<幻想大法廷>
●おかしな立ち位置
幻想大法廷は、人間側がベルンカステルとヱリカ、魔女側がベアトリーチェ、審判がラムダデルタという立ち位置で進められるが、これはおかしい。Ep1~4では人間側がメタ戦人、魔女側がゲームマスターのベアトだったのだから、本来この幻想大法廷で魔女側に立つのはゲームマスターのラムダデルタであるべきだ。ゲームマスターは魔女側として人間側の主張を赤字で退けなければならないのに、その力がない駒のベアトリーチェが矢面に立たされている。これでは勝てるはずがない。
*つまり熊沢は、ゲストハウスへ戻って以降、朝まで2階に上がっていない。
*つまり、郷田はゲストハウスへ戻って以降、朝まで2階に上がっていない。
*ゲストハウスには、24時の時点で、譲治、朱志香、真里亞は生存していて、2階のいとこ部屋にいた。南條、郷田、熊沢は1階にいた。
*譲治、朱志香、真里亞、楼座、源次の5人はちゃんと死んでるわよ。
*24時の時点で、屋敷の2階廊下には、夏妃と蔵臼、源次がいたわ。残りは全員、親族会議の食堂よ。もちろん、この時点ではまだ殺人は起こってない。源次も健在よ。
*午前1時から午前3時まで、ヱリカ、南條、郷田の3人は、ゲストハウス1階のラウンジで過ごした。
*24時以降、ヱリカは午前3時までずっと、南條と一緒にいたわ。
*あなたの封印も赤き真実も完璧よ。南條は、午前3時までヱリカと一緒にいたというアリバイがある。そして午前3時から朝まで自室を出ていない。
*右代宮戦人は、午前3時にいとこ部屋に戻りそのまま就寝した。そして事件発覚まで部屋では一切、不審なことはなかった!
*つまり、戦人には殺人も死体を傷つけることも不可能だったということ。
*ゲストハウス2階へは、ラウンジにいた人物に知られずに至ることは不可能。……もちろんこれは、内部から2階へ至る話だけれど。
*ゲストハウス2階へは、ラウンジを通過しない限り至ることは出来ず、ラウンジにいたヱリカに知られずに至ることは不可能!
*24時の時点で、屋敷の2階廊下には、夏妃と蔵臼、源次がいた。残りは全員、1階の食堂。そしてご存知のとおり、謎のノックがあって、片翼の紋章の手紙が現れた。そして、それを巡って、午前1時まで延々と議論が続いたわ。私がそれを赤き真実で語るわ。食堂の全員は、午前1時まで、誰一人食堂を退出していない…!
*赤き真実はただ真実であり、証拠も証明も、議論の余地も必要ない!!
●ベルンカステルの使う赤字
ベルンカステルは全ての真実を知っているわけではないので、基本的には、ゲーム盤の内容について赤字を使うことは出来ないはずである。なので、探偵宣言をしたヱリカをゲーム盤上に登場させ、ヱリカが観測した事実を根拠に赤字を用いる。
ところが、第一の晩の犠牲者についてヱリカは検死を行なっていないので、ベルンカステルもその5人の死を確定する赤字は使えないはずである。他にも、ゲストハウスでの親族会議の様子や、蔵臼の生死についてもヱリカが観測したわけではないので、これらについても赤字は使えないはずである。にもかかわらず用いている。これは、描写されていないところでベルンカステルとラムダデルタが赤字と青字の推理バトルを行なった結果、ベルンカステルがラムダデルタから直接獲得した赤字であると思われる。
となると問題が生じる。“ノックス第2条。探偵方法に超自然能力の使用を禁ず。”に反するのではないだろうか。これは問題ない。幻想大法廷は24時を迎えての答え合わせなので、すでにゲーム盤は最後まで終了しており、幻想大法廷でどのような結論が出ても、ゲーム盤の物語の展開が変化することはない。従って、幻想大法廷ではノックス第2条は適用されない。ゆえにベルンカステルは事前に獲得していた赤字も自由に用いることができる。
*源次は電話の取次ぎを終えた後、そのまま、まっすぐ控え室に戻っている。
●ゲーム盤との相違
ゲーム盤上では24時にノックと手紙の一件があった後、蔵臼と源次が食堂に戻ってくるよう描かれているが、源次は電話の取次ぎを終えた後、そのまま、まっすぐ控え室に戻っているはずなので、虚偽が描かれていることになる。手紙とノックは幻想であることとあわせ、24時前後の食堂のシーンはほとんど信頼できない。
*絵羽は午前1時に源次の控え室に封印をし、それは、朝の事件発覚時に、嘉音と熊沢に破られた。面倒だから、さらに付け加えるわ。午前1時の小休止で最初に食堂を出たのは、楼座と絵羽よ。絵羽が戻るまで、食堂の人間は全員その場に留まっていた。絵羽は、楼座を見送った後、控え室へ行き、封印を行なった。無論、その際に室内には一切立ち入っていないわ。
*源次が24時以降、屋敷を出たことはない
●蔵臼、源次、紗音、嘉音の動き
蔵臼が戻らずに親族会議も出来ないだろうから、蔵臼だけは食堂に戻り、蔵臼も会議が終わる午前3時までは食堂にいただろう。
源次は電話の取次ぎを終えた後、そのまま、まっすぐ控え室に戻っているが、その後控え室を出ていないとは言っていないのでほぼ自由行動がとれる。ただし、24時以降、屋敷を出たことはないので屋敷からは出られない。
紗音と嘉音は、食堂の全員は、午前1時まで、誰一人食堂を退出していないとの事なので、少なくとも午前1時までは親族会議に付き合わされたことになる。そして、食堂を出られるのは、早くても小休止にでた絵羽が戻ってからだ。
*右代宮夏妃は犯人ではない!
●ワルギリアの使う赤字
ワルギリアはベアト側の魔女なので、ベアトの知ることを赤字で語ることができるが、Ep5のゲームマスターはラムダデルタなので、ワルギリアにもEp5のゲーム盤に関する赤字は使えないはずである。にもかかわらず用いている。これはワルギリアがラムダデルタからこっそり与えられていたからに他ならない。つまり、ラムダデルタはワルギリアを通じてメタ戦人にヒントを与えている。
●無意味な司法取引
蔵臼を犯人と認めることを勧めることが、どうしてベアトリーチェに対する配慮になるのか。ニンゲンの犯行であることを魔女側が主張してどうするのか。要するに、幻想大法廷の論点が大いにずれてしまっているからこんなおかしな取引が飛び出してしまうのだ。
●ずれた論点
ヱリカは、夏妃以外には犯行が不可能だから、ニンゲンの夏妃が犯人であるという論法で、魔女が犯人でないと主張している。これはおかしい。この論法は前提からニンゲンの誰かが犯人であると決めつけ、その中から犯行可能な人物を特定したに過ぎず、魔女側が魔女の犯行だと主張してもそれを全く否定できていない。
その一方でベアトリーチェは、夏妃以外にも犯行は可能だから真実は闇の中。その闇が取り払われない限り魔女の存在は否定できないと言う論法で戦っている。これもおかしい。本来魔女側は、魔女にしかおこせないような不可能犯罪を提示することで、ニンゲンが犯行でないと主張すべきなのだ。誰もが実行可能な事件を提示したところでニンゲンの犯行は全く否定できない。
*右代宮蔵臼は犯人ではない。そしてとっくに殺されてるわ。あんたに電話で声を聞かせた直後にね?
*夏妃。金蔵があんたの心に、片翼の鷲を刻むことを、いつ許したっての? あんたの妄想の中の金蔵の言葉でしょうが、それは。……本当の金蔵はね。生涯、ただの一度も! あんたを心の底から信頼したこともないし、あんたに紋章を許そうと思ったことも、ただの一度もないわ!
*本当の金蔵はそんなことを言わないわ。消えなさい。夏妃によって美化された、夏妃にとって都合のいい、夏妃の中の妄想の金蔵。
*哀れな女。右代宮金蔵の信頼を、生涯、得られなかった真実を、今こそ正視しなさい。
- 客間。夏妃は自分の嫌疑を否定する。ヱリカが改めて夏妃を犯人だと指摘する。
- 夏妃を平手打ちしたり蹴ったりしてなじる絵羽。戦人が止めに入るも絵羽に膝蹴りを食らう。他は誰も止めようとしない一同。
*以上により、封印の完全性は保証されマシタ。ミス・ヱリカの封印は、何者にも破れず、誤魔化すことは出来ないのデス!!
*絵羽の封印も、ミス・ヱリカの封印と同一のものデス。この封印方法は、ミス・ヱリカと絵羽が晩餐後に共同で考案したものだからデス。
*全ての封印は如何なる方法でも、痕跡を残さずに剥がすことは不可能なり。
*全ての封印には不審な一切の痕跡は、無きにけり…!
*ヱリカと絵羽の全ての封印には、剥がすなどの、封印の機能を損なわせる一切の工作はなかった。
*ノックス第3条。秘密の通路の存在を禁ズ! ミス・ヱリカは探偵として全ての侵入口を封印していマス。探偵に発見できない通路は、秘密の通路デス。よって、ミス・ヱリカに発見できない侵入口は存在しないのデス!!
*ラウンジでのヱリカ卿の見張りは完璧なりや。わずかの隙も油断も、1秒の見落としも無きにけり。
*よって、ラウンジでの会合中、2階へ上がりしは、楼座のみなり!
*ノックス第10条、手掛かりなき他の登場人物への変装を禁ズ! 何者かが楼座に変装することを示唆する伏線は存在しマセン! また、彼女が人間を隠蔽できる荷物を所持していなかったことを、ヱリカは確認していマス!
*ノックス第1条。犯人は物語当初の登場人物以外を禁ズ!!
*ノックス第4条。未知の薬物、及び、難解な科学装置の使用を禁ズ!!
*ノックス第8条。提示されない手掛かりでの解決を禁ズ!!
*ノックス第6条。探偵方法に偶然と第六感の使用を禁ズ!!
*ノックス第7条。探偵が犯人であることを禁ズ!!
*ノックス第8条。提示されない手掛かりでの解決を禁ズ!!
*ノックス第9条。観測者は自分の判断・解釈を主張することが許さレル!
*ノックス第8条。提示されない手掛かりでの解決を禁ズ!!
*犠牲者は全員、他殺なりや。
*全ての死体は、決して検死を誤らぬ
●全ての死体は、決して検死を誤らぬ
検死した時、それが死体なら、それを生きていると誤解することはないし、その人物や死因を特定したら、それも必ず正しい。
だが、それが死んだふりをしているだけなら、それは死体ではないので、死んでいると誤解する可能性がある。この赤字は死んだふりを否定しない。
この赤字が出てくることで問題になるのは、Ep2の★第四、五、六、七、八の晩の考察で、紗音が容疑者だとしてどうやって杭を打つように自殺できたかという疑問に対し、私は遺体が偽物であったと推理したことだ。しかし、戦人はその遺体を紗音の遺体だと結論付けているので、全ての死体は、決して検死を誤らぬ以上、この推理は誤りである。
では紗音は真犯人ではないのか。いや、まだ可能性はある。件のシーンを良く見直してみると、傍らに杭が転がっているだけで刺さってはおらず、額にはぽっかり穴があいていたので、刺さっていたように見えただけである。楼座が検死を邪魔したおかげで、戦人は杭が死因だとは断定していない。従って、死んだあと頭部の傍らに杭が来るような態勢になってから自ら銃で額を撃ち抜いたという推理が成り立つ。銃創がうまい具合に杭が刺さった跡のように見えるかについては、Ep4で戦人が譲治の遺体を発見した時、“兄貴の額には、まるで銃で撃たれたかのような穴がぽっかりと開いていた。”という表現があり、この推理を後押しする伏線となっている。Ep2でもよくよく見れば戦人も銃創と気付いたかもしれないが、楼座が邪魔したため結論を出せなかったのだ。銃はゴム紐でどこかにつなげておいて、自殺後に自分の傍らから飛んで離れて行くようにしておけば良い。部屋の中に凶器がないとは語られていない。
*登場人物以外の死体は登場しない
*赤き真実は、ただ真実であり、証拠も証明も、議論の余地も必要ない
*右代宮夏妃は犯人にあらずッ!!!
*ノックス第2条。探偵方法に超自然能力の使用を禁ズ。
●幻想大法廷のルール
幻想大法廷には、“魔女は赤字を使え、魔女以外は根拠なしに赤字は使えない”というルールが存在しているようだ。そのルールに従い、ベルンカステルが提出する赤字は、ヱリカが示す根拠がなくとも採用され、メタ戦人が示す赤字は根拠がないため不採用となる。
しかしこのルールは事件の真実を明らかにする上でまるで意味のないものである。赤き真実は、ただ真実であり、証拠も証明も、議論の余地も必要ないのだから、例え根拠があろうが無かろうが、一度出てしまったらもう無視することはできない。そもそも24時をすでに迎えた幻想大法廷ではノックス第2条は適用されないはずだから、戦人が提示した赤字が不採用となったのは、ノックス第2条によるものではなく、上記のルールによるものである。ドラノールはノックス第2条を声高に叫んでいるが、ノックス第2条はゲーム盤の登場人物の行動にのみ適応されるものなので、ただのハッタリである。
たとえ魔女であっても真実を知らないのに赤字を使われても困るし、魔女でなくとも現に赤字を使えばもうそれは無視できない。こんなルールに従っている幻想大法廷が、真実を解き明かすためのものであるはずがない。
*それではこれにて、当法廷は閉廷デス。デス。デスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスッ、デスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスッ、デスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデスデス! Die the death! Sentence to death!! Great equalizer is the deathッ!!
- 客間に軟禁される夏妃。あらゆる場所を捜査したヱリカ。捜査の結果、自分が導いた夏妃の動機を説明するヱリカ。
- 蔵臼と夏妃の結婚についての事情について語る南條と熊沢。
- 夏妃が弁明するも、赤き真実以外は何も信じられないというヱリカ。
●ブーメラン発言
赤き真実以外は何も信じられないとヱリカ自身がそう言ってくれたので、赤字で真実が保証されていない事柄は、例え探偵ヱリカが関与していても、別に信じる必要はないということになる。
そもそも、ゲーム盤上の人物が赤き真実について語るのは不自然極まりない。
- ヱリカの語る夏妃の動機に賛同する一同。
- 夏妃以外に、金蔵が犯人である可能性も残されているというヱリカ。夏妃がそれを認めれば嫌疑が晴れるとヱリカがそそのかすが、夏妃はそれを認めない。
*金蔵がすでに死亡している
*金蔵は24時から朝まで、ずっと同じ部屋に滞在したわ。
*(生きている)金蔵は、屋敷以外の場所には存在しない。
*(生きている)金蔵は屋敷以外の場所に存在しない。
- 屋敷以外の場所には金蔵はいないと断定するヱリカ。
- 屋敷の3階、地下、1階も捜索したが、金蔵はいなかったというヱリカ、留弗夫、絵羽、霧江。
*屋敷以外の場所に(生きている)金蔵はいない。3階に(生きている)金蔵はいない。地下に(生きている)金蔵はいない。1階に(生きている)金蔵はいない。以上から、(生きている)金蔵が存在し得る余地の検討は、2階だけとなるわ。
- 2階の部屋を端から捜索していくヱリカ。
*夏妃の部屋を除く全ての場所に、(生きている)金蔵は存在しない!
- 最後に夏妃の部屋が残る。部屋には金蔵はいない。
*24時から朝までの一晩、生きた金蔵は、夏妃の部屋を除く全ての場所に存在しない!!
●無意味な司法取引2
ここまで金蔵の所在を限定したら、ヱリカが提唱する犯行時刻での金蔵のアリバイが成立してしまう。だからもう夏妃が金蔵に罪をなすりつけても無意味である。ベルンカステルたちにはどうも勢いで論破しようとする傾向が見られるので要注意だ。
ただ、夏妃の嘘を暴くことこそが目的だとすれば、このままでは夏妃自身の名誉が失われるので、有効な一手である。
*24時から朝までの一晩。生きた金蔵の存在する余地は、あなたのベッドの中以外に、存在しない。
- 24時から朝まで、夏妃の部屋には、夏妃のベッド以外には金蔵は存在しなかったと断定するヱリカ。そして、夏妃も同じベッドで就寝していたという。
*24時から朝までの一晩。生きた金蔵の存在する余地は、夏妃のベッドの中以外に存在しない。そして夏妃も昨晩、同じベッドで就寝したわ。
- 夏妃が体を武器に金蔵を籠絡したという推理を披露するヱリカ。その証言も得られているという。
*本当の金蔵は、その名誉を守れなんて、一度たりとも夏妃に命じたことなんてないんだから。
●ゲーム盤の続き
幻想大法廷開始後に提示される、客間でヱリカが夏妃を犯人だと指摘するシーン以降の展開は、まるで幻想大法廷の結果を受けて繰り広げられているかのようで、また、金蔵の所在を捜索するシーンではヱリカと夏妃の受け答えがゲーム盤と法廷で同調している。だが、幻想大法廷でどのような結論が出ても、ゲーム盤の物語の展開が変化することはないので、これはたまたまそう見えているだけか、もしくは、正式なEp5のゲーム盤の提示はヱリカがチェックメイトを宣言した時点で完全に終了しており、その後に示されているのは、チェックメイト後、どのような展開になったか推理したものではないだろうか。
<19年越しの復讐>
- 客間。全ては19年前の男の復讐だと思った夏妃は、19年前の罪を告白する。赤子を抱いた使用人を確かに自分が押し飛ばしたという。
- もう許してと嘆く夏妃。戦人の「駄目」出し。驚愕する夏妃。
<Tea party>
<????>
*ベアトは、あなたに解いて欲しいと願って、解けるようにこのゲームを、……この物語の謎を生み出しました。
*“ベアトは、俺に解いて欲しいと願って、解けるようにこのゲームの謎を生み出した”
*“ベアトは、俺に解いて欲しいと願って、解けるようにこのゲームの謎を生み出した”
★無限の魔術師
メタ戦人は、ラムダデルタに正式に魔女、魔術師に認定された。
以後、メタ戦人の事は、「バトラ」と表記します。
*俺は夏妃伯母さん以外が犯人である推理を構築できる。
*他の解釈で異なる真実の提示が可能だ!!
*ノックス第1条。犯人は物語当初の登場人物以外を禁ズ! 第5のゲームより登場した人物に犯人は名乗れマセン…!!
*ノックス第8条。提示されない手掛かりでの解決を禁ズ!
*第4のゲームにおける、俺が、母親明日夢の息子でないとする赤き真実。第1のゲーム及び今回のゲームにおける親父の隠し事の気配。特に今回のゲームでは、俺の生まれに何か事情があることをはっきり明示している。
*《青:犯行時刻は24時からの1時間しかありえない!!》 あなたはその1時間の間、屋敷の食堂にいます!!
*死亡時刻が24時からの1時間の間と特定はされていない。
*午前1時から事件発覚まで、いとこ部屋での犯行は不可能です!!
*ノックス第8条。提示されない手掛かりでの解決を禁ズ。いとこ部屋で実際に犯行が行なわれたなら、手掛かりが提示されなくてはなりマセン。それが、朝まで室内の異常を監視していた探偵であるヱリカ卿に与えられなかった以上、犯行は不可能デス…!!
*いとこ部屋の4人の死亡は赤き真実で宣告されている!!
*いとこ部屋の4人の死亡は赤き真実で宣告されている!! そしてその遺体は大勢が確認していますッ!! そして全ての死体は検死を誤らないとすでに赤き真実で宣言済みです…!!
*この法廷が開廷した時、ラムダデルタ卿は宣言しておりますよ。24時を迎えての答え合わせと!
*………全てのゲーム開始時に、右代宮金蔵は死んでいる!
*譲治は死後、遺体は一切、移動されていない!
*朱志香は死後、遺体は一切、移動されていない!
*真里亞は死後、遺体は一切、移動されていない!
*楼座は死後、遺体は一切、移動されていない!
*源次は死後、遺体は一切、移動されていない!
*蔵臼は死後、遺体は一切、移動されていない!
*よって、遺体発見後に遺体が消失することはありえないッ!! 貴様の推理、遺体は金蔵が運び出したは、破綻する!
●煉獄の七杭の使う赤字
ラムダデルタのゲーム盤に関して煉獄の七杭が赤字を使える道理はない。にもかかわらず用いている。これもラムダデルタが情報をリークしたからだ。
●遺体消失について
ヱリカの、遺体は金蔵が運び出したという推理は、以下の二つの点で破綻する。
[1] 全てのゲーム開始時に、右代宮金蔵は死んでいる
[2] 遺体は一切、移動されていない
推理の修正を嫌うヱリカにしてみたらどちらも大事だろうが、[1]については金蔵以外の運び手を用意すればいいだけなので、客観的には[2]の方が問題だ。[2]に関してきちんと反論しなければ、ヱリカの推理の破綻は免れないのだが…。
*ノックス第2条!! 探偵方法に超自然能力の使用を禁ズ! 金蔵の死を、赤き真実で示すならば、それを構築するニンゲンの真実、証拠の提示を求めマス…!
*証拠提示。右代宮金蔵と識別可能な遺体を提示する…!!
*この閉ざされた六軒島では、この死体が祖父さまのものだと示せる客観的な方法はない。
*この死体が右代宮金蔵の死体であると保証する…!!
*以上により、祖父さまの不在は証明され、夏妃伯母さんの、祖父さまを巡る不名誉は返上されるッ!!
*夏妃伯母さんは純潔にして貞淑だ! 貴様ら好みの下劣な物語は許さないッ!!
●金蔵の死をめぐる議論
金蔵の死をめぐる議論は、かなり論点がずれている。
まず、ドラノールはノックス第2条を根拠にニンゲンの真実、証拠の提示を求めるが、幻想大法廷ではノックス第2条は適用されないので、本来バトラはそれに応じる必要はない。
それでもバトラは右代宮金蔵と識別可能な遺体を提示するが、これだけでは意味がない。重要なのは、金蔵が事件の前にすでに死んでいるかどうかであって、生死そのものではない。だから、その金蔵の遺体がいつから存在していたのかも提示しなければいけないはずだが、その点にはまるで触れられない。
さらに、ドラノールは赤き真実での反論を無効とするが、一体何の権限があってそんなルールを追加できるのか。これにもバトラは本来応じる必要はない。
そもそも、●遺体消失についてでも述べたが、金蔵が事件前に死んでいようがいまいが、ヱリカの推理にはほとんど影響はない。
つまり、バトラとドラノールは、ほとんど論ずる価値のない事柄について、本来適用されないルールを持ち出してまで、議論している。これに何の意味があるのか。結論から考えれば答えは出る。これは、事件の真実を明らかにするための議論ではなく、バトラが黄金の真実を提示できるかどうかを確認するための議論なのだ。
*以上により、祖父さまの不在は証明され、夏妃伯母さんの、祖父さまを巡る不名誉は返上されるッ!!
*夏妃伯母さんは純潔にして貞淑だ! 貴様ら好みの下劣な物語は許さないッ!!
●夏妃の名誉と努力
夏妃の名誉が回復されるのは良いが、金蔵の死を必死に隠した努力は水泡に帰した。
*さらに。これまでの死者全員の死亡時間に疑義が生じる以上、夏妃伯母さん以外全員のアリバイは白紙に戻る…!!
*もはや、夏妃伯母さん以外に犯行が不可能であるとの論法は通用しないッ!!
*されどあなたは、いとこ部屋にて、誤認不可能な遺体を確認されておりマス…! それが虚偽であったと仰るのデスカ?! …ノックス第7条、探偵が犯人であることを禁ズ!!
●赤字による疑問
この赤字の、“誤認不可能な遺体を確認されておりマス…!”の部分だけを抜き出すと戦人の遺体発見が真実になってしまう。だが直後に、“それが虚偽であったと仰るのデスカ?!”と赤字で疑問を呈しているので、この赤字は“遺体発見は真実なのか?”という文意で解釈すべきである。
*探偵は古戸ヱリカだぜ、今回の俺は探偵じゃない!! そしてノックス第9条、観測者は自分の判断・解釈を主張することが許される…!!
*ノックス第8条、提示されない手掛かりでの解決を禁ズ! これまでのあなたは探偵デシタ! そのあなたが今回は探偵でなく、私見を交える観測者であったことは示されていたのデスカ!! それがない限り、あなたには主観を偽る権利はありマセンッ!!
*俺は今回のゲームで! 碑文の謎の仕掛けを解いた時。祖父さまを目撃している。……すでに赤で示されている通り、祖父さまは存在しない。その目撃は不可能だ! よって俺の視点に客観性がないことはすでに示されているッ!!
●赤字による否定
この赤字も、“祖父さまを目撃している。”の部分だけ抜き出すと戦人が金蔵を目撃したことになってしまう。そうではなく、直後の“その目撃は不可能だ!”も合わせて文意を読み取らないといけない。
*第4のゲームにてベアトが示した赤き真実!! 全ての人物は右代宮金蔵を見間違わないッ!
*つまり、この島では、祖父さまのふりはもちろん、祖父さまに見間違うような一切の現象は、“絶対に通用しないのだ”。
*風雨になびくシートを見間違え、それを何であったと誤認して語るのも、ノックス第9条の権利だ。……しかしッ! 祖父さまだと誤認することだけは、赤き真実において、本ゲームでは許されていないッ!!
●二人の真実は並び立つ?
ヱリカは夏妃犯人説を唱え、バトラは戦人犯人説を唱えた。しかし、ワルギリアがすでに“戦人くんは犯人ではありませんよ。”とも、“右代宮夏妃は犯人ではない!”とも語っている。つまり、どちらの説も誤りであることはすでに提示されているのに、議論を交わしていたことになるのだ。