リリーは、意図的にハリーに魔法をかけた訳ではないのです。ヴォルデモートがハリーたちの家に現れたとき、リリーはハリーをかばって自分が死のうとしました。勿論リリーが幾らハリーをかばおうがヴォルデモートは全員を殺すつもりだったわけですが、それでもリリーは必死にハリーを守ろうとしました。そのハリーを必死に守ろうとするリリーの気持ち、すなわちリリーがもつハリーへの「愛」が、ハリーの肌に移ったのです。それほどハリーに対するリリーの「愛」が、強かったのです。リリーは死んでしまいましたが、ハリーを必死に守ろうとしたリリーの「愛」はハリーのなかで生き続けました。でも愛を知らずに生きてきたヴォルデモートは、その事に全く気がつきませんでした。だからヴォルデモートの死の呪文でさえリリーの遺した愛には勝てなかったのです。その後も、ハリーの肌に息づいたリリーの愛により、ハリーは守られました。
つまり纏めると、リリーは意図的に魔法をかけた訳ではなく、リリーの何よりも強い愛がハリーのなかで守りの魔法として機能した。つまり「愛」そのものによってハリーは守られた、ということです。愛した者がいなくなっても、リリーがそれほどまでに強くハリーを愛したという事実こそが、ハリーにとって何より強い守りなのです。やはり「愛」に勝るものはない、といったところでしょうか。