【プレビュー】「北日本新聞創刊140周年記念 エッシャー 不思議のヒミツ」展 4月27日(土)から富山県美術館で

《昼と夜》1938 年制作 木版 Maurits Collection, Italy All M.C.Escher works © 2024 The M.C.Escher Company, Baarn, The Netherlands. All rights reserved mcescher.com

富山県美術館で「北日本新聞創刊140周年記念 エッシャー 不思議のヒミツ」展が4月27日開幕します。エッシャー(正式名:マウリッツ・コルネリス・エッシャー。1898-1972 年、オランダ生まれ)は、見る人に驚きと発見を与え、数学者やアーティストから子どもたちまで世界的に人気の高い版画家です。ある形で平面をくまなく覆い尽くす「テセレーション(敷き詰め)」、一つの形が次第に別の形へと変形する「メタモルフォーゼ(変容)」など、人間の視覚や錯覚を利用した緻密で幾何学的な画風が特徴です。

《写像球体を持つ手》1935 年制作 リトグラフ  
M.C.Escher Foundation Collection,The Netherlands All M.C.Escher works
© 2024 The M.C.Escher Company,Baarn,The Netherlands. All rights reserved mcescher.com

本展は、オランダのエッシャー財団の全面的協力のもと、初期のイタリアの風景から「だまし絵」的な代表作まで、約 160 点を一堂にご紹介します。また、作品をイメージしたセットなどを使って、エッシャーの作品を体感できる場も設けられます。デジタル社会を生きる私たちが、版画というアナログな手法で想像力豊かな世界を生み出した、エッシャーの魅力を楽しめる展覧会です。

《平面の正則分割 Ⅲ》 1957 年制作 木版
Maurits Collection, Italy All M.C.Escher works© 2024 The M.C.Escher Company, Baarn,The Netherlands. All rights reserved mcescher.com

見どころ

《婚姻の絆》1956 年制作 リトグラフ
Maurits Collection, Italy All M.C.Escher works © 2024 The M.C.Escher
Company, Baarn, The Netherlands.All rights reserved mcescher.com
《相対性》1953 年制作 リトグラフ
Maurits Collection, Italy All M.C.Escher works © 2024 The M.C.Escher
Company, Baarn, The Netherlands. All rights reserved mcescher.com

(1)エッシャーの作品、約 160 点が一堂に展示

本展では、エッシャーが学生時代に制作した作品にはじまり、「だまし絵」的な代表作はもちろん、最後の作品に至るまで 約 160 点の作品を通してエッシャーの画業の全容を紹介します。
中でも、エッシャーが故郷のオランダを離れ、イタリアに滞在した時代の作品が豊富で、エッシャーが 20~30歳 代という活動的な時期に制作した風景を主とする作品には、後の代表的作品のルーツを見出すことができます。

《描く手》1948 年制作 リトグラフ
Maurits Collection, Italy All M.C.Escher works © 2024 The M.C.Escher
Company, Baarn, The Netherlands. All rights reserved mcescher.com
《滝》1961 年制作 リトグラフ
Maurits Collection, Italy All M.C.Escher works © 2024 The M.C.Escher
Company, Baarn, The Netherlands. All rights reserved mcescher.com

(2)版画での卓越した表現

エッシャーの制作技法は版画で、木版(木口木版)、リトグラフ等を用いて作品を制作しています。複雑、繊細で謎が多い作品の数々は、大変細かな手仕事の彫り作業で制作されています。水彩画や油彩画は制作せず、版画というジャンルにこだわり続けました。それゆえ、エッシャーは自分のことを「芸術家」ではなく「版画家」と考えていました。
デジタル社会の現在、誰もが簡単な操作で画像の複製、反転、グラデーションなど、さまざまな表現ができます。それだからこそ、アナログな版画という技法で卓越した表現を行ったエッシャーをより新鮮にとらえることができるでしょう。

体験型展示

(3)体験型展示でエッシャーの世界観に入り込もう

本展では、エッシャー作品の世界観を疑似体験することができる体験型展示があります。どのような原理で人は錯覚に陥るのか、エッシャーが作品に取り入れた「トリック」について、実際に体験しながら、その技術的理論を学べます。自分自身でエッシャーのヒミツの世界を体験することで、より深くエッシャー作品を理解できるでしょう。
また、展覧会会場では、映像資料を除き、作品や体験型展示はすべて撮影可能です。お気に入りの作品と一緒に写真を撮ったり、体験型で面白い写真撮影に挑戦したり、エッシャーの世界をより楽しめる場となっています。

会期中のイベントについて

◆講演会「エッシャーが愛され続ける理由」
講師:熊澤 弘氏(東京芸術大学大学美術館教授、「エッシャー 不思議のヒミツ」展 カタログ監修者)
日時:2024 年 5 月 12 日(日曜日)14 時 00 分~(約 90 分)
場所:富山県美術館 3 階 ホール
定員:80 名(全席自由)
参加費:無料 ※ただし入場の際エッシャー展のチケットをご提示ください。

◆インスタグラム投稿キャンペーン
「エッシャー 不思議のヒミツ」展開催期間中に、企画展会場で撮影した写真をインスタグラムに投稿して、エッシャーの魅力を発信しよう!
「エッシャー 不思議のヒミツ」展は撮影・シェア可能です。ユニークな写真が撮影できる体験型展示もあります。(展示室ではフラッシュ撮影禁止。ビデオ作品を除き動画撮影もOKです)

※インスタグラム投稿キャンペーン参加の方は、「#エッシャー展富山」のハッシュタグを必ずつけて下さい。(投稿期限:2024 年 4 月 27 日(土曜日)~6 月 23 日(日曜日))
※投稿された写真の中から、10 名様にエッシャー展グッズなどをプレゼントします(インスタグラムの DM でご連絡ができる国内の方に限定)。

北日本新聞創刊140周年記念 エッシャー 不思議のヒミツ
会場:富山県美術館 2 階 展示室2、3、4(富山県富山市木場町 3-20)
会期:2024年4月27日(土)~6月30日(日)
休館日:毎週水曜(ただし 5 月 1 日は開館)
開館時間:9時30分~18時00分(入館は17時30分まで)
入場料:一般前売り:1,200 円 一般:1,500円、大学生:1,000円、高校生以下無料 ※一般前売券の販売は4月26日(金)まで
詳しくは、同展HP