つぶろさし
~今日のお祭り~
今日は弘法大師・空海の誕生会で
お山では賑やかに法要が営まれていることだろう
まさに今夜は朔の日で 真夜中は真っ暗になり 新しい月が生まれる
更に北海道神宮では 神宮祭がつつがなく執り行われていよう
梅雨に入ったと言う各地の報を受け 今日は実にいい天気で 梅雨は何処吹く風
こんな六月十五日に 古代から配流の島・佐渡では 古風なお祭りが展開されている
徳川時代の三百年間 羽茂は 金山の盛衰にも全く関わりなく
「つぶろさし」
羽茂には つぶろさしと呼ばれる舞は 三種類ある
一つ目は 村山地区に伝承される「鬼舞つぶろさし」
二つ目は 寺田地区で伝承される「太神楽つぶろさし」
三つ目が 飯岡地区で伝承される「妹背神楽つぶろさし」
妹背神楽つぶろさしを除いた 鬼舞つぶろさしと太神楽つぶろさしの歴史は古く
今から四百年以上も前から それぞれの地域に伝わっているものであり
現在、この二種類のつぶろさしは 新潟県指定文化財に認定されていて
羽茂まつりをはじめとしたイベントなどで 今でも何度か観ることが出来る
それぞれの伝来も 奉納される神社も異なっている芸能だが
太鼓や笛などの音楽に合わせて
「つぶろ」とよばれる男根を模した棒を手にした「つぶろさし」
という種馬的な精力絶倫の男性?を 中心とした登場人物が
子孫繁栄 豊作祈願を祈る神楽であることは 皆共通している
六月十五日 今日のお祭りで あの狭い佐渡島の豊富な文化を下支えしている
このような性的なお祭りは 感染呪術(かまけわざ)と呼ばれ
性的に孕む つまり実ると言う意味を懸けて 五穀豊穣を祈り
同時に子宝や子孫繁栄を願うものであり
民俗行事の中には 全国的に数多く分布している行事でもある