【開幕】「生誕100年 山下清展 ー百年目の大回想」SOMPO美術館で9月10日まで

右:山下清《園芸作業》 1939(昭和14)年 貼絵  山下清作品管理事務所蔵

生誕100年 山下清展ー百年目の大回想
会場:SOMPO美術館
会期:2023年6月24日(土)~9月10日(日)
休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)
開館時間:午前10時から午後6時(最終入館は午後5時30分まで)
アクセス:JR新宿駅西口から徒歩5分
観覧料:一般1,400円、大学生1,100円、高校生以下無料
声優の梅原裕一郎さんによる音声ガイドは利用料金1台600円
音声ガイド付き平日限定チケット1,700円(販売期間:4月27日~8月31日、会場では未販売、購入方法は美術館のホームページで)
問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)
詳しくは(https://www.sompo-museum.org/)へ。

開幕前日の内覧会を取材しました

放浪の天才画家として知られる山下清(1922~1971年)の生誕100年を記念する大回顧展「生誕100年 山下清展 ー百年目の大回想」がSOMPO美術館(東京・西新宿)で6月24日から9月10日まで開催されます。素朴な貼絵やペン画のイメージを持っていましたが、貼絵《ロンドンのタワーブリッジ》 など、その技術の高さに圧倒されました。

山下清《ロンドンのタワーブリッジ》(部分) 1965(昭和40)年 貼絵 山下清作品管理事務所蔵

また、放浪時代の鉛筆画など、プロの画家となるまでの山下清の波乱の人生を辿れます。

山下清《寝る時の事》《水に溺れた時の事》いずれも鉛筆画、1954年、山下清作品管理事務所蔵

会場の冒頭で、「放浪の目的は絵を描くためのものではなく、単に美しい風景を見たいという欲求だった」と説明されていました。

山下清《長岡の花火》 1950(昭和25)年 貼絵 山下清作品管理事務所蔵
山下清《桜島》 1954(昭和29)年 貼絵 山下清作品管理事務所蔵

旅する山下清の気持ちになって無になってぼんやりと作品を眺めるのも良いですし、芸術家・山下清の超絶な技法をミクロな視点で味わい尽くすのも良し、鑑賞者それぞれに楽しむことができるでしょう。

山下清《小石川の後楽園》(部分) 1960(昭和35)年 ペン画  山下清作品管理事務所蔵
山下清《パリのエッフェル塔》 1961(昭和36)年 水彩画  山下清作品管理事務所蔵

会場の「しつらえ」

下の会場入り口の写真の左側、エレベーターの扉にもご注目。会場は全3階(5階~3階)ですが、各階ごとに異なる山下清の作品がデザインされていました。

なお、3階の収蔵品コーナーではゴッホの《ひまわり》も引き続き展示されており、このSOMPO美術館蔵の《ひまわり》、東郷青児《望郷》、グランマ・モーゼス《さあ、ボートに乗りに行こう》は撮影可です。

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》1888年 油彩/キャンヴァス SOMPO美術館蔵

ショップには手拭いなどのオリジナルグッズも

山下清の放浪中のリュックサックの中には、茶碗、箸、手拭い、着替え、犬に対する護身用の石ころ5個が入っていたそうです。そのためでしょうか、オリジナルグッズには、手拭い(1100円)がありました。いくつかグッズを購入したので、後日、グッズ開封記事で紹介します。図録は2500円です。

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)
展示構成などは下のプレビュー記事で