きばなの硝子瓶

呑兵衛夫婦の日々の食卓

血脈

2009-07-29 | 本と映画の話


◆佐藤 愛子 【血脈】上・中・下 文藝春秋◆



 

佐藤愛子さんの、ご両親.....◆佐藤紅緑・佐藤シナ◆



佐藤さんの祖父の時代から..................
両親・兄弟たち........そして、甥・姪の時代まで綴った.......

「佐藤家の人々」の記録...................。


これでもかぁ~と言うくらい、破天荒な人々のオンパレード........

いえ......それほど珍しくはない.................

一族に1人か2人.......てんなら珍しくないだろう..........

だけど、殆どの人が「破天荒」の集団なのだ、佐藤家は........

こ~なってくると、かなり珍しい................。


祖父は津軽藩士、父親は作家、母親は「もと女優」...........

兄には................



有名な.....◆サトウハチロー◆...................

♪小さい秋 小さい秋 小さい秋 み~つけたぁ♪ の...........。


才に恵まれた人、なんとか「筆」で食べた人...........
まったくの「ろくでなし」.......男たちは賑やかだ...........

とりまく女性陣も.......................
浮気・借金・ヒロポン中毒・自殺未遂・病気・別離...........

あらゆる災難が降りかかる中、意外と図太く生きていく..........

さらに、この一族にはたくさんの人々が群がり...............

罵声・嬌声・悲鳴とともに、阿鼻叫喚とも言える思念が渦巻く.......

いやはや..................

道徳を説くような紅緑、純粋無垢を謳いあげるハチロー........

まるで逆じゃないか................

しかし、読み進んでいくうちに......何かが見えてくる........。




愛子センセの「お見合い写真」..........

愛らしく美しい................。


でもっ、愛子センセは「怒りの愛子」(笑).............

あの刃のように「ぶった切る」発言が小気味よく.............
昔からエッセイを愛読している....................

この激しさは.....「佐藤の血」だったのだな。


「血脈」を読んでいて..................
しきりに、亡き父を思い出していた...................
すこしだけ、疑問が解けたような気がする...............

何かが似ていた........

そして、荒ぶる「わが性格」も、すこしだけ納得できた(笑)。


長い年月をかけて書かれた「連載」を、まとめた本なので...........
「上巻」のリズムが、ちょっとだけ重く読みにくかったケド.........
あとは一気に読み進めた............疲れた(笑)神経が。


ダイジェスト版というか、アルバム的要素のある文庫本........

  ◆「佐藤家の人々」血脈と私・文春文庫◆

こちらから読んで、興味を持たれた方は、本篇へ進んで下さい(笑)。


・無断で写真を掲載しています.......申し訳ございません。
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10 コメント

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濃いですね・・・。 (もず)
2009-07-29 14:53:58
きばなさん、こんにちは。お久しぶりです。
こちらは雨、すごかったです。この辺りは避難勧告がでました~。今日も降るらしいけどまだです。

中野翠が血脈の感想を「生き方の濃度が濃い。」と書いてました。中野家に、こういう濃いタイプと言うかエネルギッシュなのはいないと・・・。
私も「濃い」とか「アツイ」とか人様から言われますが、自覚はありません。でもできれば、クールで冷静な人と言われたいです。ないものねだりですが・・。

少しずつ読んでみたいです。文庫本の紹介もありがとうございます。
★もずサン (きばな)
2009-07-30 10:35:28
大雨は大変でしたねぇ..........
まだ安心できないでしょうが........
くれぐれも御注意くださいね.........。

ここまで凄くはないけど(笑)........
若いころの父が、同じグループに属してる
気がして、読んでて懐かしかった.......。

こんな人々が束んなって描かれているものを
読むと、気性の荒い自分も救われます(笑)。
Unknown (nao)
2009-07-30 11:15:38
私は以前読みかけて、割と最初の頃で挫折してしまいました。
なんだか、読みたい本がいっぱいあるのに、すぐ眠たくなってしまって・・・

ゆっくり時間ができたら読みたいな~

ところで・・・梅が干せないまま夏が終わりそうなんですが・・
今年初挑戦だっていうのに、今年に限って夏がこんな風でかなしい。
来週も少しは晴れるとはいえ、まだ安定しないみたいだし、秋風が吹く頃になって干すことになっても、晴天を待ったほうがいいですよね?
★naoさん (きばな)
2009-07-31 07:23:09
上巻が読みにくかったんだよねぇ......
中・下は、ぐんぐん進んだよ。

今年も気持ち良く干せないかもね.......
1~2日晴れがあってもダメだから.......

だけど、少しづつ干しても問題ないし、
干さずに梅酢の中で寝かせても、美味しいよ。

もちろん秋になってから干してもいいけど
その場合は長くかかるかも..............。

アタシも「週間予報」まち(笑).......
ピーカンじゃなくても、1週間ほど晴れマーク
が表示されたら決行しようと思ってマス。
シナの写真 (kuutame)
2010-02-26 14:36:02
中巻下巻と読み、現在上巻にかかっていますが、下巻の中扉の写真が佐藤愛子と思い込み、本日図書館でやっと空いて手に入った上巻はシナの写真だろうと思っていたのですが、紅緑の写真でガッカリしました。インターネットで三笠万里子の写真を捜しまくっても見つからずあせっていましたが、このサイトで下巻の写真がシナの写真と知り、やった欲求不満が解消しました。ついでに佐藤愛子のお見合い写真も公開していただき、サービス満点で感謝しています。

血脈は「ぼくは浅草の不良少年―実録サトウ・ハチロー伝」を古本屋で見つけて読んだのがキッカケで読みましたが、読みうちに内容の深さに面白く読み進んでいます。
 一番興味深いのはシナの、周囲や世の中を見る目の正確さで出征兵士を見て「みな元気がなくいやいやなのが分かる」というくだりにはホトホト感心しました。その当時(から現在まで?)日本兵はみな元気イッパイに出征したというのが常識だったのですから、本当にそう言ったとしたら凄いと思います。

 佐藤家は凄い血統だというのが筆者の愛子をはじめもっぱらの感想ですが、「時代」という要素も大きいのではないでしょうか。下巻にもあるように孫たちはみなひ弱で、その意味での佐藤家の血統は絶えたといって良いのはないでしょうか。変わった人は相変わらずたくさんいるような気がしますが、桁違いの金持ちも、みるからに貧乏人もいない世の中ではみな小粒になるのかも知れません。
★kuutameさん (きばな)
2010-02-26 15:33:44
コメントありがとうござます.....。

写真は無断掲載で、褒められた行為では
ありませんので、あしからず(笑)......。
「血脈」を書きました (kuutame)
2010-05-18 15:30:35
私も「血脈」について書きました。
訪問者の少ないブログですがよろしくお願いします。仏教に興味を持ち「無門関の答え」という本を出版しましたのでこちらもよろしく。
★kuutameさん (きばな)
2010-05-18 23:08:21
ご出版、おめでとうございます。

ブログ、拝見させて頂きました......
それで、とても申しあげ難いのですが
前回も書きましたように

ブログに写真を掲載しているのは......
あまり「褒められた行為」ではないので(笑)
「写真を見るならきばな~」というような
誘導するリンクは、外して頂けると
とても有難いのですが.......。
Unknown (kuutame)
2010-05-19 09:05:10
気がつきませんで失礼しました。
修正しました。
★kuutameさん (きばな)
2010-05-19 09:52:29
お心遣い、感謝いたします。

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