【コミックレビュー】「隠の王」第9巻 | トドのひとりごと。~the second~

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「隠の王」第9巻




壬晴と宵風がついに灰狼衆に追われる身になり、宵風の過去がうっすら見えてくる第9巻。ここから怒涛の展開が始まると同時に宵風と壬晴の絆がますます強くなっていきます。

宵風や壬晴は結局服部の支配下におかれますが普通の生活は出来てる様子。一方の雪見は宵風を知ることで彼を救おうとしてる?ようで、俄雨に服部のデータを集めさせたりと色々動いてますがいよいよ彼も服部たちから狙われる立場になってきつつあるのも事実なようです。その服部の目的は「歴史のリセットと世界征服」とのことで、どうやら壬晴の魂胆も分かっててそうさせないという姿勢を鮮明に示します。壬晴は宵風が気になって仕方ないっぽいけど、死ぬ運命である彼を助ける必要があるのかと疑問に感じる服部。その言葉以上にそこに宵風が現れて二人で服部に禁術書を渡すように言い放ってることにビックリ。宵風自身もいろんな意味で壬晴に頼らざるを得ない状況になったんだろうな…


しかし傘がそこに現れて服部たちの前から逃亡することになる二人、服部は宵風の抹殺を傘に指示します。服部の「悲願を達成するには手段を選ばない」という冷酷な姿勢が垣間見える中、傘は一季の独断で呼ばれたということで彼女もなかなかやり手というかなんというか。

奥地まで逃げる壬晴たち。宵風が薬局に行ったりと優しい一面を見せる中、死にたくないなら生きたくないのかという宵風に対する疑問が壬晴の心には渦巻きます。同時に二人とももうどこにも帰れない、どうすればいいか分からないと焦ってる様子。とりあえず萬天へ逃げることに決めるけど果たしてうまく逃げ切れるのか…



一方宵風の過去について調査中の雪見。2年前に服部が講演で訪れた町をしらみつぶしにあたっていきます。するととある町で偶然出会った少年の持ってるカードが宵風の保護された時の服に入ってたものと同じだということに雪見は気づきます。そのカードはどうやら教会の神父の手作りのものらしく、宵風のかつての姿である「そら」は教会で1人ぼっちながらも存在していたことを知ります。「生きていた時間を見つけて、宵風が逝くときにはそばにいて確かに生きていたと言いたい」と語る雪見、なんかすごくカッコよく見え始めてます(笑)果たしてその願いはかなうのか?ちなみにそらの弟がさっきの子・司だったらしく、そらが生きてると信じてる様子。でもそれに対して「死んだ」と嘘をつく雪見、そこにはもうすでにそれぞれ別の道を生きてるから死んだことにした方がいいという彼なりの優しさがあったみたいです。それにしてもそらは生まれながら死神扱いで自分が何なのか分からず生きていたとか悲しすぎ…色々話を聞いた雪見は宵風たちを追いかけることにします。


そして雪見と雷光たちの対峙のシーン。分刀として雪見を追うように命じられる雷光の気持ちが複雑そうだなとか思ったり。容赦ないけど心の奥では雪見と同じことを考えてそうな気もします。でも雷光自身灰狼衆に仕える身として果たして雪見にしっかり立ち向かっていくことができるのか?この戦闘シーンは途中で今巻は終わってるけど注目ですね。



壬晴と宵風は傘に襲われたり駅員に助けられたり…と色々な困難や優しさに触れながら萬天へと向かいます。ヒッチハイクしたり、今まで関心のあまりなかった自然や情景を感じつつ萬天へ向かう姿が印象的ですね。しかし宵風の「気羅のカケラは虹一たちに入ってない」という言葉にはビックリ。それに対して森羅万象を使うために迷わさないでほしいという壬晴、約束したのに生きたいという宵風の気持ちを知ったりそういう事実を知ることで迷ってて、正直このままどうしていいか分からない様子ですね。たがいに気を使ってた気持ちが爆発して言い争いになる二人だけど、この時が過ぎ去ってほしくないと思う気持ちは一緒なようで、ここで宵風の笑顔が出て来たのにもビックリ。本当に彼はこのまま消えてしまうんでしょうか…


てな感じで萬天に着いたところで今巻は終了しますが、展開がシリアスかつドラマティックなので早く次を読みたくなりますね。壬晴がこの先自分の力をどうしていくのかも気になるところ。