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実忠が修二会の行法を会得した笠置寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第86回

2021年02月25日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。今年(2021年)2月4日(木)に掲載されたのは「東大寺修二会発祥の寺/笠置寺(京都府笠置町)」、執筆されたのは兵庫県姫路市出身・在住の池内力(いけうち・ちから)さんだった。東大寺二月堂修二会(お水取り)は、実忠和尚(じっちゅうかしょう)が笠置寺でその行法を会得したとされる。
※写真は左から金剛界石、千手窟(ほこらの奥)、胎蔵界石(笠置寺で)

そのお水取り、今年はコロナ禍で拝観が規制されるし、3月12日(金)~14日(日)は全く拝観できない。その代わりニコニコ動画、YouTube、NHKのBSなどで生中継されるので、ぜひリモートでご覧いただきたい(東大寺の公式HPは、こちら)。では記事全文を紹介する。

3月1日から東大寺二月堂で修二会が始まります。この法会は752(天平勝宝4)年2月(旧暦)に実忠(じっちゅう)が始めてから欠かさず行われており、「不退の行法」とも言われています。実忠がこの行法を会得したのが笠置寺(かさぎでら)です。

境内には胎蔵界石(たいぞうかいいし)と金剛界石の二つの大きな石が並び、その間に千手窟(せんじゅくつ)があります。これは弥勒(みろく)の浄土につながる龍穴(りゅうけつ)とされる場所で、実忠はこの穴から兜率天(とそつてん)の内院に行き、十一面観音悔過(けか)が行われるのを見たとされます。

伝承によると、実忠はこの行法を人間界でも行いたいと懇願しましたが、時間が足りないなどの理由で断られました。これに対して、走ってでも勤めるなどと粘り強く説得した結果、やっと認められたといいます。

笠置寺の寺伝は、東大寺に先立つ752年1月に実忠が正月堂で初めて行法を行ったと伝えています。なお、大仏殿建立時、用材を木津川の流れを利用して運ぼうとした際にふもとの岩が障害になったが、実忠の師、良弁(ろうべん)が千手窟で秘法を行ったところ、竜神が大雨を降らせ
雷神が岩を砕いたとの言い伝えがあります。(奈良まほろばソムリエの会会員 池内 力)

(宗 派)真言宗智山派
(住 所)京都府相楽郡笠置町笠置笠置山29
(電 話)0743・95・2848
(交 通)JR笠置駅から徒歩約45分
(拝 観)9~16時。300円
(駐車場)有(500円)



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