美代子(幼少期鷹野)がこの梨花らしき人物(以下『梨花?』、人物の説明については後)に会わずにそのまま友達の家に行った世界が本編(鬼隠し編~祭囃し編)の世界になります。
美代子が友達の家に行っている間に両親はデパートに行き、その際に事故に遭って二人とも死んでしまいました。
その後、美代子は様々な辛い経験を経て、鷹野三四として雛見沢に来る… これが本編の世界です。
また、美代子はデパートのレストランのお子様ランチの旗を集めており、旗が20本集まったら素敵なことが起こると願をかけていました。後に、旗が20本集まっていたら、両親の事故は起こらなかったと振り返っています。
以上が、本編の世界でしたが、祭囃し編ラストで梨花?が美代子に会い、そして美代子が両親と共にデパートに行ったことで運命が変わりました。ラストの展開は大きく2通りの解釈ができます。
①両親と美代子は事故に遭わずに死ななかった(こちらが一般的な意見)
事故に遭わなかった理由としては
・美代子が戻って一緒に行ったことにより、出発時間が遅れ、事故を起こしたバスに乗らなかった
アニメの描写からこのように捉える人が多いですが、原作の描写(問題のバスに乗っている描写がある)からはちょっと考えにくいです。
・美代子が乗ったことにより車両バランスが変わり、事故が起きなかった
・20本目の旗と引き換えに獲得した「奇跡の前借り」
美代子は旗が20本集まったら素敵なことが起こると考えており、最後に20本目を手に入れています。その「奇跡の前借り」が起きた
・Frederica Bernkastel(後述)が奇跡を起こした
などが考えられます。
②実は3人とも事故に遭って死んでしまい、ラストのシーンは家族全員が仲良く死後の世界に旅立った事を描写している
梨花?の問答に従うと死ぬことになるので、このような捉え方もできます。ただ、後にFrederica Bernkastelが“奇跡”と言っているので、これはちょっと厳しい見方かもしれません。
どちらの解釈が正しいかはわかりませんが、いずれにしてもこの世界は“鷹野(美代子)が雛見沢に来ない”というIFの世界になります。また、(②だと厳しいですが)“本編で唯一救われなかった鷹野が救われる”というIFの世界でもあります。
最後のシーンは、そのようなIFの世界をこの梨花?が作ったという意味です。
さて、この梨花?の人物の正体ですが、作中外で明言はありません。ただ、あれはFrederica Bernkastel(フレデリカ = ベルンカステル)と捉えるのが一般的です(2期・解のDVD特典の『うら☆ひぐ(仮)』でもこの女性は登場しており、その際のクレジットは“フレデリカ”となっています)
残念ながらFrederica Bernkastelはアニメには登場しません。
Frederica Bernkastelは梨花が集めた“カケラ”を紡いで様々なIFの世界を作ることができます(『カケラ紡ぎ』)。祭囃し編の世界は(おそらく他の世界も)このFrederica Bernkastelがカケラを紡いで作った世界となっています。
原作では質問のアニメ祭囃し編ラストのシーンはFrederica Bernkastelが持っている“IFの世界のカケラ”の一つとなっています。ちなみに、彼女曰く、悟史が一緒にいる世界・園崎姉妹が入れ替わらない世界(アニメでは姉妹入れ替わりはカット)・沙都子や梨花の両親が健在な世界・赤坂が鷹野に籠絡されて敵側になる世界・鷹野が富竹にゾッコンな世界 というIFの世界の“カケラ”も持っているらしいです。
ところで、明言はないですが
(1)原作賽殺し編で梨花が転生を続ける自らの人格のことを“フルデリカ・Bernkastel”と呼んでいる(Bernkastelは梨花愛用のワインの名前)
(2)賽殺し編ラストで「今こそベルンカステルの魔女ではなくて、古手梨花に戻らなくては」と言っている(OVA第四巻 ひぐらしのなく頃に礼 第3話)
ということからFrederica Bernkastelは梨花から派生したという考え方が一般的です。
アニメではこのあたりはかなり省略されているため、詳しく知りたければ原作(PC)、絆(DS)、携帯アプリ版、小説などを読んでみてください。