【エロゲ】Dies irae -Acta est Fabula-:現在プレイ時間5時間 | つれづれマカロン

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46歳ひきこもりの
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現在のプレイ段階はプロローグ、黄金の獣様と影絵男が登場したくだりです。プロローグはたぶん体験版の範囲内だったと思うのですが、一度「不完全版」をクリアしているのでぽろぽろネタばれします。これからプレイされる方は回避してくださいませ('-'*) ようやく黄金の獣殿とメルクリウスが出てきました。プロローグもエピローグに近いでしょうか(?)しかし、「不完全版」(Also sprach Zarathstraのことです)に比べると、すごくプロローグで全体の設定を分かりやすく説明しているような気がします。…あくまで気がする、だけですからね! 以前の版と同じだったら恥ずかしいです('-'*)

エレオノーレの有り様を形容するならば、紅蓮。怜悧な美貌だが、左半分を覆う焼痕によって、美醜綯い交ぜの凄惨さだ。「わたしになにか不満があるのか英雄殿。いかにも気に入らないという様子だが」優雅に咥えた細葉巻の煙を燻らせ、女は背後の男に問いかけた。返答はない。「まあいい。殺しすぎるシュライバーと合わせれば、均衡がとれる」

あ、嬉しいです(*゚-゚) 不完全版のプレイ時には描かれていなかったような気がするようなしないような、だけど、エレオノーレがきちんと「美貌」と表現されていて。顔と身体が半分焼け爛れていても、あのひとは綺麗ですよね。マキナはあんまり人殺しは趣味ではないようです。自分を律して鍛えることに興味があるタイプに見えるな。エレオノーレの細葉巻に惚れます。葉巻の似あう女になりたいのですが、なかなか現実ではうまくいきません。

「ベルリンは赤軍に上手く攻め落としてもらう必要がある。故に、殺しすぎるのも殺さなさすぎるのも同等に罪だ。それとも貴様、タガが外れたら皆殺しにしてしまいかねないのか? それならわたしも同じだ」女の口上は、狂人の戯言と取られても仕方がない。ベルリンを包囲している赤軍兵士は50万。

先ほど(この記事のひとつ前の記事に感想があります)の凄まじい攻撃力を見せたふたりなら、50万くらいへっちゃらだと思ってしまうのですが…。特にエレオノーレの広範囲攻撃の炎は軍隊相手だととても有利ですよね。それより気になってしまう、エレオノーレの「ベルリンは赤軍に攻め落としてもらわなくては」という台詞。ということは、シュライバーも別にドイツに忠誠を誓っているわけではなかったんだ! 以前の記事でそう書いてしまいました。はじかしい。

エレオノーレは続ける。「先刻、総統閣下が逝かれた。大量の市民と共に、ベルリンは陥落する。犠牲としては、なるほど、聖櫃創造を試みるのに適当な触媒だろうよ。敵を幾百万捧げたところで、愛すべき友10人のほうが命は重い。貴様はその理屈に苦しんでいるのか? 結構なことだよ、悩みもまた、贄になる」

一度クリアしたゲームで先のことがさっぱりわからないのも何なのですが、『聖櫃創造』って何ですか('-'*) いや、意味が分からないのではなく、そんなコトしていましたっけ。それとも、今回追加されたシナリオで明らかになる? 愛すべき友10人とは黒円卓の13人からマイナス自分自身、マイナス首領と副首領、で10人かな? エレオノーレはそのあたり割り切っているし、マキナは割り切れない。黒円卓も様々なのです。

無言を通してきたマキナが口を開いた。「ザミエル。メルクリウスはどこにいる」「貴様、あれに何か用があるとでも?」再び無言。男は何も答えない。エレオノーレは嘆息する。「まさか、あれと戦おうなどと考えているわけでもあるまい」「俺にそんなつもりはない」エレオノーレは顎をしゃくって空を見上げた。「さっきの質問に答えてやる。我ら黒円卓の指導者おふたりは、兄弟のごとく仲がいい。であれば、あれのいる場所は決定している」

「ザミエル」というのはエレオノーレさんの通り名、ニックネーム…と言うと軽いか。聖槍十三騎士団にはみんな通り名があって、親しい同士ではそっちで呼ぶことのほうが多いみたいです。マキナ、だって通り名だしね。マキナはマシーン、機械のことだけど…ギリシア劇の「デウス・エクス・マキナ」との関連があったかな。メルクリウス、とはマーキュリーのことで、錬金術の神様ですよね。歴史上の本人だとしたら、厄介な人と関わっています。

帝都を覆う戦火の形がベルリンの空に映しだされている。とてつもなく巨大なスワスチカ(鉤十字)──。その中心を貫くようにして建つ尖塔に、何ものかが立っていた。エレオノーレはどういう魔法か、ベルリン中に声を響かせた。「傾注! 偉大なるハガル(破壊)の君の御前である! 全員黙し、刮目して拝聴せよ!」

独裁者去ってまた独裁者…という雰囲気です。聖槍十三騎士団の腕章は鉤十字ではないのに、ベルリンの空に映しだすのはスワスチカなんですね。あと、しょうもない突っ込みですけど、黙して拝聴するのは意味があると思いますが、刮目しなくても。ベルリンの中心にある尖塔のてっぺんなんて誰にも見えないだろうし。

そこに輝く獣が降臨していた。たなびく鬣のごとき髪は黄金。総てを見下ろす王者の瞳も、やはり黄金。荘厳で華麗であると同時に、おぞましき黄金。人の世に存在してはならない、愛すべからざる光の君。

ここを読んで、あろうことかわたしは思い出し笑いなどしてしまったのです。「髪は黄金、瞳も黄金、華麗でおぞましき黄金」なのでしょう? このフレーズが、ながいけんさんの『神聖モテモテ王国』のギャグ「筋肉はゴリラ! 牙はゴリラ! 燃える瞳は原始のゴリラ。…それはゴリラじゃろか。」を思い出させて。さしずめ、「それは黄金じゃろか。」といった感じでしょうか。ちなみにこの黄金さんの名前はラインハルトとおっしゃいますが、ドイツ圏、黄金の王者、というのはラインハルトという名前でなくてはいけないのでしょうか…。

その傍らに、輪郭のあいまいな影のような男。隠者のように地味で頼りない。対称的なふたり。そのふたりが、魔人の中の魔人、怪物の中の怪物である。黒円卓──聖槍十三騎士団の第一位と第十三位。首領と副首領。

派手な首領と地味な副首領、というのはとても好みなコンビです。『機動警察パトレイバー』の内海と黒崎以来かしら。しかし、先程までのプレイで、シュライバーとマキナ、エレオノーレの3人の凄まじさを見せつけて、その上を行く魔人…と言われると、もう、じゃあ何が出来るのかやって見せて、という感じです('-'*)

「──卿ら」ベルリンを、世界すべてを睥睨しながら、男は口を開いた。「己の一生が、総て定められていたとしたら何とする。勝者は勝者に。敗者は敗者に。どのような経路をたどろうともそこへ帰結する。世界の仕組みがそのようになっていたとしたら、何とする。卿らは、一片の罪咎なく踏みにじられようとしている。この忌むべき法則(ゲットー)の輪の中で」

学がないので分からないのですが、こういうのは決定論者というのですか? だから、どんな努力も、どんな祈りも無駄だ、という理屈。悟りきったような思想ではあるけれど、夢が広がらない…ですよね('-'*) ただ、戦争の状況下の一般市民たちにはこの言葉は響くと思います。「法則」と書いて「ゲットー」と読ませるのはとっても中二病で心地いい!!

「死すらも解放ではない。永劫、そこに至れば回帰をなし、始まりに戻るのみ。そして、卿らの始まりとは敗北者としての始まりだ。無限に苦しみ、殺され続ける。そのように生まれた以上、そうなるしかない」

最初に不完全版をプレイしたとき、「ニーチェ?かな? 永劫回帰の思想?」とふわふわ疑問だったのですが、今回は『ニーチェ入門』(ベストセラーの『ニーチェの言葉』じゃないよー)を読んでからプレイしました。おお、だいたいニーチェが言っているのと同じこと。すべてのものは同じ一生を無限に繰り返している…と。そもそも、『永劫回帰の思想』をゲーム化して、この作品が生まれたのかな? あと、ラインハルトの声が諏訪部順一さんですね。ものすごく偉そうで尊大な跡部様という感じですこし笑えます。

ここまでプレイしました。何だかハマってきてしまったー。今プレイ途中の『Rewrite』をどうしよう、どうしよう…('-'*)

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