特急「 ゆふいんの森」乗り比べ 博多→由布院の旅
~「ゆふいんの森」 I世、III世があって、II世はなぜないのか?~

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特急「ゆふいんの森」って?

九州初のD&S列車

「ゆふいんの森」は、博多と人気の温泉地(湯布院・別府)を結ぶ、緑の特急列車。ヨーロッパを走る長距離列車のような、エレガントでスタイリッシュな外観、レトロで高級感あふれるインテリアは、旅人たちの垂涎の的!

今回は、このJR 九州が生み出した最初のD&S 列車「ゆふいんの森」を 徹底レポートします!

D&S(デザイン & ストーリー)列車とは

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それぞれの地域に個性があり、列車で移動する楽しみが豊富な九州で、沿線の景色や風土を思いきり満喫できるのがD&S 列車です。車両は洗練された外観やインテリアだけでなく、ユニークな仕掛けが満載。移動手段としての利便性はもちろん、旅のワクワク感を盛り上げます!

D&S 列車について詳しくはこちら https://www.jrkyushu.co.jp/trains/index.html

ご挨拶

申し遅れました。
寝ても覚めても鉄道のことばかり、鉄道大好き寿司詰(すしづめ)です。 第5弾の寿司詰舞台は、大分湯布院。今回は、プライベートでも何度もお世話になっている“ゆふ森”とのオリジナル鉄旅を、寿司詰的注目ポイント盛りだくさんでお届けします。
さあ、夏バテ防止に寿司詰で鉄分補給! いざっ出発進行!!

●寿司詰メモとは
寿司詰くんのちょこっと雑学や独り言です。

(ゆき)
“ゆふいんの森 III世”に乗ってみた!

博多駅 9:17 発→由布院駅 11:31 着 - ゆふいんの森1 号-

メタリックグリーンをまとったヨーロピアンスタイルの外観

ということで、今回の旅の始まりは博多駅から。“ゆふいんの森 III世”が入線すると、まるで海外の駅に来たかのような空気感がホームに漂います。さっそく乗車してみると、車内は木の質感と深緑の座席がゴージャスな雰囲気♪ これから始まる旅の期待感が高まります。地元大分県の旬の食材を使ったビュッ フェのメニューもしっかりチェック!

左:運転席越しの景色も楽しめる/右:ビュッフェは混むのでお早めに

“ゆふいんの森 III世”の注目ポイントは、車両と車両を繋ぐ、ハイデッカー構造※を象徴する吊り橋のような通路! 高い天井は、まるで吹き抜け。 鉄道車両の中とは思えない、広々とした空間が広がります♪

※眺望を良くすべく、客室の床を通常より高い位置に配置したバスや鉄道車両の構造。

寿司詰メモ

古い車両を改造したものが多い観光列車。“ゆふいんの森 I世”も古い国鉄型車両を改造して造られました。ところが非常に人気が高かったため、後に完全な新型車両を投入。それが今乗っている“ゆふいんの森 III世”。1999年登場のキハ72という車両です。

左:車内販売のワゴンも通れる通路/右:コーヒーとスイーツを購入

「久留米」と「大分」を結ぶから久大本線(きゅうだいほんせん)

博多駅を出発して、由布院駅へと向かう「特急ゆふいんの森1 号」は、久留米駅から久大本線に入ります。久大本線は、天領として栄えた「日田」や、温泉地「湯布院」などを結びつつ、九州の内陸部を横断する路線です。

左:小さい子どもも車窓を楽しめる/右:切り株のような切株山
左:慈恩の滝近くではゆっくり運転/右:豊後森の蒸気機関車庫
森の中を駆け抜ける“ゆふいんの森 III世”。

由布岳が見えてきたら、由布院駅に到着。

寿司詰メモ

自然豊かな久大本線ですが、その分自然の脅威を受けてきました。令和2年7月豪雨では、半年以上の運休を余儀なくされています。そのほかにも何度か被災していますが、そのたびに復旧作業が行われ、見事復活! 地域にとっては、なくてはならない路線なのです。

湯布院のおすすめスポットをご紹介!

街中散策(湯の坪街道と湯布院フローラルヴィレッジ)

旧軽井沢銀座のような雰囲気の街中には、スイーツショップや飲食店、おみやげ店、ギャラリーなどのお店が立ち並び、賑わっています♪

湯の坪街道から少し入ったところに、突如メルヘンチックな空間が!

場所
湯布院フローラルヴィレッジ
電話
0977-85-5132
住所
大分県由布市湯布院町川上1503-3
営業時間
9:30 ~ 17:30(閉園)
定休日
不定休
公式HP
http://floral-village.com/

湯布院のシンボルと絶景スポット

由布岳
左:狭霧台/右:金鱗湖

街の至るところから見える由布岳は、湯布院のシンボル。湯布院では温泉のほかにも、のどかな雰囲気を感じながら、のんびりと絶景ポイントを巡るのもオススメです♪

宿の情報

ゆふいん泰葉

本当はここに泊まりたかった・・・

寿司詰メモ

湯布院の町中から離れた閑静な高台にある、総部屋数19室の隠れ家宿。 全国的に珍しい鮮やかなコバルトブルーとヌルヌルしっとりの泉質が特徴の「青湯」が自慢です。

場所
ゆふいん泰葉
アクセス
JR由布院駅よりタクシーで約5分
送迎有り(15:00~17:00)※ホテルへ直接事前予約
公式HP
http://www.yasuha.co.jp/

(かえり)
“ゆふいんの森 I世”に乗ってみた!

由布院駅 15:56→博多駅 18:10 ゆふいんの森4 号

あっという間に帰りの時間。帰りは、“ゆふいんの森 I世”に乗車♪ 見た目はIII世とほとんど同じです。

左:シックで落ち着いた車内/右:最後部の席をゲット!

“ゆふいんの森I世”最大の特徴は3号車のサロンスペース! 天井まで広がる大きな窓から景色を眺めたり、ビュッフェで購入した食べ物を楽しむことができます。木材がふんだんに使用されている落ち着いた空間は、居心地サイコー♪ 次のお客さんが来るまで、ついつい長居しちゃいました…

右:フルーティーな味わいの地ビール” ゆふいん麦酒WEIZEN 淡色”

移動しながらお酒を楽しめるのも、列車旅の醍醐味のひとつでしょう♪

寿司詰メモ

ゆふいんの森I世、III世はあるのに、なぜII世がないのでしょう?
JR九州初のD&S列車として登場した初代「ゆふいんの森」が“ゆふいんの 森 I世”。その人気を受けて、実は“ゆふいんの森 II世”も登場していました。小田急ロマンスカーのような外観で、列車最前・最後尾にある「パノラ マシート」で景色が楽しめる列車でした。その後“ゆふいんの森 III世”が登場すると、“ゆふいんの森 II世”は、佐世保線へ移ったあと、再び久大本線へ移り、現在は熊本阿蘇エリアで「あそぼーい」として活躍しています。

※動画は由布院→大分間のものを使用しています

後ろに流れゆく景色を眺めていると、いつしかウトウト…気が付くと、福岡の街中を走っていました。無事に博多駅到着!

※掲載のゆふいんの森Ⅰ世及びⅢ世のダイヤは変更となる場合があります。

乗車レポート

日本には数多くの観光特急が走っていますが、「ゆふいんの森」ほど乗って みたくなる列車はあるでしょうか? ハイデッカー構造の車体は、大陸横断鉄道のような雰囲気を醸しつつ、「どんな景色が見られるのだろうか?」 とわくわくさせられます。車内にもビュッフェ、サロンスペース、連結部分の吊り橋(?)などなど、気になるところが盛りだくさん! もちろん 湯布院は九州を代表する素晴らしい観光地ですが、「ゆふいんの森に乗りたいがために、湯布院へ行く」と思ってしまうくらいに、乗ってみたくなる 列車なのです。鉄道マニアとしてその魅力を少しでもお伝えすることができれば、そして旅行会社社員として、少しでも多く足を運んでくれる方が 増えれば幸いです。


今回乗車した「ゆふいんの森」は九州の内陸部を走る列車ですが、一方の海 岸線には特急「ソニック」という列車が走っています。しかも、おおむね1時間に2本運行する、速くて便利な特急です。ゆったりとした旅を楽しめる 緑の特急、スピーディーな旅を楽しめる青い特急…。どちらも、私、寿司詰にとって幼少期からの憧れの列車です。ということで、次回は特急「ソニック」 の旅をご紹介しますので、お楽しみに!

マップ・アクセス情報

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