うみねこ推理1週目・Ep4(1)

2016年12月31日 21時18分21秒 | 1週目Ep4

Ep4: Alliance of the golden witch

<オープニング>

  1. 新島空港ロビー。落ちると言って大騒ぎだった戦人をからかう絵羽、留弗夫、真里亞、秀吉。真里亞をたしなめる楼座。
  2. 戦人の乗り物嫌いは遺伝だと言う譲治。明日夢を想定する霧江。同意する留弗夫。
  3. タクシーが来たので移動を開始するが、まだ真里亞とはしゃいでいた戦人は誰かにぶつかってしまう。謝る戦人。全員タクシーに乗って港へ向けて出発。
  4. 時が止まる。戦人がぶつかったのは縁寿だった。黒猫がそばによりベルンカステルの姿に変わる。真実を暴き、取り戻すと決意する縁寿。

 

★メタ縁寿

 成長した縁寿は1986年にはもちろん存在しないので、この縁寿はベルンカステルが「12年後の世界」から連れてきた縁寿である。この縁寿はこれからベアト世界に行き、メタ戦人とともにベアトのゲーム盤に挑む。この、「12年後の世界」からベアト世界にやってきた縁寿を、「メタ縁寿」と呼ぶ。

 

<新しき客人>

  1. 船が六軒島に到着するシーン。郷田の出迎え。客を全て降ろすと船は島を離れる。
  2. 絵羽、留弗夫、楼座、朱志香、譲治、戦人、真里亞、秀吉、霧江たちが島の奥に向かう。それを見るメタ縁寿。

 

<縁寿と真里亞>

★縁寿の未来

 六軒島の事件の後の縁寿がどうなったかが描かれた「縁寿の未来」。すでに死んだはずの真里亞や煉獄の七杭が現れ、これらは明らかに幻想なので、「12年後の世界」と同じ性質の世界のようにも思えるが、大きく異なる点がある。それは、「12年後の世界」にあらわれたベルンカステルがベアト世界の記憶を持っていたのに対し、「縁寿の未来」の真里亞や煉獄の七杭にはそれがないという点だ。つまり、ベアト世界の魔女が干渉しているわけではなく、真里亞や煉獄の七杭は縁寿の想像の産物にすぎず、だから、「縁寿の未来」はあくまで六軒島世界での現実であり、縁寿がたどった未来を真実語っているという解釈がまだ許される。この「縁寿の未来」に登場する縁寿は、「オルト縁寿」と呼ぶ。

 

★真里亞の過去

 「縁寿の未来」に登場する真里亞が、オルト縁寿に語る自分の思い出。実際は、オルト縁寿が真里亞の日記を見て想像したもの。たから幻想表現が出てきても、他で矛盾が生じない限りわざわざ否定する必要はない。その一方で、虚偽や誤解が混じっている可能性は否定できない。

 

★幻想による修飾

 明らかな幻想表現が出たからと言って即、それは魔法だと結論付けるのは早計だ。その幻想がそれを生み出した人物以外に全く影響を及ぼしていなければ、その幻想はその幻想を生み出している人物の想像の産物の域を出ていないので、その人物の心の中を魔法のように表現したものと言う解釈がまだできるからだ。

 

●さくたろうは留守番

 楼座はさくたろうの外出を禁ずるが、年相応の子供がぬいぐるみを持ち歩いて何が悪いのか。これもひとつの伏線。

 

<12年後の未来>

★続?・12年後の世界

 Ep4で描かれる12年後の世界では、縁寿が六軒島事件の真相を探る「縁寿の旅」が描かれている。この「縁寿の旅」の世界は流れからするとEp3にでる「12年後の世界」の続きだ。だが、そうは単純には行かない。高層ビルから飛び降りて無事だなんて奇跡はほとんど魔法で受け入れがたいし、そもそも「12年後の世界」の縁寿はベルンカステルとともに旅立ち、メタ縁寿になったはずだ。この「縁寿の旅」の世界が何なのかはひとまず保留して、「縁寿の旅」に登場する縁寿を「パラ縁寿」と呼ぶ。

 

★メタ縁寿とパラ縁寿

 ベルンカステルとともに「縁寿の旅」を眺めるメタ縁寿。メタ縁寿はベアトと対決すると同時に、パラ縁寿の目を通して12年前の真実を探ろうとしている。

 

★ベアト世界の成り立ち

 ベアトリーチェは六軒島で事件を起こし、その真実をわからなくすることで、当時の六軒島に“無限”の想像の余地を作った。これが“無限”の魔女の力の源泉。そして、メッセージボトルが世間の目に触れることでオカルト色を強め、それが当時の六軒島の魔女の存在を微細なものから強固なものへと変えた。ただ、メタ縁寿は魔女説以外の全ての可能性を否定したというがそれは正しくない。どんなにオカルト説が主流になろうと陰謀説を唱える者はいるだろうし、そうでないとメタ戦人の主張が全く通らなくなってしまう。

ともかく無限の魔女が優位に六軒島を支配した世界がベアト世界と言うことになる。逆に言うと、ベアト世界が存在するためには、“真実が明らかにならないこと”“メッセージボトルが世間の目に触れる事”が必要条件となる。

 

<赤き真実、青き真実>

  1. 蔵臼、絵羽、留弗夫、楼座、夏妃、秀吉、霧江、南條による話し合い。子供たちは浜辺に行った後。金蔵に会わせろ、会わせられないの言い争い。
  2. 霧江から、金蔵が失踪したら蔵臼は相続の権利を失うという提案がなされる。金蔵が実は死んでいるという疑いが露わになる。

 

●金蔵死亡説

 Ep4では金蔵死亡説が表立ち、それをもとに霧江がかなり蔵臼たちを追い詰めている。こうなると、本当に金蔵が姿を現さない限り、絵羽たちは金蔵が生きていると本気で考えはしないだろう。赤字でも探偵視点でもないが、親族会議がこういう展開になる可能性は十分に考えられる。

 

●金蔵の遺体

 霧江は金蔵の遺体は極秘の内にどこかに処分したと推理しているが、確かにもしすでに金蔵がすでに死んでいるのなら、遺体をいつまでも保存したりしないで、霧江の言うとおりにしている方が自然だ。どうせ金蔵は失踪したという形にして遺体を発見させるつもりはない、むしろ見つかっては困るのだから、火葬してしまった方が蔵臼たちにも都合がよい。

 

  1. 話し合いは蔵臼、夏妃が金蔵に晩餐に出席するよう説得してみると言う形に落ち着き、蔵臼、夏妃は客室を出る。霧江は金蔵がいるわけないと確信している。
  2. 金蔵の書斎。金蔵を説得する蔵臼と夏妃。しかし、嘉音から話し合いの顛末の報告を受けていた金蔵は、蔵臼をなじる。親族会議に出席すると宣言する金蔵。

 

<縁寿の回想>

  1. 濡れた真里亞を連れ屋敷に入る楼座。楼座と喧嘩してずっとそこにいろと言われたため、真里亞は薔薇庭園でずっと風雨の中にいた。
  2. 客間。真里亞の体をタオルでふく楼座。もう大丈夫だと言う戦人。良かったという譲治。女の子は体を冷やすなと叱る朱志香。タオルを持ってきたのは嘉音。
  3. 仲睦まじい姿を見える楼座と真里亞。それを見て戦人たちもなんだか胸が温かくなる。

 

●メタ縁寿と真里亞

 なんだか不機嫌になってしまったメタ縁寿に話しかける真里亞。この真里亞は「縁寿の未来」で登場する真里亞のようだが、少し違う。この真里亞の姿はベアトにも見えており、単なる想像の産物ではない。また、この真里亞はメタ縁寿が持ち込んだ日記の記述については触れているが、「縁寿の未来」での、オルト縁寿とのやり取りについては触れていない。なので、この真里亞はベアト世界に顕現していた魔女見習い「マリア」であると考える事が出来る。ベアトはちゃんと真里亞を黄金郷に連れてきていたのだ。

 

●原初の魔女

 真里亞には、“0から1を生じる力”が宿っているという。

 

●さくたろう顕現

 さくたろうが顕現するシーンは明らかに幻想だが、過去に六軒島世界で実際に起こった出来事に幻想表現を修飾して見せている可能性もあるので無下にはできない。Ep2で示したが、六軒島世界にはベアトリーチェが実在する以上、ワルギリアも実在する可能性もある。実在するベアトリーチェとワルギリアがさくたろうの姿絵を描いて、今からこれがさくたろうの姿だよと真里亞にプレゼントした思い出のシーンではないか。

 

<マリアージュ・ソルシエール>

●メッセージボトル

 パラ縁寿は、大月教授とのやり取りにより、メッセージボトルの中の手紙を書き記したのがベアトリーチェ本人であることを確認する。

 

●パラ縁寿と真里亞

 「縁寿の旅」にも姿を現す真里亞。この真里亞は他の人物の目には止まらない。パラ縁寿と真里亞の関係は、オルト縁寿と真里亞の関係に近い。

 

●パラ縁寿の魔法

 魔法の力で煉獄の七杭を呼び出すパラ縁寿。明らかに幻想だが、他には影響を及ぼしていないので、パラ縁寿の想像の産物と解釈できる。

 

<幻想への誘い>

●オルト縁寿の魔法

 オルト縁寿がマモンを召喚するのも明らかに幻想だが、他には影響を及ぼしていないので、想像の産物と解釈できる。

 

●マモンの記憶

 ベアト世界のマモンにはオルト縁寿と関わりがあったころの記憶があるので、ベアト世界そのものはその時より未来に位置しているのがわかる。ただ、ベアトの力が事件のあった二日間の外に及ばないというだけ。

 

●ラムダデルタの囁き

 ラムダデルタは縁寿に残酷な事実をつきつけそそのかす。ここでラムダデルタがおっしゃることは『うみねこのなく頃に』の根本的な世界観にも関わることのように思われるので、ラムダデルタもベルンカステルも決して嘘はついていないとして、この二人がメタ縁寿に言ったことを吟味してみる。

 ラムダデルタは、ベルンカステルがした約束はある意味嘘ではないが、騙している、という。ベアトは、“あなたの望むもっとも理想的な世界、家族の帰ってくる世界のカケラを探してあげる” “あなたが享受できる可能性の中で、もっとも幸せな結末を探して持ってくることを約束する” “仮に復讐を成し遂げられたとしても、家族が帰ってくる絶対の保証はない。奇跡的確率で、せいぜい1人を連れ戻せるかどうかよ”と言った。その意味するところは、縁寿の望む理想はそもそも事件も起こらず家族が戻ってくることだろうから、一応それも探してみるけど多分見つからない。でもせいぜい1人は戻ってくる結末は何とか探してみせるということだと思う。見つけてきたらそれがメタ縁寿にとって何の意味があるかを話していないところは確かに騙しているかのように見える。ベルンカステルには可能性のカケラを探す力があるのは確かだろう。

 そしてラムダデルタはこう被せてくる。“あなたがベアトを倒せば、戦人も両親も解放されてあなたのところへ帰ってくる”と。この解放されるとはどういうことだろうか。[1]実はどこかにメタ留弗夫やメタ霧江がいて、メタ戦人ともどもベアト世界から解放される。[2]ゲーム盤上で繰り返し殺人事件に巻き込まれる留弗夫一家に、無事生還する未来が与えられる。[3]留弗夫一家が生還する可能性のカケラが見つかる。考えられるのはこの三つだ。

 “あなたがベアトに打ち勝ったなら、台風が去った10月6日に、島に囚われていた人々は帰還する”と言っており、一見[2]か[3]のようだが、メタ戦人も六軒島にとらわれていると言えないこともないので、[1]も否定できない。いずれにしても帰還先は1986年10月6日なのは確定だ。

 ラムダデルタはメタ縁寿のことを、“右代宮縁寿よ。18歳の。………いいえ、違うわ。右代宮縁寿じゃない。……そういう名前の、魔女の駒なのよ。厳密には、エンジェ・ベアトリーチェという名の、まったくの別人”と言っており、これは、縁寿が成長している未来の世界のカケラをベルンカステルがコピーして「12年後の世界」を作り、その世界の縁寿ベアト世界にいざなったという推理と矛盾しない。

 “家族が帰ってくるのあんたのところじゃない。この1986年に存在する6歳の、正しい右代宮縁寿のところへよ。アンタのところにじゃない”というのはつまり、メタ縁寿は1986年、そして6歳にもどり、家族を迎える運命を享受することはできないということだ。だがしかし、ラムダデルタにはカケラ世界の住人を別のカケラ世界に移住させる能力があるのだから、ベルンカステル可能性のカケラを探す力で見つけてくる「留弗夫一家が帰還する1986年10月6日」というカケラにメタ縁寿を放り込むと言うのでは駄目なのだろうか。駄目だと言うことは、それはメタ縁寿が1998年由来の存在で、それまでの過去を経験してしまっているからなのだろう。

 “あんたに享受できるゴールは、完ッ全に、………いいえ。私の名において宣言するわ。この絶対の魔女、ラムダデルタの名において! “絶対”にないと宣言する…!”とは言うが、Ep8の話で恐縮だが、結局メタ縁寿は最後に魔法エンドか手品エンドのいずれかのゴールにたどり着く。それでもこの宣言が嘘でないとするなら、あくまで“現時点では”ということになるだろう。もしかしたら、現時点で勝利しても報われないから、ゴールが用意される条件が満たされるまで勝負を引きのばしなさいというのがラムダデルタの真意なのかもしれない。さすがラムダデルタ様はツンデレだ。

 ところでゲームに勝利するとメタ戦人はどうなるのだろう。現時点ではメタ縁寿は行き場がなく消えてしまうが、メタ戦人は1986年10月6日以降を経験していないから「留弗夫一家が帰還する1986年10月6日」に行くことができる。ただ、そんな約束誰もしてないし、メタ戦人自身もそんなこと考えもせずベアトと戯れている。いくらゲームに勝利しても無能で愛のないメタ戦人という駒を、はたして魔女はどう扱うか?

 

<私の世界>

●除名

 絶望のあまり魔法を否定するオルト縁寿。縁寿はマリアージュ・ソルシエール魔女同盟より除名となるが、真里亞は、縁寿さえ思い出してくれれば、私たちはいつでも、側にいられると言ってくれている。

幼少時の縁寿も当時の真里亞に同じようなことを言い魔法を否定したことがあるようだが、もしかしたらその時も除名になり、「縁寿の未来」でまた同盟に復帰していたのかもしれない。

 

<さくたろ>

●除名2

幼少時に縁寿がさくたろをからかった時の、その後の様子が描かれている。やはり、そのときにも縁寿はマリアージュ・ソルシエールから除名されているようだ。

 

●憑依

 民生委員に痛いところをつかれ、異様に取り乱す楼座を見て、真里亞はそれを母親の体に憑依した別の存在だと確信する。真里亞には、憑依と言う概念がある

 

●さくたろうの死

 さくたろうが楼座に殺され、真里亞の心が絶望に染まり、ベアトリーチェが真里亞に復讐のための魔法を教えるようになる。これらの出来事は1986年10月4日より前の話だ。だから、戦人が再会した時の真里亞はさくたろうを失った絶望に包まれており、戦人がかつて知るような無邪気な真里亞ではない。真里亞のその感情を慮れば、真里亞はベアトリーチェとただ同盟関係にあるだけでなく、積極的な共犯者である可能性がある

 

<魔女の島へ>

●真実を探れ

 パラ縁寿はあのビルの屋上でベルンカステルに12年前の真実を探れと言われたらしい。しかし、Ep3の????ではベルンカステルはそんなことは言っていない。やはりパラ縁寿はメタ縁寿とは連続しない存在だ。そして、ベルンカステルの名前は想像の産物と済ますわけにはいかない。ベルンカステルの名前は真里亞の日記には書いてないだろうから、もしベルンカステルが縁寿の想像の産物ならパラ縁寿がベルンカステルの生みの親と言うことになってしまう。ベルンカステルの名前が登場したからには、「縁寿の旅」の世界は六軒島世界には属さない。未来の世界はベアトの管轄外だから、「12年後の世界」と同じく「縁寿の旅」の世界は12年後に起こり得たことをベルンカステルが再現した世界なのだ。

 

●さくたろうの召喚

 さくたろうは死んだわけではなかった。真里亞が、さくたろうは死んでしまったと決めてしまったので真里亞の前に姿を現せられなくなっただけだった。パラ縁寿にはさくたろうが召喚出来ても、そこに真里亞が現れればさくたろうは消えてしまうのだろう。

 

●ゴルフバッグ

 天草が用意したゴルフバッグ様の荷物は、その時彼からでる軽口からすると、人の命を奪うためのものだ。

 

<右代宮金蔵>

  1. 夜10時間近。ゲストハウスに向かう朱志香、譲治、戦人、真里亞、紗音。寝ている真里亞は譲治に背負われている。譲治と紗音、朱志香と嘉音の恋の話が話題に上る。
  2. 親族会議にあたり、当主の金蔵から直々に重大発表があるという予告がされているらしい。それで朱志香、譲治、戦人、真里亞、紗音は屋敷を出るよう厳命された。
  3. 食堂。蔵臼、絵羽、留弗夫、楼座、夏妃、秀吉、霧江、南條がいる。真里亞は金蔵から直接傘を受け取ったと楼座に言ったらしく、絵羽、留弗夫、楼座、秀吉、霧江はそれについて相談する。

 

●真里亞の嘘

 金蔵はすでに死んでいるのだから、傘を渡した人物について真里亞が言ったことは嘘である。それに関するシーンは赤字でも探偵視点でもないのでバッサリ無視してもいいのだが、真里亞積極的な共犯者である可能性も浮上しているので、真里亞が嘘をついたのが事実という可能性もある。

 

  1. まだ金蔵がすでに死んでいる可能性にかける絵羽、留弗夫、楼座、秀吉、霧江。ともかくその時を待つことにする。
  2. 親族会議開催予定時刻は22時。蔵臼と夏妃もその時を待つ。
  3. 戸締りの報告のため郷田と熊沢が食堂を訪れる。使用人全員も親族会議に出席するよう命令が出ているらしい。
  4. 軽食の準備をしているという郷田。コーヒーはすでに配膳されているようだ。
  5. ゲストハウスへの送迎を終えた紗音が食堂に戻ってくる。源次と嘉音は金蔵を迎えに行っているがまだ戻ってこない。

 

●いつもと違う親族会議

 今年の親族会議は例年と違うとのことだが、過去のEpと比べても違いがある。金蔵の登場が予告されていることもそうだが、ベアトリーチェからの手紙が登場した様子がない。今回はベアトリーチェの手紙に金蔵登場予告が記されていたのだろうか?

 

  1. 22時になっても金蔵は姿を現さない。30分待っても現れなかったら書斎に押し掛ける迫る絵羽と留弗夫。
  2. ノックの後源次が登場。金蔵の登場を告げ、源次と嘉音が食堂の扉を大きく開く。
  3. 金蔵が姿を現す。碑文の謎が解かれなかったことに失望の意を示し、碑文によって継承者を選ぶことを中止することを宣言する。
  4. さらに、蔵臼、絵羽、留弗夫、楼座のいずれにも当主の座を継承する資格がない、だから右代宮家は終わりだと言う金蔵。
  5. なんとか蔵臼たちのフォローをする南條。その結果、金蔵は、自分の孫たちに継承の資格があるかどうかを個別に試すことに決める。
  6. もうひとつの話題として、儀式の協力を求めると言いだす金蔵。その儀式は碑文通り、ベアトリーチェを蘇らせるため、13人の生贄をささげるものだと言う。血相を変える南條。
  7. 儀式を止めるには、碑文の謎を解くか、金蔵自身を殺すかのどちらかだという金蔵。
  8. シエスタ姉妹を召喚する金蔵。金蔵は6人の射殺の許可を出し、それを受けシエスタ姉妹は攻撃を開始する。
  9. 夏妃、留弗夫、秀吉、源次、絵羽、楼座が次々にシエスタ姉妹の犠牲になり、頭部が半壊した遺体となる。
  10. 金蔵はロノウェ、ワルギリア、ガァプを召喚する。ガァプの能力で蔵臼、霧江、南條、紗音、嘉音が穴に飲み込まれいずこかに消える。郷田と熊沢は何とか食堂から逃げ出すことに成功する。
  11. 金蔵は孫たちの資質を確かめる方法に思案を巡らす。もし資格があると判断したらベアトリーチェの復活は断念すると言う。

 

<甘美なる魔女の世界>

●楼座への拷問part3

 ベアト世界にて行われる、ベアトとマリアによる楼座への拷問。楼座はマリアージュ・ソルシエールを完全に敵に回している。だが敢えて楼座寄りの考察をしてみると、ベアトがここまで楼座の素行にくわしいのは、かつて真里亞からそう聞かされたからだと思うが、真里亞はさくたろうを介してとても幸せな世界を構築できる一方で、さくたろうを失えばどこまでも悪意に満ちた世界までも構築できてしまう危うさを持つ。マリアージュ・ソルシエール側が提示する楼座の姿は醜悪そのものだが、それが一から十まで真実とは限らない。

 ただ、楼座がさくたろうを殺したのが事実ならそれが引き金となっているので、弁護のしようがない。

 

  1. いとこ部屋。寝起きの真里亞を戦人がからかい、真里亞は癇癪をおこす。戦人をなじる朱志香。真里亞をなだめる譲治。
  2. いとこ部屋に飛び込んでくる熊沢と郷田。

 

<地下牢>

  1. 地下牢。蔵臼、霧江、南條、紗音、嘉音はそこに落とされた感覚でいる。脱出のため行動を起こす5人。紗音が繋がった電話を発見する。
  2. 電話は、外線は繋がらないが、内線は生きていた。いとこ部屋に電話をかける蔵臼。郷田が出て、朱志香に替わる。朱志香たちは郷田たちから一部始終を聞かされているようだ。
  3. 蔵臼は自分たちの状況を説明し、朱志香にその部屋から出るなと指示。他のメンバーも代わる代わる会話を交わし状況を確認し合う。
  4. 譲治、戦人、郷田はゲストハウスの戸締り。郷田は金蔵に複数の手下がいて銃を用いたと説明したが、魔法関連のことは話していないようだ。
  5. いとこ部屋。おびえる熊沢を気遣う真里亞。朱志香と熊沢の会話。譲治、戦人、郷田が戸締りから戻ってくる。
  6. 地下牢。今後のことを相談する蔵臼、霧江、南條。
  7. 紗音と嘉音の会話。過去のゲーム盤や黄金郷のことなど、幻想じみたことについて話している。
  8. 嘉音が、誰かが来るのを察知し、蔵臼に報告。やがて金蔵、ロノウェ、ワルギリア、ガァプが姿を現す。
  9. 地下牢の場所が、九羽鳥庵の地下だと明らかになる。南條は九羽鳥庵を知っていた。
  10. 孫たちへの試練のため、電話をかけるよう蔵臼に命じる金蔵。

 

<私の使命>

●死者からの手紙

 ベアトリーチェは南條の息子、熊沢の息子、縁寿に1億円の貸金庫の鍵と暗証番号“07151129”を送付している。それは報酬か慰謝料か。南條、熊沢、留弗夫が共犯だったり、縁寿の欠席が計画的だったりといったことを匂わせる行動ではあるが、気まぐれと解釈したらそれまでである。

 

●縁寿が見たもの

 パラ縁寿がマルフク寝具店でみつけたのは、おそらく、さくたろうの人形。手作りであるはずのそれが見つかったということは、さくたろうは、本当は手作りでなく量産品だった。楼座がさくたろうの外出を禁じたのがその伏線。楼座はさくたろうが他人の目に触れ、手作りでないことがばれるのを恐れたのだ。

 

<最後の親族会議>

  1. 蔵臼からの電話を朱志香が受けている。次期当主の資格を問うテストのことが伝えられる。金蔵は蔵臼を介して、まず熊沢と郷田を園芸倉庫に閉じ込めて施錠するよう指示をとばす。
  2. 南條はもう少し温かい場所に移してほしいと金蔵に頼み、ワルギリアも助け船を出すが、金蔵はそれを拒む。
  3. 紗音と嘉音を挑発するガァプ。ガァプを諌めるロノウェ。
  4. 金蔵はゲストハウスの動きを見張るようシエスタ姉妹に命じ、シエスタ姉妹は瞬間移動のように姿を消す。
  5. 金蔵はワルギリアに地下牢の見張りを命じる。ワルギリアは山羊の従者を3人召喚する。金蔵、ロノウェ、ガァプは地下牢から離れる。
  6. 園芸倉庫。熊沢と郷田が中に入り、譲治がシャッターを閉め施錠。小窓からシャッターの鍵が中に入れられ、郷田が預かる。朱志香、譲治、戦人、真里亞は共に行動。4人はゲストハウスに戻る。
  7. いとこ部屋。4人が戻るとすぐに電話が鳴る。譲治が出るが、相手が霧江なので戦人に替わる。
  8. 霧江が次の指示を伝える。テストは朱志香、譲治、戦人、真里亞の順で行なわれる。呼び出しがあるまでは部屋にいる事。
  9. 戦人は金蔵に大声で宣戦布告。金蔵はそれを耳にして楽しみだと答える。金蔵の声は戦人の耳には入らなかったので、霧江がそれを戦人に伝える。
  10. 霧江は、自分たちは資格を失ったので戦人たちだけで戦えと伝える。霧江の言葉のニュアンスから、霧江たちの諦めを感じ取る戦人。テストをブチ壊しにしてみんなを救うと誓う戦人。
  11. 霧江を介して朱志香への指示。朱志香の自室に行け。朱志香に替わり直接指示が伝わる。
  12. 指示を受け自室に向かおうとする朱志香。金蔵の顔に一番最初に拳を見舞ったものが次期当主だと言う約束を交わす朱志香、譲治、戦人。
  13. ひとり自室に向かう朱志香。それを見送る譲治と戦人。2階からそれを見ている真里亞。
  14. 電話が鳴り、譲治と戦人は部屋に戻るが、真里亞が電話に出る。電話の相手は紗音。譲治に替わるように言う紗音。その電話は譲治に向かうべき指示を伝えるものだった。

 

<次期当主>

  1. 自分の部屋に入る朱志香。ロノウェが現れる。黄金蝶の群れが現れ、封筒に変わる。封筒の中にはテストの問いが記された手紙が入っており、朱志香はそれを読む。
  2. 薔薇庭園の東屋。呼び出された譲治がいる。譲治は紗音に指輪を渡せていないようだ。ガァプから譲治にテストの問いが書かれた手紙が渡され、譲治はそれを読む。
  3. テストの様子を水晶玉で観察する金蔵。金蔵に心の古傷を抉られ、地下牢の見張りの手伝いを命じられるシエスタ姉妹。
  4. 朱志香の答えは“自分の命”。テストの様子は地下牢にも映し出されている。嘉音は自分の命を奪うようワルギリアに言うが聞き届けられない。
  5. シエスタ姉妹が突然現れ泣きじゃくる。ワルギリアは山羊の従者に見張りを任せ、シエスタ姉妹とともに上の階に行く。
  6. 今にも殺されようとする朱志香を見て、蔵臼は懸命に鉄格子を破ろうとする。
  7. 譲治の答えは“それ以外の全員の命”。その全員の命を奪えとガァプは譲治に要求し、譲治は手始めにガァプを殺そうとする。
  8. 殺されんとする刹那、ロノウェの顔を殴る朱志香。朱志香の真の答えは“自分の命”を賭ける事。
  9. 譲治とガァプの魔法バトル開始。朱志香とロノウェの魔法バトル開始。譲治の戦う様子も語る愛も紗音は見聞きしている。
  10. 不利になったガァプは山羊の従者を3人召喚。そして地下牢の見張りの山羊がいなくなっている。その隙に何とか鉄格子を破ろうとする蔵臼、霧江、南條。
  11. 朱志香の声が嘉音の心に届き、紗音も譲治に愛を示され、彼らは行動を起こす。嘉音は鉄格子を切断する。
  12. 蔵臼たちの脱獄がシエスタに察知される。地下道を逃げる蔵臼たちを阻む鉄格子を、嘉音がカノンブレードで切断しようとするが、ワルギリアにエンチャントされていたため、すぐには切断できない。
  13. シエスタが放つ黄金の矢を紗音・嘉音が迎撃する。次弾を打たせないため紗音・嘉音は霊子の衝撃波を放ちシエスタ姉妹の動きを封じる。
  14. ワルギリアは山羊の従者を無数に召喚する。
  15. 嘉音が鉄格子の切断に成功するも、またすぐに次の鉄格子に行きあたり、再び嘉音は切断に取り掛かる。
  16. ワルギリアは霊波防弾の中和を開始。後方の鉄格子の隙間を抜けようとする山羊の群を迎撃する蔵臼と霧江。
  17. 3人の山羊を撃破する譲治。力を増す朱志香に押され気味となったロノウェは本気の魔法障壁を放ち、朱志香を抑え込む。
  18. 嘉音が鉄格子の切断に成功。しかしワルギリアの力で魔法が封じられる。シエスタ姉妹はまだ動けず、ワルギリアが出向く。
  19. 地下道を駆け抜ける蔵臼たち5人の前に、ワルギリアと1人の山羊が立ちはだかる。
  20. 蔵臼と山羊のフラグバトル開始。ワルギリアと山羊の立てる負けフラグが20に達し、蔵臼が勝利する。
  21. 山羊と山羊の下敷きになったワルギリアを後に残し、蔵臼たちはさらに地下道を進む。
  22. 魔法障壁に追い詰められている朱志香。障壁も壊れかかっているので朱志香は最後の一撃を繰り出そうとする。
  23. 譲治の必殺の一撃がガァプを捉えようとする瞬間、朱志香が譲治の目の前にとばされ、朱志香と譲治はお互いに致命傷を負わせてしまう。
  24. ガァプは、朱志香の遺体を朱志香の部屋に送り、譲治の遺体を一旦もとの姿に戻し額に穴を開ける。
  25. ロノウェは朱志香を蘇らせ、死まで3分の猶予を与え、朱志香の部屋を去る。
  26. 朱志香はいとこ部屋に電話をかけ、戦人が出る。自分は頭を半分ブチまけた死体になる、譲治も即死だろう、敵は魔法を自在に扱う悪魔だ、自分と譲治の死が第二の晩、などと言うことを伝える。
  27. 朱志香は頭部半壊の死体に戻ってしまう。
  28. 井戸から外に抜け出した霧江、蔵臼、南條、紗音。もうすぐで井戸を抜けるところだった嘉音の胸に大きな穴が開き、嘉音は井戸の底に落ちる。
  29. 紗音の頭部を黄金の矢が貫く。蔵臼と霧江はすぐ逃げるが、腰を抜かした南條は頭を黄金の矢で貫かれる。
  30. 蔵臼と霧江は屋敷に逃げ込むが、蔵臼は頭部を黄金の矢で貫かれる。霧江は客室のひとつに逃げ込む。
  31. いとこ部屋に電話がかかり、戦人が出る。相手は霧江。自分が見た一部始終を魔法のことも含め話す霧江。
  32. 自分以外の4人は殺され、今まさに黄金の糸みたいなもので命を狙われている。これは第二の晩を終えて、自分たちの晩に至ったという推測を伝える霧江。
  33. “霧江さん”の声は自分の命を諦めている。霧江は魔女などの存在を信じろと助言。受話器の向こうですごい音がした後、霧江は電話に応じなくなる。

 

<惨劇の原因>

  1. 儀式の成就を喜び、やさしい本当のママを蘇らせてもらうと言う真里亞。ここからは好きにさせてもらうといとこ部屋を飛び出す戦人。
  2. 電話が鳴り、真里亞が受話器を取る。電話の音を聞きいとこ部屋に戻る戦人。電話の相手と談笑する真里亞。真里亞は戦人に電話を替わる。真里亞はテストの場所に行くと言って出ていく。
  3. 電話の向こうからは知らない女の声。すぐ側には金蔵がいる様子。
  4. 金蔵とベアトリーチェは応接席のチェスに向かい合い、酒宴をしている。
  5. 電話の相手は13人殺しの儀式で復活したベアトリーチェだと名乗る。
  6. 金蔵に、真里亞のテストには金蔵が、戦人のテストには自分が行くことにしたと告げるベアトリーチェ。
  7. 電話の相手は、テストは自分、ベアトリーチェが行なう旨を戦人に伝え、場所を屋敷の正面玄関に指定する。受話器を叩きつける戦人。
  8. 表に出る戦人。郷田たちが言っていた手勢の存在を想定し、園芸倉庫に熊沢と郷田を迎えに行く戦人。
  9. 園芸倉庫。シャッターを開ける鍵を受け取るため小窓からなかを覗くと、熊沢と郷田がロープに首を吊るされており、戦人には生きている気配を感じられない。
  10. シャッターは閉まったままで、唯一の鍵は郷田預かったはずという認識の戦人。
  11. 戦人は、現在の生き残りは、自分と金蔵、真里亞、ベアトリーチェだと考えている。
  12. 魔女が待つはずの屋敷に向かう途中東屋を目にし、譲治が殺されたと言う朱志香の話を思い出し東屋に向かう戦人。
  13. 東屋。譲治の遺体を確認する戦人。譲治の額には銃で撃たれたような穴がぽっかりと開いている。
  14. 魔女を名乗る相手との電話を思い出す戦人。“ゲーム盤の上”という言葉を使っていた。
  15. 屋敷の前。霧江の話では、山羊の従者が大勢いたという話だったが、その気配はない。
  16. 小箱を見つける戦人。24時の鐘が鳴り、肖像画でしか見たことない女が2階のバルコニーから姿を現す。
  17. その女は、服は違うが、顔は肖像画の魔女とそっくり。戦人はその人物をベアトリーチェと確信する。

 

●見たことない女

 戦人は探偵視点で、ベアトリーチェのことを見たことない女と言うが、普通に考えるとそんなはずはない。金蔵はすでに死んでいこの島には18人以上の人間は存在しないのだから、Ep1で戦人が探偵視点で蔵臼、絵羽、留弗夫、楼座、朱志香、譲治、真里亞、夏妃、秀吉、霧江、南條、源次、紗音、嘉音、熊沢、郷田の16人を確認している以上、みたことない人間が島に存在できる余地は無い。この矛盾を解消する方法として次の三つが挙げられる。

[1]Ep4では事件前のことは全く探偵視点で描かれていないので、Ep4に限っては、実はまだ戦人が確認していなかった人物がおり、その人物がここで初めてベアトリーチェとして登場した。

[2]本当は見たことある人物なのだが、戦人が見たことない女だと誤認した。

[3]死体は人数に数えないという解釈のもと、誰かが死んで島の人数が減った後で、戦人が見たことない人物がベアトリーチェとして六軒島に入島した。

 いずれが正解かはおいおい検討する。

 

  1. 戦人はテストなど無視して屋敷に入ろうとするが、しっかり戸締りされていて入れない。
  2. しかたなく小箱を開ける戦人。中にはテストの問いが書かれた手紙が入っており、戦人はそれを読む。
  3. テストの問い;以下に掲げる三つの内。二つを得るために、一つを生贄に捧げよ。一.自分の命 二.__の命 三.それ以外の全員の命 何れも選ばねば、上記の全てを失う。
  4. ベアトリーチェが二番の空欄にはもっとも愛する者の名が入るというと、戦人は茶化してベアトリーチェの名を挙げ、二番を選ぶ。
  5. ベアトリーチェが想い人の名を教えろと言っても、戦人は特定の女はいないと答える。
  6. ベアトリーチェは、戦人がおっぱいソムリエで、金髪のボインボインが好きだと思っている。
  7. ベアトリーチェは急に真面目な態度をとり、次期当主のテストの開始を宣言する。戦人も真面目に対応する。
  8. ベアトリーチェは、まず戦人が右代宮の名を捨てた6年間を非難し、それから、自らの罪を思い出し、告白し、懺悔せよ、それがテストである、と戦人に告げる。
  9. 戦人は戦人なりにテストに回答するため6年間の胸の内を吐露するが、ベアトリーチェは全く関心を示さず、もっと思い出すべき罪があるのではないか、と戦人に告げる。
  10. ベアトリーチェはさらに告げる。思い出せないことが戦人の罪。思い出すことが贖罪のテスト。

 

俺の6年前に、ベアトリーチェなどという人物は存在しないのだ。

妾が今、そなたに思い出すことを要求している罪は、右代宮戦人とベアトリーチェの間のものではない。

右代宮戦人には、罪がある

そなたの罪で、人が死ぬ。

そなたの罪により、この島の人間が、大勢死ぬ。誰も逃さぬ、全て死ぬ。

 

●戦人の罪

 Ep3の●罪な男戦人で述べたように、戦人は紗音に刺されてもしかたないだけのことをしている。それを思い出せもしないというのは確かに罪だ。しかし、これだけでは六軒島大量殺人の動機とは言い難い。

 

●“全て死ぬ”

 赤字で“全て死ぬ”というからには、六軒島殺人事件には生存者は存在できないはずである。しかし、「12年後の世界」や「縁寿の旅」は絵羽が生存者となっている世界である。どちらもベルンカステルが再現した世界とはいえ、12年後に起こり得たことがもととなっているので、“全て死ぬ”の赤字と矛盾してしまう。この矛盾をどう説明するか。

 ところで、“妾が今、そなたに思い出すことを要求している罪”という赤字の、“妾”と“そなた”は誰のことか。ベアト世界での問答なので、ベアトとメタ戦人のことと考えるのが自然だが、もうひとつの解釈がある。Ep2の●“妾(わらわ)”で述べたように、六軒島世界にはベアトリーチェが実在していて、ニンゲンのベアトリーチェが行なった行為を、ベアト世界で“妾”が行なったと発言する場合があるので、今回も同様に、ゲーム盤上で、ベアトリーチェ戦人自らの罪を思い出すことを要求しているシーンを、“妾”と“そなた”が行なっているように発言しているという解釈もできる。そうなると、“そなたの罪により、この島の人間が、大勢死ぬ。誰も逃さぬ、全て死ぬ。”の“そなた”とは、Ep4のゲーム盤上の戦人のことで、それならば、その結果“全て死ぬ”のは、Ep4のゲーム盤で起こることを指していると考える事が出来る。これならEp4のゲーム盤以外で生存者がいても矛盾しない。

 もちろん戦人の罪自体は6年前に発生しているので、戦人の罪は全Epに共通して存在する。だがその結果、1986年の事件がどのような結末を迎えるかは、Ep毎で異なる

 

  1. 何も思い出せないという戦人。
  2. (ゲーム盤のベアトリーチェとベアトの会話。ベアトリーチェは非常に落胆し、ゲーム盤を降りると言い、ベアトが後を引き継ぐと言う。)

 

●ベアトリーチェ役の交代

 この交代以降はベアトが直々にゲーム盤のベアトリーチェを演ずることになるが、ゲーム盤の登場人物にとっては何の影響もない出来事である。

 

  1. テストはもう十分だろうと息巻く戦人だが、ベアトリーチェの方は完全に冷め切っており、明らかに今までとは別人。
  2. ベアトリーチェは失望を態度で示し、屋敷に引き返す。後に残るは戦人のみ。
  3. 金蔵の書斎。金蔵、ロノウェ、ワルギリア、ガァプがパーティをしている。
  4. 戦人のテストの結果をベアトリーチェに問う金蔵。真里亞のテストは合格だったらしい。
  5. 丸焼きになる金蔵。興が醒めたというベアトリーチェ。ベアトの指示で、黒焦げの金蔵を漆黒の落とし穴に飲み込ませるガァプ。
  6. 戦人の名を口にしたガァプがガラスの彫像になる。ベアトが消えろと言うので、ロノウェは姿を消し、ワルギリアもガァプを連れて姿を消す。
  7. 書斎にひとり残るベアトリーチェ。(ベアトリーチェはベアトとしてメタ戦人を呼ぶ。)

 

●戦人の脱出

 メタ戦人は、ベアトがゲームに飽きることで解放され、六軒島を脱出できるつもりでいたようだ。“解放”はともかく“脱出”という表現を使うからには、六軒島世界の六軒島を生きて脱出することをさせていると考えられる。Ep1のお茶会では、メタ戦人は六軒島で大量殺人事件があったらしいことは理解しており、自分はそこで死んだ存在だと考えているものと考えられたが、少なくともEp4のこの段階では、自分は実は生きていたのではないかと考えているようだ。ラムダデルタたち魔女には、カケラ世界の住人を別のカケラ世界に移住させる能力があるという発想があるから、別に六軒島世界で戦人が死んでいてもかまわないのだが、この時点のメタ戦人にはそんな発想はないので、正しい世界観との齟齬が生じるのは仕方がない。

 メタ戦人も自分なりに、ゲームが終われば自分はどうなるか考えてみたのかもしれない。もしかしたらお役御免となり消えてしまう可能性も考えたかもしれない。だが、自分はこうして魔女との対決を許されており、他のみんなとは明らかに待遇が違う。だから実は本当は、自分は六軒島事件を生き延びており、それなのにこのベアト世界に引きずり込まれ、魔女とのゲームを強いられている存在なのではないか。だから、ゲームが終われば、もとの六軒島世界に戻ることができる、というふうに考えているものと思われる。

 これは実に楽観的な考えだが、幸いにもこの後すぐにラムダデルタが登場し、少し条件が厳しくなるが、ベアトに勝利することが元の世界に戻ることの出来る唯一の方法であると保証をくれる。(勝利すれば必ず戻れるとは言っていない。)

 

俺の名は右代宮戦人

妾は黄金の魔女、ベアトリーチェ。そして右代宮金蔵の孫、右代宮戦人と戦うためにこのゲームを開催した。

右代宮戦人の母は、右代宮明日夢である。

俺の名は右代宮戦人だ。

右代宮戦人は、右代宮明日夢から生まれた

*(そなたは、右代宮明日夢から生まれた。)俺は、右代宮、……、……ふぐ、…………っ?! ……?!?!

俺は右代宮戦人だ…!

俺は右代宮明日夢から、ッ、ふぐ、……んんんぐ……!!! ……………ぐはッ!

そなたは、右代宮明日夢の息子ではない

 

●二人の右代宮戦人

 上記の赤字をまとめると、

 

メタ戦人=右代宮戦人A

右代宮戦人の産みの母=右代宮明日夢 → 右代宮戦人B=右代宮明日夢が産んだ息子

メタ戦人≠右代宮明日夢の息子

 

 となる。右代宮戦人A=右代宮戦人Bとすると、矛盾が生じるので、AとBは別人とするしかない。つまり右代宮戦人は二人存在する。あくまでメタ戦人が右代宮金蔵の孫であると主張するなら、明日夢が産んだ右代宮戦人Bの消息が不明になるが、明日夢が産んだ息子も、あくまで右代宮戦人であるのは間違いない

 

  1. 金蔵の書斎。誰もいない。

 

<旅の終着点>

●もう一つの船着き場、もう一つの屋敷

 それらを知るのは、金蔵、源次、船長の川畑ら船の関係者、高齢の使用人ほんの数人。そして南條、熊沢。

 絵羽は九羽鳥庵にいたため生き延びる事が出来た。

 

●黒き魔女

 エヴァが黒き魔女として登場するが、エヴァはあくまで絵羽の内面であるところの少女絵羽が変化した魔女だから、絵羽にとりつくことはあっても、霞にとりつくはずがない。「縁寿の旅」の世界は12年後に起こり得たことをベルンカステルが再現した世界であり、エヴァはその作られた世界に黒き魔女役で登場させられているだけである。Ep3でもエヴァは“北風”役として悪役にさせられ、皆の憎しみを一手に引き受けている。全く損な役回りである

 

●白き魔法?

 煉獄の七姉妹が本当に顕現して霞たちを次々に殺すシーンは、天草が武器を用意する伏線があったので、天草が遠方から次々に狙撃しているのを、パラ縁寿が魔法のごとく演出しているという解釈もできる。しかし、これが白き魔法と言えるだろうか? 真里亞の日記を破かれた怒りを黒き魔法に転じてぶつけているようにしか見えない。

 そこで、別の解釈。「縁寿の旅」の世界は六軒島世界には属さないので、本当に魔法が存在しても構わない世界である。パラ縁寿はそのことに気付くことで本当に煉獄の七姉妹を顕現させることに成功し、本当に煉獄の七姉妹が霞たちを殺しているのだ。

 「縁寿の旅」の世界は12年後に起こり得たことをベルンカステルが再現した世界なので、その世界に登場する霞もまた、ベルンカステルが配置した駒に過ぎない。その駒の霞は、非常に醜い悪役として描かれているため、実際の須磨寺霞がどのような人物であるかに関わらず、「縁寿の旅」の世界を観測しているものは、霞に悪いイメージを抱いてしまう。自分の居る世界がベルンカステルが再現した世界に過ぎないことに気付いたパラ縁寿は、駒の霞を煉獄の七姉妹に殺させることで、霞の悪いイメージを否定し、逆に、実は須磨寺霞は善人である可能性を示したのだ。これなら白き魔法と言えるのではないでしょうか。

 

●魔法の理解

 夜空に浮かびベルンカステルと対話しているのは、パラ縁寿ではなく、メタ縁寿。ただし、パラ縁寿が旅の果てに得たものを獲得している。このメタ縁寿は魔法の全てを理解したと言うが、縁寿に魔法を教えたのは真里亞であり、真里亞は魔女見習いでしかないので、メタ縁寿は真里亞が教えた魔法は理解したかもしれないが、まだまだ魔法の真髄には至れていない。

 

●家族の取り戻し方

 ここで思いつくのは、1986年の縁寿しか救われないとしても、いつかその縁寿は1998年の縁寿に届くので、自分も家族に出会える可能性があると言う解釈。

 しかし、メタ縁寿が白き魔法を理解したと言うなら、どんな結末でも、これが家族を取り戻したことになる、と納得してしまいそうだ。

 

ここは妾の黄金郷…!

妾以外の魔法は絶対に存在できない世界!!!

ここは妾の黄金郷!! 妾以外の魔法は絶対に存在できない世界!! そして妾の魔法でさくたろうを蘇らせることは出来なかった…!!

そのぬいぐるみは特別なぬいぐるみ! 楼座が娘の誕生日のために作った、世界でたった一つの、………あ、………………ぅ、……………あ……、

 

●さくたろうの復活

 ベアトはさくたろうを蘇らせることができなかった。なぜならさくたろうが死んだというマリアの概念を覆すことができなかったから。これを、六軒島世界のベアトリーチェが、真里亞の概念を重要視していたという伏線と捉える。

 

右代宮戦人は右代宮明日夢の息子ではないわ。

*“戦人は明日夢の息子ではない

*“金蔵の孫である戦人にしか対戦相手の資格がない

*………縁寿は、……俺の妹だ

何も信用できない、赤くない言葉は何も信用できない……!!

早く帰ってきて、お兄ちゃんッ!! 私を独りぼっちにしないでッ!!!

私よ、縁寿よ…!! お父さんもお母さんもお兄ちゃんも、誰も帰ってこないッ!! 寂しいよ!! お願いだからッ、早く帰ってきてッ!

そうよ、縁寿よ!! 誰も帰って来ない世界の右代宮縁寿…!! ………私の家族は全て、あの日の六軒島から帰って来ない…!!

目の前のあの魔女が、家族を全て、お兄ちゃんさえも奪い取ってしまった…! ………お兄ちゃんだけが、あいつをやっつけられる!! あいつをやっつけて…!!

そして、家族を取り戻して!! そして、………私のところに帰ってきて……!!!

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