鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第三十六話

2019-02-10 20:39:01 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第三十六話


ギムレーは、スターシャからコスモリバースシステムを受けとる為、一度キルメナイムⅡ(セカンド)に帰投した。
帰投してすぐに艦長からメルダの処遇報告を聞いたギムレーは、艦長らと営倉区画へ向かい、逆さ吊りのメルダをまるで品定めするかのように、ぐるりと一周ゆっくりと回った。



「艦長。逆さ吊りを解いてやりたまえ。」
「頭に血が下がり過ぎると良くありませんからね。」

「ザーベルク。」

「そうそう。艦長、我々は観察室へ移動しましょう。」
「天井の高さを95サンチ(cm)にして差し上げて。」
不適な笑みを浮かべギムレーが告げた。
格子状の天井が下がり始める。
三畳ほどの営倉、けして広くはないが戦艦の空き区画、天井高はかなり有り、ある程度の解放感があった。
だが、ギムレーはこの解放感をも、メルダから奪おうとしていた。
天井が下がり始めると同時に、逆さ吊りのメルダも、比例してゆっくりと頭、肩、背中の順で、床に寝かされてゆく。
95cmの高さでは、立っている事は出来ない。
寝るか座るしか出来ない。
メルダが膝を折る格好で床に直に腰を下ろすと、後ろ手で拘束された拘束具が自動で外れた。
メルダはすかさず、左手を自身の乳房を隠すように、立てた膝の上に置いた。

「まだ、女としての恥じらいは有るようでね。」
観察室から覗くギムレーの声がスピーカーを通し、聴こえて来る。

メルダは立てた膝を横に寝かした。

「貴女にも朗報ですよ。メルダ少佐。」
「スターシャ陛下が、我々ガミラスの為に、コスモリバースシステムを譲ってくれるそうです。」
「これから受ける為、マザータウンのドックに向かいます。」
「今しばらく、貴女には静にして頂きます。」

「艦長。あと20cm天井を下げなさい。」
ゆっくりと更に天井が下がる。
メルダは寝そべるか、四つん這いに成るしかなかった。
体制を四つん這いの格好に変えてゆくメルダ。
メルダは無言で別室のギムレーを睨んだ。

「クックックッ」と笑み浮かべるギムレー。


◆◆◆◆◆




「ヤマトを棄てる覚悟で、都市帝国内部に突入するだと……。」
「それもよかろう。」

「運が良ければ、脱出出来る……。ってところか。」
私はそう思い、大帝の首を獲る覚悟を決めた。

「ワープ1分前!総員、白兵戦に備えよ!」
「繰り返す。ワープ1分前!総員、白兵戦に備えよ!」
ヤマト艦内に響き渡る艦内アナウンス。

私の中に緊張は無かった。
むしろ、不謹慎かも知れないが、例えるなら子供が翌日の旅行の準備段階から、"ワクワク"している感覚だ。
勝手知る都市帝国内部。
最短ルートで大帝の玉座へ、突入チームを案内する。

白兵戦の艦内アナウンスと入れ替わるように、今度は古代による艦内アナウンスが飛び込む。

「全艦!第一級戦闘配置!」
「ヤマト航空隊は全機発艦準備!」
「合わせて空間騎兵隊は第一格納庫へ!」

「繰り返す。全艦第一級戦闘配置!」
「ヤマト航空隊は全機発艦準備!」
「合わせて空間騎兵隊は第一格納庫へ!」

「ワープ20秒前!」

目まぐるしく艦内アナウンスの内容が変わる。
一瞬たりとも、気を抜けない。

10秒後、ワープアウトと同時に艦長土方の命令が、下された。



「トランジット波動砲、発射準備!」
「コスモタイガー隊、発艦せよ!」
「第一、第二主砲、撃ち方よーい!」

「対空戦闘よーい!」
「パルスレーザーは弾幕を張れ!」
「コスモタイガー隊の発艦を援護せよ!」

「空間騎兵隊は射出準備に入れ!」
「第一、第二カタパルト機動!」
「波動爆雷、投射!ヤマト後方へばらまけ!」

矢継ぎ早に下される命令。
私は突入チームを先導する為、武装換装されたコスモシーガルへ搭乗した。
私は突入チームα(アルファ)に編入されていた。
右舷側の舷側格納庫のハッチが、左右に開いてゆく。
パイロットは航空隊のメンバーでは無く、戦術科のクルーが担う。
アルファには北野がパイロットとして搭乗した。
パイロットとガンナーを除き14名づつ計28名が突入チームメンバーだ。
コスモゼロの予備の機関砲を簡易的に即席で換装した武装シーガル二機が発艦体制に入った。

「コスモタイガー隊、全機発艦完了!」
「つづいて、空間騎兵隊はカタパルトステージへ!」
6名づつ平たい鉄板の上に身を低く片膝を鉄板に付け、フックを握り射出されてゆく。
射出後、待機するコスモタイガーの両翼に1機づつ飛び乗る。
そして、シーガルの発艦を待ち、加速して行った。
加藤の"ブラックバード(コスモゼロ)と玲の搭乗するコスモタイガーワンが、我々、シーガルの護衛に付く。
慌ただしく散開した。
ヤマトがトランジット波動砲を発射した。



第一艦橋メインモニタの右下に映し出されたデータ映像で、リアルタイムで確認が出来ている。




「うむ。」
「作戦の第一段階は成功と言ったところか。」
土方はそう心の中で呟いた。


第三十七話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。

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