大前提として、ひぐらし業卒とうみねこは直接関係ありません。ですのでベルン・ラムダ・フェザなどのような本編未登場の人物は考慮しないほうがいいです。単純な話が複雑になってしまいます。 ■業卒の結末について ひぐらし業卒における「魔女」は、執着心の象徴として描かれています。カケラを越えてもなお引き継がれるほどの強い執着心です。 この前提をもとにラストの描写を見るなら「沙都子から魔女が抜けた」＝「沙都子の梨花に対する執着心が消えた」のが本作の結末でしょう。 ※余談ですが「魔女」という単語は原作ひぐらしが初出です。旧作アニメ版では存在そのものがカットされているので、業卒を分かりにくくしている一因となっています。 ■羽入、エウアについて 羽入・エウアはともに雛見沢症候群を擬人化した存在です。違いがあるとすれば、エウアは羽入の完全体であるという点です。完全体と出来損ないの違いは「感染者を強制的にL5発症させられるか」にあります。 羽入は雛見沢に蔓延する病原体の擬人化、エウアは注射薬H173の擬人化だと考えてください。羽入が残り香なのは、自然発症のルールが消えていることの伏線です。 よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、フェザとエウアは別人です。ひぐらし業卒に登場したのは「エウア」であり「フェザリーヌ」ではありません。 ■ベルン・ラムダについて 二人は概念的な存在なので「ベルン＝梨花」や「ラムダ＝鷹野」といった個人の特定はできませんし、いつから存在するのかも特定できません。 数多ある世界に存在する「絶対の意思を持つ者」の情報を集約したのがラムダ、同じく「奇跡を願う者」の情報を集約したのがベルンだと考えて下さい。二人の姿は、集約された情報をもとに形作られます。 ラムダと鷹野・沙都子が似ているのは、数多ある世界の中で特に強い絶対の意志を持つのが二人だったということです。ラムダは誰でもありませんが、「ラムダ＝鷹野」でもあるし「ラムダ＝沙都子」でもあります。ベルンも同様です。 ■黒幕やループの中心人物などについて 「キー」という単語はループの中心人物のことを指しているのですか？ もしそうなのであれば、旧作でループを引き起こしていたのは羽入、新作でループを引き起こしていたのはエウアです。 旧作の黒幕は野村、犯人は鷹野です。業卒の黒幕はエウア、犯人は沙都子です。 説明が分かりにくくてすみません。上手く伝わっていると良いのですが……。 視聴者らの感想から、業卒は複雑だと偏見を持たれがちなのですが、よくよく見ると案外単純であることを知っておいてほしいです。話を複雑にしているのは、原作者と制作陣ではなく視聴者なのです。 また、視聴者ではなく、旧作アニメが原因で話が複雑化してしまっている側面もあります。必要な描写を根こそぎ削っているため、業卒と旧作が上手く繋がらないのです。もし暇があるのであれば、原作（PC版）ゲームのプレイをオススメします。アニメ版では掴みにくかったキャラの心情も、原作を読めば理解できるかもしれません……。