けられています。

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

まずは一階のロビーとも言える場所からです。このロビーの奥に衝立があり帳場となっています。

 

(2017年6月撮影)

帳場です。背後の箪笥も当時のものです。

 

(2017年6月撮影)

ここでお代の収受、チェックインが行われていたのです。

 

(2017年6月撮影)

帳場前から見た玄関側です。左手前の土間は、そのまま調理場となっています。

 

(2017年6月撮影)

帳場の一つ奥の部屋には東海道を描いた屏風が飾られています。

 

(2017年6月撮影)

その屏風がある部屋の奥にも部屋が続きます。

 

(2017年6月撮影)

床の間がある立派なお部屋で、中庭に面しています。

 

(2017年6月撮影)

中庭に奥にも離れが続いており、奥行きが深い構造となっています。離れも3部屋続いています。

 

(2017年6月撮影)

離れの一番手前の部屋から見た中庭(本館側)です。

 

(2017年6月撮影)

離れの真ん中の部屋には床の間があり、掛け軸が飾られています。

 

(2017年6月撮影)

離れの一番奥の部屋も掛け軸が掛かる床の間となっています。

 

(2017年6月撮影)

離れの一番奥の部屋は裏庭に面しており、日当たりも良好です。

 

(2017年6月撮影)

裏庭の最深部に土蔵があります。現在はちょっとした博物館として整備され見学が出来るようになっています。

中には東海道五十三次を描いた歌川広重の浮世絵が展示されており、一見の価値があります。

 

(2017年6月撮影)

土蔵側から見た裏庭と離れです。町屋建築らしく、奥行きが深い土地だということがよく分かります。

 

(2017年6月撮影)

裏庭の脇には離れとして建てられている納屋があります。

 

(2017年6月撮影)

納屋の扉も独特のものがあります。

 

(2017年6月撮影)

こちらは一階の土間です。扉の奥が玄関、右手が帳場となります。ただ、元々の帳場はこの障子扉の奥だったと

思われます。その理由は、現在障子扉の奥が、管理人室となっているからです。

 

(2017年6月撮影)

土間の天井は吹き抜けとなっており、屋根まで続く様子は煙突そのものです。

 

(2017年6月撮影)

これが江戸時代の大旅館の調理場です。

 

(2017年6月撮影)

かまどは3つあり、左側のかまどは大型の釜用となっています。

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

興味深いのは土間(調理場)に風呂場があることです。かまどで沸かした湯を運ぶのに適した配置になっています

 

(2017年6月撮影)

食器類を保管する棚も当時の物が残っています。

 

(2017年6月撮影)

このとっくりはさすがに、展示用の新しいもののようです。

 

(2017年6月撮影)

こちらは当時から使われてきたもののようです。 玉屋とか、関とか名前が入っています。

 

(2017年6月撮影)

御膳を収納する棚に、玉屋の名前入りのトロ箱。どれもこれも時代の生き証人です。

 

(2017年6月撮影)

日本人は昔から効率的な収納にたけていたのだと実感できます。

 

(2017年6月撮影)

この敷居を跨ぐと、土間から裏庭(井戸端)に抜けることが出来ます。

 

(2017年6月撮影)

土間から抜けた裏庭に井戸があります。このスペースの事を井戸端と言うのです。井戸の水を汲みながら

女中たちが、ぺちゃくちゃと話し込んでいたので、井戸端会議なる言葉が生まれた訳です。

 

(2017年6月撮影)

その井戸端には石造りの大きなシンクが残されています。 当時、ここが洗い場だったのでしょう。

このような石造りのシンクがベースとなり、後にコンクリート製のシンクへと発展したのだと思われます。

 

(2017年6月撮影)

再び、入口へと舞い戻ってきました。

 

(2017年6月撮影)

この正面玄関のロビーから2階へと続く大きな階段があります。2階も客室となっています。

 

(2017年6月撮影)

ロビーには立派な衝立があります。火縄が関宿の名産品だったそうです。

 

(2017年6月撮影)

ロビーには黒塗りの立派ならんまが施されています。

 

(2017年6月撮影)

ロビーに掲げられている珍しいものを発見しました。これは講と呼ばれるものです。江戸時代には、日本中に「講」

という庶民の助け合いや寄り合いのようなネットワ-ク組織が無数に作られました。沖縄の模合(もあい)制度の

ようなものです。講とは、村や町の中で共通の志や目的を持った仲間同士の集まりで、いわば現代で言うサ-クル

のような存在になります。こうした講の存在が江戸の庶民生活を底辺から支えていたのです。

では、江戸時代の旅行業界での講はどういったものだったのか?

講は御師(おし)と呼ばれる旅行代理店のような組織に運営されており、ツアーの管理者として宿泊場所の提供や

観光案内役、寺院に神楽の依頼などツアー客のお世話をしていました。御師は神社、寺に属しており、

その主な仕事は信仰を広めるための営業外回りです。毎年講員の家々を周り、薬や御札や暦(カレンダー)を配り

初穂(※江戸時代以前は初尾(はつお)と発音)を回収するのも重要な御師の役割でした。

初穂はその年に最初に実った(収穫した)稲穂のことで、神仏にお供えするものです。

講員から集めるこの初穂は社寺にとってかなり重要な収入源となっていたようです。

 

ツアーの参加者が伊勢に着けば案内も含めて御師が全て無料で世話をしてくれます。

参加者は伊勢神宮を参拝して、御師の家に巫女や楽師を呼んで神楽を奉納(見物)します。

神楽が終わるとごちそうが振る舞われ、お土産も貰えるのですが、神楽には十五両以上が必要となります。

その他の旅費(宿泊費や食費)、を考えると庶民が個人で捻出するのは不可能な大金です。

毎月無理の無いプランで積み立てる講という制度あったからこそ、貧しい庶民にも伊勢に参拝できるチャンスが

与えられたという訳です。

 

(2017年6月撮影)

こちらの階段から2階へと上がってみます。

 

(2017年6月撮影)

階段の幅は大きくとも、かなり急な階段です。手摺をしっかり持って上がらなければなりません。

 

(2017年6月撮影)

階段を上がると、廊下から2階部屋の3室が一望できるようになっています。

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

2階に一室だけ完全個室となった部屋がひとつありました。

 

(2017年6月撮影)

これは今も昔も変わらないなぁと感じさせられます。世界を旅していると南京虫との戦いでもあります。

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

 

(2017年6月撮影)

これはまさに江戸時代の「地球の歩き方」です。

 

(2017年6月撮影)

定宿長には、どこの宿場なら、こういった宿があるという、これもまさに「地球の歩き方」ですね。

桑名から草津までの宿場の宿が掲載されています。これを見ると、関宿は「あいづや」が掲載されています。

 

(2017年6月撮影)

当時の旅道具です。もちろん、スマホなんてありません。

 

(2017年6月撮影)

現代で例えるなら、本陣・脇本陣が4星・5星ホテル、旅籠がビジネスホテル、木賃宿が民宿やゲストハウスです。

 

以上、東海道五十三次:関宿の旅籠「玉屋」のご紹介でした。江戸時代の旅籠の様子を肌で感じられるように

なっているので、関宿訪問の際はぜひ一度見学してみることをお奨めします。

 

東海道五十三次 関宿の街並み についてはこちらの記事にまとめました。

 

 

 

 

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江戸の風景が残る一身田寺内町 の記事はこちら

 

 

 

 

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