渡り鳥が“渡り”を繰り返すのはエネルギーを節約するため⁉︎

“渡り”により逆にエネルギーを省エネ化

冬のきびしい天候から逃れるためやエサの確保のために、約15%の鳥類は生息地と温暖な場所を往き来する“渡り”をおこないます。毎年、長距離の移動を繰り返す行動から、一見すると大変な労力を使っているように思われていましたが、このほど米科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション(Nature Ecology and Evolution)」に発表された論文によると、コンピューターでシュミレーションした結果、“渡り”により逆にエネルギーを省エネ化していることが分かったそう。
“渡り行動”をおこなう理由は、食べものを得るのに必要なエネルギーと食べものから得られるエネルギーのバランスを効率よくするためなのです。つまり、同じ地にとどまると、他種との間で食べものをめぐる争いが過剰に発生するため、食べものをめぐる戦いのない寒冷な北半球の生息地に戻るのだそう。

さらに今回の最新研究では、渡り鳥の行動だけでなく、一年中同じ地域で生活する定住性の留鳥の行動についても同じ規則が当てはまることが判明。留鳥もまた、得られる餌とより良い環境とを比較検討した結果、渡り鳥とは異なる結論に達したわけだと、論文の執筆者らは指摘しています。

また、この規則は一般的であることから、イルカや魚類、クジラなど、移動性の高い他の動物への応用が可能でもあるそう。今後、これらの動物たちがどのように現在の分布に至ったかの研究も進むかもしれません。