根本的なところで見落としているのは
パソコンのマニュアルです。あとあるなら貸元の案内。
付属Windowsなんか、借りている間に
OSの不具合やマルウェア被害
それにHDDの故障などで損なわれるものです。
それに備えて、いわゆるメーカー製PCには
それなりの案内を行なっています。
また貸元が、そういうことが起きた場合に
何ら借り主の責任を問わないのであれば
あんまり難しく考える必要はありません。
又貸しは認められていないでしょうから
自分がWindowsを使うつもりがなければ
別にどうでもいいのかもしれません。
もっとも、ほんとに使うつもりが無ければ
使わないで済むかどうかは第三者にはわかりません。
そういうわけで、パソコンメーカーの案内に従って
リカバリーディスクなり回復ドライブなり作るのが基本です。
なお、回復ドライブについては、Microsoftが無能ゆえに
いろいろと条件によって話が違ってきます。
Microsoftは、WindowsのOEM契約に力を入れ
WindowsのサポートすらPCメーカーに押し付けるという
非常に有利な支配的立場からの契約をしてきました。
にも関わらず、Windowsには起動すらできなくなるトラブルが
さまざまな理由で発生するというOSでした。
前世紀のPCメーカーは、それを改良する手段と権限が無
しかたなしに、消費者に
「じゃ再インストールしてみてください」
と一日かかりの大仕事を強要することもありました。
それを解決するために、21世紀の標準となったのが
PCメーカー各社が開発した、独自仕様としてのリカバリーシステムです。
仕様はばらばらで機能もばらばらで、呼称自体統一されていません。
(NECなどが再セットアップシステムと呼びます)
Microsoftの怠慢から生まれたこの混乱は
Windows 8で導入された回復ドライブによって
さらに混乱を増し、極めつけに
Windows 10での回復ドライブの機能追加で
各社のPCに対して、どう対処すべきかは
一般論として解決しがたいものとなっています(笑)
まぁ「説明書に従えばいいはず」とは言えるんですが
そこにどう指示されているのかはわからないわけです。
なお、回復ドライブはWindows 8系の場合
PCメーカーが用意した回復パーティションを取り込んで
旧来のリカバリーディスクのような機能を実現できます。
10では、回復パーティションが無くても
システムドライブからシステムファイルをバックアップするオプションで
リカバリーディスクのような機能を実現できるようです。
ただ、実際の運用事例が少なくて
細かいところを、詳しく理解している人は少ないと思います。
また、16GBでは足りなくなる場合もあるようです。
PCメーカーが用意したリカバリーシステムには
パーティション構成を出荷時の状態に
強制もしくは任意で戻せる機能があるものもめずらしくありませんが
たぶん回復ドライブにはそういう機能は無いか
手動で容量を指定して再分割する必要があるんじゃないかと思っています。
そういう意味では、出荷状態まで
戻せないんじゃないか?という意見には同意します。
ただ、そこまで完全に戻す必然性は無いんじゃないか?とも思います。
私なら、内蔵HDD/SSDのクローンを別のHDDで作って
それを保存しておくという手段を検討します。
そのほうがリカバリーや回復ドライブによる処理よりも
仕様としての不確かな挙動が無いので安心して作業できます。
ちなみに、Windowsなどを狙うマルウェアには
ブートローダーの改ざんを試みるものもあります。
それに対して、一部のメーカー製PCのリカバリーシステムは
ブートローダーの再書き込み(復元)の機能が無いものもあります。
そういう仕様のばらつきがリカバリーディスクの混乱ですし
できれば、そんなものは使わずに済ませられるやり方のほうが
まともにパソコンの基礎知識がある人にとって楽なやり方になるのです。
そこで有用なのがクローンです。
ただ、普通にクローンを作ると、同容量以上のHDDまるごと
もしくはイメージファイルとして大きな容量を浪費することになります。
場合によっては、圧縮したイメージファイルを作れるソフトを使ったり
作ったイメージファイルを、圧縮して保存する運用も考えられます。