各キャリアからさまざまな機種が登場し、スマートフォンの選択肢はますます増えてきた。仕事やプライベートに活用したいと考え始めた方も多いだろう。しかし、初めての1台となるとどんな基準で選んだらよいのかが判断しづらい。そこで本記事では、「スマートフォンとは何か?」を改めて振り返りながら、購入時の参考になるような視点をまとめていこう。なお、近日公開の後編では、最新の各キャリアの注目機種をピックアップして紹介する。
スマートフォンって何?
そもそもスマートフォントは、一体どんな携帯端末のことを指すのだろうか。広い意味で携帯電話であり、そして音声通話以外にさまざまなデータを扱う機能を持つ端末のことだ。たとえば典型的な機能として、Webブラウジングやメールの送受信、画像や文書ファイルの表示などがある。そのほか、スケジュールやアドレスの管理などの手帳的な機能を持つこともスマートフォンの特徴だ。
こうなると、各キャリアから提供されている最新の携帯電話は、どれもスマートフォンと言ってもいいのでは、となる。しかし一般的に「スマートフォン」という場合、もう少し狭い範囲の機種のことを指すことが多い。
たとえば「スマートフォンとは、データの取り扱いや通信環境の面でPCに近い作業ができる端末」というイメージだろうか。
では具体的に、スマートフォンではどんなことができるのか、次項にその特徴をまとめてみた。
搭載しているOSはWindows Mobileが一般的
もっとも普及しているスマートフォンは、「Windows Mobile」というOSを利用しているタイプだ。Windows Mobileとは、携帯端末で利用するために機能を最適化したWindows系のOSだ。PCで動いているWindows Vista・XPに対し、Windows Mobileはプログラムの互換性が無い、各種機能が少ないなどの点もあるが、操作性に関しては共通する部分も多い。なのでWindowsの扱いに慣れていれば、Windows Mobileの扱いはすぐに覚えることができるだろう。
また、Windows Mobileは、PCで扱える一般的なファイル形式なら、標準環境で利用できる点がメリットだ。OSと一緒に標準的に提供されているアプリケーションによって、表示や編集ができるのだ。たとえば画像ファイルはJPEG、BMP、GIFなどのファイル形式がそのまま利用できる。動画に関しては同様に標準で搭載されている「Windows Media Player Mobile」により、WMV形式などが再生可能だ。
仕事で扱う文書については、Officeソフトのモバイル版(「Office Mobile」)が標準搭載されている。Word Mobile、Excel Mobileでは、それぞれWord形式、Excel形式のファイルを表示して、修正することが可能(ただし、モバイル版とPC版のデータフォーマットは完全互換ではないので、一部対応していない機能もある)。
PowerPoint Mobileを利用すれば、プレゼンテーション資料の内容を確認することができるし(編集はできない)、Adobe Reader LE(軽量版)が搭載されていれば、PDF文書も確認できる。移動中に受け取ったメールの添付ファイルをスマートフォンで受け取り、すぐに確認して折り返し連絡する、といったことも可能だ。
メールは端末用とPC用のアドレスが使える
メールアドレスは、ケータイ電話と同じ要領で、まず端末に固有のメールアドレスを設定できる。これは通常のケータイメールと同じように利用するアドレスだ。新しい機種なら絵文字も利用可能だ。
また、スマートフォンでは、メールアプリケーションを利用して複数のアドレスを設定することが可能だ。受信可能な容量には制限がある場合もあるが、添付ファイルも受信して、ファイルを取り出し保存できる。
追加で設定するアドレスは、もちろんPCの場合と同じように送信者名や署名なども設定できる。そのアドレスから出したメールは、受け取った相手にもケータイアドレスではなく、PC用のアドレスからメールが届く。仕事相手にきちんとしたメールをスマートフォンから出す、といったことは問題なく可能というわけだ。
スマートフォンで受け取ったメールをサーバーで削除しない設定にしておけば、PCで同じメールは後で受信することも可能。後述する環境を整えておけば、スマートフォンとPCでメールの受信/未読/既読状態の共有もできる。
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