五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 『うみねこのなく頃に散』EP5 6巻/EP6 6巻 つれづれ・・・

2013年02月11日 | ◆マンガ 感想

「お気に入り」完結作品から、

『うみねこのく頃にEpisode5・6、各完結巻についてつれづれ・・・

これまでのEpisodeの1巻・最終巻の紹介は、

EP2・完結EP5・1巻EP3・完結/EP6・1巻EP4・完結EP7・1巻EP8・1巻 など。

 

 

 

『うみなこく頃に EP5 End of golden witch』6巻

 (原作・監修:竜騎士07 先生/作画:秋タカ 先生)

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 「ありがとう・・・うそつき・・・さよなら・・・・・・そして・・・ごめんね。」 (オビ文より)

 1986年、孤島で起きた謎の大量殺人をめぐる物語。

 その第5(解答編1)エピソードの完結巻となります。

 

 殺人事件の犯人とされたのは、夏妃!

 “探偵”古戸ヱリカによる推理は、すべて彼女が犯人だと明確に指し示すものだった。

 しかし読者は知っている。 夏妃が犯人などではない事を・・・

 無実の罪は作られ、あらゆる名誉が奪われ、周囲からは攻撃を受け、見放される。

 その過程がこれでもか、というくらい残酷に描かれる序盤は、絶望そのもの。

 そこから浮かび上がる、夏妃の本当の罪が意味するものは!?

 

 なんて内容なわけですが、

 「真実」とはこうして形成されるものだと考えると、空恐ろしい気分にもなります。

 無実の罪であっても、状況証拠と周囲の承認さえあれば、「真実」として認識されてしまう。

 “探偵”の推理が合理的であればあるほど、その確率は高まるわけで、

 古戸ヱリカが象徴する「真実」の意味は、よくよく自戒するべきものでありますね。

 

 それはともかく、夏妃さんが無実の罪で

 これでもかと追いつめられる展開は、息苦しくて仕方なかった。

 戦人も、ヱリカの推理に太刀打ちできぬまま、敗れてしまったわけですが、

 ここで重要だったのは、夏妃さんの19年前の罪。

 これこそが、物語の核心に迫る大きな手掛かりとなるのですが・・・

 それはまた、後のエピソードで明らかとなるでしょう。 (EP7・8あたりではもう出てますね)

 

 

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 そして、戦人の反撃。

 1度はヱリカに敗れたものの、その“死”の中で記憶をたどり、

 ついにこの物語全体の真実に至ることとなるのです。

 これにより、物語は一大転換を迎え、

 これまで敵だったはずのベアトを、護るための戦いが開始されることになります。

 

 それまで、まやかしであったはずの魔法が肯定され、魔女が認められる。

 それは、黄金郷への鍵となる認識。 「愛がなければ視えない」。

 ここからの戦人の反撃、幻想法廷での熾烈な争いは、痛快きわまりないものでしたね。

 しかしこれは、次の戦いへの序曲。 戦人の新たなステージの到来を意味するもの。

 物語は、佳境へと突入してゆくことになるのです。

 

 

 

『うみねこのく頃に EP6 Dawn of the golden witch』6巻

 (原作・監修:竜騎士07 先生/作画:桃山ひなせ 先生)

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 「私はあなたに右代宮戦人に恋する心を譲ります」 (本編104ページより)

 第6(解答編2)エピソード、完結。

 物語は、戦人が密室に囚われたまま、古戸ヱリカとの結婚式が行われることに。

 自ら脱出不可能の密室を創り出し、そこへ囚われてしまった戦人には、抗うすべなし。

 

 第5エピソードにつづく本エピソードは、戦人とヱリカの決着をつける戦いとなります。

 戦人の用意した“殺人事件”を、凄惨なものに塗り替えてしまった“探偵”ヱリカ。

 もはや挽回不能と思われた状況に現れたのは・・・!?

 なんてお話でしたが、ここで重要だったのは、紗音と嘉音の決着でありました。

 それぞれ主筋の人間を愛してしまった2人は、その心に正直になった時、

 争わねばならない運命であり、その答えがここに示されることとなります。

 

 なぜ、彼らは争わねばならなかったのか?

 そして、戦人を救ったベアトの密室トリックの意味とは?

 これら2つの要素は重なる部分があるので、大きなヒントとなっていますね。

 そしてベアトの語る“お母様”、19という数字、明らかとなる六軒島の総人数、そして事故。

 もう、物語の核心をのぞき見るくらいの手掛かりは、出そろったとみてよいでしょう。

 ヱリカのとの決着には、驚愕と同時に、爽快さがありました。

 

 

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 一方、12年後の世界では・・・

 この物語を読み終えた縁寿とフェザリーヌ。

 そこから兄・戦人の行く末の真相をくみ取れない縁寿はいらつき、

 しかしこの物語が「本物」であることを実感します。

 それは、本作の大きなヒントとなるのですが、それはまた後の話。

 

 その頃、縁寿のまわりでも、何やらきな臭い動きが出てきていて、

 これがエピソード4のあのシーンへとつながってゆくわけですが・・・

 これも、あの時の“魔法”の種明かしとなっていましたね。

 それでもここまで読んで、愛の意味を知った読者であれば、

 “魔法”を否定することはもうないのでは・・・? はてさて。

 

 さらにラストでは、次なるエピソードへの始まりが見られるわけですが、

 まあここはエピソード7を読んでいれば、わかっていることですよね(;´∀`)

 真相の大部分が明らかとなる第7エピソードへ向けて、期待が高まります。

 

 


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