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講評です

碑文の謎攻略1(国内編)※ネタバレ注意

2010-02-02 04:33:37 | うみねこ
今更で恐縮ですが、「うみねこのなく頃に」にはまってます。
碑文の謎に挑戦して、少しだけ進展があったので記録として公開します。
参考になったら僕の関わった本(今だとしおづけ手帖か怪集蠱毒ですかね)買ってくださいね。

「うみねこのなく頃に」はファンタジーVSミステリの殺人劇です。
嵐の孤島、六軒島に集まった右代宮の一族に届けられる魔女からの殺人予告。
右代宮家の顧問錬金術師と名乗る黄金の魔女ベアトリーチェは「貸与した黄金の利子として一族の命を回収する」と通告します。
債務を放棄する条件は「黄金の魔女の碑文」を解き、隠し黄金を暴くこと。

その碑文をなぞるように、次々起こる見立て殺人。
魔女とその仲間は、幻想を駆使して不可能殺人を、最初から何度も繰り返します。
対するバトラは魔女の世界に捕らわれ、人間犯人説で魔女の存在否定を試みます。
バトラの武器は、魔女が真実を赤文字で語る「証明不要の赤」の定理、そして反証されない限り真実と認められる「仮定の青」。
魔女の存在をバトラが認めれば魔女の勝ち。
魔女の存在を完全に否定できればバトラの勝ち。
さて、右代宮の一族は碑文殺人を止めることができるのでしょうか?

以下、EP5序盤までのネタバレ注意です。(まだ読み終わってない)




黄金の魔女の碑文


まずはおさらいとして主題たる「黄金の魔女の碑文」の引用から参りましょう。

懐かしき、故郷を貫く鮎の川。
黄金郷を目指す者よ、これを下りて鍵を探せ。
川を下れば、やがて里あり。
その里にて二人が口にし岸を探れ。
そこに黄金郷への鍵が眠る。

鍵を手にせし者は、以下に従いて黄金郷へ旅立つべし。

第一の晩に、鍵の選びし六人を生贄に捧げよ。
第二の晩に、残されし者は寄り添う二人を引き裂け。
第三の晩に、残されし者は誉れ高き我が名を讃えよ。
第四の晩に、頭を抉りて殺せ。
第五の晩に、胸を抉りて殺せ。
第六の晩に、腹を抉りて殺せ。
第七の晩に、膝を抉りて殺せ。
第八の晩に、足を抉りて殺せ。
第九の晩に、魔女は蘇り、誰も生き残れはしない。
第十の晩に、旅は終わり、黄金の郷に至るだろう。

魔女は賢者を讃え、四つの宝を授けるだろう。
一つは、黄金郷の全ての黄金。
一つは、全ての死者の魂を蘇らせ。
一つは、失った愛すらも蘇らせる。
一つは、魔女を永遠に眠りにつかせよう。
安らかに眠れ、我が最愛の魔女ベアトリーチェ。


一目見た通り、難解であります。
これは1984年くらいに右代宮金蔵が右代宮家本館に飾ったベアトリーチェの肖像の下に書かれたもので、おそらくは金蔵の手に為るものです。

黄金の魔女で右代宮家顧問錬金術師ベアトリーチェを名乗る何者かが、右代宮金蔵に与えた20tもの黄金の契約破棄に際して、利子として一族郎党全員の命を貰い受ける旨を通達してきました。

最初の疑問は魔女の主張そのものです。
魔女からすれば自分の作った黄金だし、原本回収はどうでもいいのかも知れませんが、魔女の復活の件については釈然としない。
誰が何のためにやってるのか?
この碑文を解けば殺人は止まると魔女は宣言していますが、実際には止まりませんでした。

それは、碑文でなく全ての謎を解けばはっきりしそうではあります。
なぜそんなことを言えるかというと、碑文の目的や位置づけ(つまり碑文殺人と碑文の関係性、黄金郷へ行ける条件)を常に曖昧にしてきた、金蔵の自身の発言は一度ゼロになるからです。
この調子で、おかしなことを言ってる部分を全て幻想にできれば、結果として明確な形が浮かび上がってくる可能性はまだ残っています。


謎の妥当性


まずブロークンなパズルでは話になりません。
しかしこの碑文は、EP3でエバとローザが、EP5では来客である古戸エリカと主人公右代宮バトラによって解かれています。
プレイヤーにはそのからくりは明かされませんが、古戸エリカは右代宮の人間でなくとも、初見で攻略可能な謎であることを強調しています。

全員の推理


一族全員が碑文の謎に取り組むのはEP3です。
初めて正解者が出るのもこのエピソードでしたが、ここでは謎を解く上での大まかな考えの道筋が示されることになります。
いくつか重要と思える推理(というか合意事項的なもの)を整理しておきましょう。

・懐かしき故郷は金蔵の故郷でよい
・その故郷は、金蔵の子供であるクラウス、エヴァ、ルドルフ、ローザは知っている
・孫であるジョージ、ジェシカ、バトラ、マリア、及び使用人シャノンは知らない
・プレイヤーにも明かされない。
・金蔵はそこが大好きだったが関東大震災で没落した右代宮の当主に抜擢されてやってきた
・すごく遠い
・ルドルフによれば戦争でひどくやられたが、「あちらさんもめざましく復興したらしい」
・街並みもだいぶ変わってるだろう
・もし鮎の泳ぐ川があったとしても、今はもう発見不可能だろう
・エヴァは旅行と称し、視察に行っている。エヴァが本文中で言及する地名は、「エジプト」「ヨーロッパ」などだ
・同じく解読に成功したローザはそこに行っていないと思われるが、ローザは彼氏と函館などを旅行している
・マリア(真里亞)の名前は里の字を含むが、金蔵が名付けた名は全然違う名前で、反対して変えさせた。元の名は不明。

霧江の推理


バトラの継母である霧江は一族で唯一聡明なキャラですので、彼女の推理はよく聞いておいたほうがいいです。
ローザとエヴァも、霧江の話を聞いてようやく謎を解いたのですからね。
鍵を見つけ出すとき、エヴァは文字を数えていました。それも6文字です。
その6文字をどうしたのかは描かれていませんが、鍵が6文字なのは間違いなさそうです。

霧江によると、第一の夜から第十の夜まではある数列や文字列から指定された文字を引いていく過程ではないか、ということです。
……そうして最後に残ったものが!と言いたいところですが、残念ながら全滅してしまいます。
順番が肝心なんですね。
彼らによれば数列・文字列は13文字。これが扉で、鍵は6文字であろう、ということです。
もっとも、「寄り添う二人を引き裂け」の意味がよく解らないので(たとえば、寄り添う二つのうち、片方を消せば引き裂いたことになる)、13文字と断定するのは早計のように思いますが。
(一方で、碑文殺人では毎回第二の夜の殺人で二人が殺されます。プレイヤーにとって13文字というのはわりとすんなりと受け入れられるのですが、はっきりしないものははっきりしないもの。霧江さんも11文字か13文字だと仰せだ)

ローザの推理


末っ子でトロいのに、たまに見せる鬼母ぶりがたまらないローザさんの推理は「京都までの道のり」「第一の晩から、十日間の行程」「なんで最後、ここだけ"黄金の郷"なの?」
だそうです。
いまいち要領を得ないのは人柄だと思います。
しかしこれがエヴァにとっては大ヒントになったようで、「海に出る」と合わせて謎を解いたんだとか。
たしかに……これはある一つのキーワードを示していますね。
十日の、海に出る、京都までの道と言えば「東海道」のように思えてきます。
だけどルドルフの話を聞くほと、東海道が鮎の川とは思えないんですよね。
上記合意事項に従う限り、金蔵の故郷が日本でないと考えられます。
実際、地図で東海道を追ってみても里も二人が口にし岸もいまいちピンと来ないし、11/13文字は謎のままです。
里をただの人が住んでるところと思えばどこも里だし、厳密な里(山間の田舎)もまたかなり多い。故郷って意味の里だと誰の里かわからない。
しかし川とは道のことではないか、という提示は重要なヒントのように思えます。




さて、一万文字の制限に引っかかってしまったので、本番は次のエントリへ。


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