私の好きな画家・佐伯祐三

展覧会開催中の佐伯祐三

私の好きな画家を不定期ながら何回かに分けてご紹介したい。
トップバッターは、今から約100年前にパリへ留学し短い生涯を終えた油絵画家・佐伯祐三。今年は佐伯祐三の展覧会が東京と大阪で開催され注目を浴びている。詳しいことはアート専門のサイトに掲載されているので、そちらを見て欲しい。
https://artexhibition.jp/topics/news/20230208-AEJ1230279/
https://www.museum.or.jp/jyunkai/105868

佐伯祐三「工場」

油絵を描いていた高校時代に佐伯に惹かれる

私が佐伯祐三に惹かれたのは、30年ほど前の高校時代。当時の私は高校の美術部に所属し、50号の油絵を描いていて、勉強のために様々な展覧会に足を運んでいた。とりわけ印象派やエコール・ド・パリに惹かれていて、描いていた絵も風景画ではあるものの、今とは違ってごみごみした路地裏や屋根の重なりなどをかなりデフォルメし、色づかいも恐れ多いが佐伯祐三に影響を受けている。
好きだった佐伯の展覧会には毎回足を運ぶし、画集も買った。フランス人の友達に画集を贈ったこともある。
佐伯祐三の描くパリの街角――躍るような文字がぎっしりと書き込まれた広告塔や、薄汚れた壁に重厚な扉、その暗くて病めるような色づかい――。高校時代からパリという街に憧れていた私は、佐伯が描いた1920年代のパリの風景にさえ惹かれていたのだと思う。
実際に私がパリの街へ向かうのは、その5年後。古い町並みがそのまま残るパリの街は、佐伯が実際に見たパリとどれほど変わったかわからないけれど、相変わらず魅力的だった。

佐伯祐三「扉」

約20年ぶりにパリへ

いま私の描いている水彩風景画に佐伯祐三の影響は見られないかもしれない。水彩画を始めたアメリカの風土が私の色づかいにも影響しているので、暗い絵はあまり描かない。
でも相変わらずフランスが好きだし、街自体がアートなパリを描いてみたいと思い、今年20年ぶりにパリへ行くことにした。短い滞在の中で何枚描けるかわからないけれど、佐伯祐三が早書きの画家であり数か月で100枚以上の作品(しかも油絵)を残したことを聞いたので、頑張ってみようと思う。――それで、早書きの練習。ペンと水彩を使った時短スケッチをやっているわけである。
パリでの様子はまたブログで描くのでお楽しみに――