ナチュラル&ハーモニック プランツ主催 ヘンプフェア(~8月10日まで)
大麻博物館館長による大麻の糸績みワークショップへ♪

大麻博物館高安淳一館長とカメラ 
後に見えているのは盂蘭盆会の門火でもつかう苧殻(おがら)です。


日本では「麻」という言葉が、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、大麻(ヘンプ)、黄麻(ジュード)などの草の皮から繊維を採る靭皮繊維の総称としてつかわれていることにより、まぎらわしい状況です。

アマ科の亜麻(英名はリネン)今日本で流通している麻製品はほぼ機械紡績糸のリネンです。
亜麻はもともと日本で栽培されていない植物でしたが明治期に北海道にて栽培されるようになります。


イラクサ科の苧麻(英名はラミー)。機械紡績糸もラミーといわれるのでさらに混乱します。
苧麻は「からむし」ともいわれ、上布といわれる麻布の材料となるものです。


アサ科の大麻(英名はヘンプ)。現在は主に海外産機械紡績糸のことをヘンプといいます。

今の日本で「大麻」というと、え…っ( ̄□ ̄;)!!!?と聞いてはいけないもののような反応をされますが、古来から日本で栽培されてきた大麻草は麻薬成分をほとんど含まず、戦前までは、漁網や釣り糸、自家用の衣類や縄などにもつくられつかわれていました。日本人にとっての大麻は、古の時代から神仏事に欠かせないものであり、布といえば麻であった時代、大麻は生活とともにあったと考えられます。

盂蘭盆会の送り火と迎え火につかう苧殻(おがら)は大麻草の茎です。
第二次世界大戦終戦後GHQの指示によって禁止され、現在では大麻栽培は許可制のみ。
大麻は戦争中の重要な軍事物資であったため、(アメリカでは大麻農家は徴兵免除の例あり)日本に戦争をさせないための政策として大麻栽培を禁止したともいわれています。

大麻は1年草のため、1年以上種まきがされないと次の発芽が難しい。そこで一部の農家に大麻の栽培を許可することになりました。大麻取締法の成り立ちだそうです。

大麻は成長が早いので、麻の葉文様は子供の成長を願う文様としてつかわれ、学校校歌や校章にもよくみられます。麻の葉文様はこの大麻からきています。


手績み大麻糸で織られた裃


彦根藩が将軍家への献上品としていたといわれる琵琶湖湖東地域でつくられた高宮布。
経糸緯糸ともに大麻糸。苧麻の上布のように上質の糸がつかわれています。
これは高宮布でつくられた幼児用の一つ身のきもの。

背縫いのない一つ身のきものには「背守り」がついていました。
魔は背から入るといわれ、背縫いのない一つ身のきものには背守りがつけられます。


大麻布のきもの、お借りして羽織らせていただきました。
苧麻や芭蕉のきものはヒンヤリしますが、大麻はホッコリする感じでしょうか…。


糸績みのワークショップは別記事にて(^-^)/

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