硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

 つぶろさし

2007年06月15日 | 祭り・民俗芸能・民間信仰

 

 

 

つぶろさし

 

 ~今日のお祭り~

 

 

 今日は弘法大師・空海の誕生会で 

お山では賑やかに法要が営まれていることだろう

まさに今夜は朔の日で 真夜中は真っ暗になり 新しい月が生まれる

更に北海道神宮では 神宮祭がつつがなく執り行われていよう

 

梅雨に入ったと言う各地の報を受け 今日は実にいい天気で 梅雨は何処吹く風

こんな六月十五日に 古代から配流の島・佐渡では 古風なお祭りが展開されている

 

奈良 平安 そして中世 今尚それぞれの時代が息づく佐渡
 
順徳天皇を始め 日野資朝も日蓮も世阿弥も 流罪によって
 
多くの人々が流されて来た その為独自の文化が育まれもした
 
古代から金山としても有名な島で 幾多の紛争も絶えなかったようだ
 
失意のうちにこの島で処刑された日野資朝や 
 
伝聞だが 世阿弥翁も この島で亡くなったと言われる方があれば 
 
この島から出て 逆に偉業を達成する日蓮のような方もおられた
 
 
 
そんな中にも佐渡の羽茂に ユーモラスな踊り「つぶろさし」の芸能が残された
 
これは飛鳥坐神社の『おんだ祭り』や愛知県小牧市の奇祭『田縣神社の豊年祭』
 
非常によく似た性的なお祭りで 若い女性は見るに耐えないかも知れない祭りである
 
 
 
又ふるさとの味「鮎の石焼」などは 中世の羽茂城時代の名残とされていて

 徳川時代の三百年間 羽茂は 金山の盛衰にも全く関わりなく 
 
自給自足の純農村として過ごし 逆にそれが独自の文化を育むことになった
 
「文弥人形」「能楽」も皆 ほかならぬ農民文化であり 羽茂の大いなる誇りで
 
それは古くから受け継がれてきた数多くの祭りと行事が豊富に残ったからであった
 
 
 
 

「つぶろさし」


 羽茂には つぶろさしと呼ばれる舞は 三種類ある 

一つ目は 村山地区に伝承される「鬼舞つぶろさし」

二つ目は 寺田地区で伝承される「太神楽つぶろさし」

三つ目が 飯岡地区で伝承される「妹背神楽つぶろさし」

妹背神楽つぶろさしを除いた 鬼舞つぶろさし太神楽つぶろさしの歴史は古く

今から四百年以上も前から それぞれの地域に伝わっているものであり

現在、この二種類のつぶろさしは 新潟県指定文化財に認定されていて 

羽茂まつりをはじめとしたイベントなどで 今でも何度か観ることが出来る

それぞれの伝来も 奉納される神社も異なっている芸能だが 

太鼓や笛などの音楽に合わせて

「つぶろ」とよばれる男根を模した棒を手にした「つぶろさし」

という種馬的な精力絶倫の男性?を 中心とした登場人物が 

子孫繁栄 豊作祈願を祈る神楽であることは 皆共通している

六月十五日 今日のお祭りで あの狭い佐渡島の豊富な文化を下支えしている

 

このような性的なお祭りは 感染呪術(かまけわざ)と呼ばれ

性的に孕む つまり実ると言う意味を懸けて 五穀豊穣を祈り 

同時に子宝や子孫繁栄を願うものであり 

民俗行事の中には 全国的に数多く分布している行事でもある

 

 



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