山眠るまばゆき鳥を放ちては   山田みづえ

 

 

 中国の北宋時代の漢詩「冬山惨淡として眠るが如し」から「山眠る」が冬の季語になっています。冬の山の静まり返ったさまを一言で「山眠る」というのです。

 春の山は「山笑ふ」、夏の山は「山滴る」、秋の山は「山粧ふ」ですね。一言で季節ごとの山の本意を言い得てしまう。言葉の魔術です。