EXHIBITIONS

特別展「奈良・中宮寺の国宝」

2021.01.26 - 03.21

菩薩半跏思惟像(伝如意輪観音)(でんにょいりんかんのん) 飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺 撮影=佐々木香輔 国宝

菩薩半跏思惟像(伝如意輪観音)(でんにょいりんかんのん) 飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺 撮影=佐々木香輔 国宝

菩薩半跏像 中国北魏時代・6世紀 東京・永青文庫 重要文化財

菩薩半跏像 朝鮮半島 三国時代・7世紀 長崎・日本二十六聖人記念館 撮影=落合晴彦(九州国立博物館) 長崎県指定文化財 ※展示期間=2月23日~3月21日

天寿国繍帳 飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺 画像提供=奈良国立博物館 撮影=佐々木香輔 国宝 ※展示期間=1月26日~2月21日

伝信如比丘尼像(でんしんにょびくにぞう) 室町時代・15世紀 奈良・中宮寺 画像提供=奈良国立博物館 撮影=森村欣司

花鳥散図襖(表御殿上段の間) 江戸時代・18世紀 奈良・中宮寺 撮影=佐々木香輔

中宮寺本堂 撮影=佐々木香輔

 中宮寺(現・聖徳宗)は、奈良・斑鳩(いかるが)の地に飛鳥時代に創建された尼寺。聖徳太子とその母・間人皇女(はしひとのひめみこ)に縁のある寺として知られる。平安期に衰退するが、鎌倉期に尼僧信如(しんにょ)が所在不明となっていた聖徳太子の《天寿国繍帳》を再発見し、中宮寺の再興に貢献。度重なる災厄を経て、近世には門跡寺院となった。

 本展は、中宮寺が歩んだ歴史をひもとくと同時に、その本尊《菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしゆいぞう)》の造形のルーツを、ガンダーラから中国、朝鮮半島そして日本の飛鳥時代へとたどるもの。「古代の中宮寺」「中宮寺の中興」「門跡寺院としての中宮寺」「半跏思惟像と弥勒菩薩」「中宮寺憧憬」の5章で展示を構成し、中宮寺の宝物とともに、文学者や写真家らの眼差しを通した賛美の姿を紹介する。

 なかでも見どころとなるのは本尊の《菩薩半跏思惟像》。優しい顔つきでほほえみ、背筋を伸ばした凜とした姿は、穏やかさのなかにも威厳を感じさせる。本展が九州初公開。展示室では全方位から鑑賞することができる。

 加えて、聖徳太子が往生した「天寿国」を表した、日本最古と言われる刺繍《天寿国繍帳》(展示期間=1月26日〜2月21日)を公開。そして、若き日の釈迦が人生の苦しみに思いをめぐらせる姿をかたどった《樹下思惟(じゅかしゆい)》、長崎の民家でイエス像としてまつられていた新羅の仏《菩薩半跏像》(展示期間=2月23日〜3月21日)など、ガンダーラや中国、朝鮮半島伝来の品々と、日本で発見された半跏思惟像を一堂に集めて展示する。

※本展の入場には、オンラインによる日時指定チケット(事前予約)が必要。詳細は公式ウェブサイトへ。