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概要

当代では最古参のカンピオーネ。18世紀前半から生きている約300歳の男性で、『ヴォバン侯爵』と称されるほか、最初の権能から『(魔)狼王』等とも呼ばれる。

欧州で最も悪名高き魔王であり、力の信奉者にして戯れで命を奪うなど正に魔王といった性格。「虎の瞳」と称されるエメラルド色の瞳が特徴的な大学教授然とした知的な老人の風貌を持ち、冷静沈着かつ理性的な人物を装っているが、本質は獣そのものである。

他人からはよく無趣味だと思われているが、実はボクシングやロードバイクの心得があるなどスポーツマンである。バルカン半島が中心拠点だが、フットワークは軽いのであちこち飛び回っている。その力故に信奉者も多く、特にバルカン半島における影響力は非常に強い。


権能

貪る群狼(リージョン・オブ・ハングリーウルヴズ,Legion of Hungry-wolves)

ギリシア神話の狼の太陽神アポロン・リュカイオスから簒奪した第1の権能(詳細な情報が無いため、北欧神話の魔狼フェンリルから簒奪したと考えられていた)。アポロン神の聖獣にして「闇と大地の獣」である鼠色の体毛を持つ魔狼を使い魔として無数に召喚し、意のままに操る力。個々の狼は神獣ほどの能力は持たないものの、馬並みの体格を誇り、大騎士クラスの実力者でなければ苦戦するレベルの猛獣である。従僕と同時に使用し騎兵の軍団を指揮することも可能。

自身も灰色狼へと顕身でき、野獣の身体能力を得られる。人狼化した肉体は使い魔たちとは比べものにならないほど強靱で、大型自動車をスクラップにできるほどの攻撃でもほとんどダメージを受けない。巨大な敵と戦う場合は、最大で全長50mを超える「大巨狼」へ変身できる。この状態の時には、権能の元となった神格の『光の加護』で太陽に由来する攻撃に対して高い耐性を持つ。加えて、アポロンの母レトが大地の女神で、アポロン自身も地底の洞窟で産まれたことから、一瞬にして地中深くへもぐり、自在に移動する能力も得る。召喚した魔狼も2匹程度なら巨大人狼化させることが可能であり、太陽への耐性や頸だけで行動できる異常なしぶとさなど本体の能力が一部反映された強力な存在と化す。

また、周囲にいる他者へ狼の刻印を与え、永久に狼の姿へと変える効果も存在する。その気になれば数十名を同時に変化させられるが、ヴォバンはこの力を意味あるものととらえているため滅多なことでは使わない(自分に忠誠を誓う物への報償、あるいは自分に反旗を翻した者への罰として使用する)。


死せる従僕の檻(Death Ring)

エジプト神話の豊穣と冥府の神オシリスから簒奪した権能。自らが殺した人間・神獣・妖魔・魂を持った人造生物などを生ける屍(リビングデッド)としてこの世にとどめ置き、忠実な従僕として絶対服従させる力。従属させられた人間はこの権能に魂が囚われている限り身体が壊れようと時間がたてば再生し、自分の周囲まで瞬間移動させることもできる。隷従させている名だたる魔術師達は、魔術の知識を一切持たないヴォバンにとって優秀なブレーン役であるため重宝されている。なお、人間より霊的な格が上である神獣の場合、手元まで召喚することはできないため、本拠地のバルカンで待機させている。

判断力が生前に比べ格段に落ちているため戦術行動や予測などができず、生前に持っていた貴重な資質が失われてしまうおそれもあるのが欠点。加えて、死者の魂は権能によって無理矢理仕えさせられているだけなので支配力は絶対的なものではなく、智慧の剣などで権能を停止させられてしまうと捕らえていた魂が解放されてしまいアンデッドを呼び出せなくなる、敵が精神感応系の権能を持っている場合は逆に利用されてしまうといった危険性がある。

さらに、古戦場や墓場などにおいて死者の素性や数を霊視する力も持ち、霊に質問して無理矢理答えさせることもできる。


疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク,Sturm und Drang)

古代朝鮮の嵐を司る三身一体の神風伯・雨師・雷公から簒奪した権能。嵐を呼び、風雨雷霆を操る力。この権能の影響で、ヴォバンの気が昂ぶると周辺が嵐になる。応用性が極めて高く、避雷針のように相手が落とした雷を躱す、激しい風雪から着衣の濡れを防ぐ、大気を操作して自由自在に空を飛ぶ、自分の周囲の気候を調節して適温を維持するなども可能。また、《貪る群狼》と併用すれば、魔狼化した自身の口から雷を吐き出せるようになる。

さらに、全力で呪力を注げば、国家から世界規模の天候を長期にわたり制御できるが、3種類の天候を操る権能であるためか、1つの気象に特化した力に支配力で上回られる場合があり、霧などの操作は権能の対象外。


ソドムの瞳(Curse of Sodom)

古代ローマの英雄にして隻眼の軍神であるホラティウス・コクレスから簒奪した権能(詳細な情報が無いため、賢人議会ではケルト神話の魔神バロールから簒奪したと推測していた)。ヴォバンが自らの目で見た生物を、数に関わらずすべて塩の柱へと変える邪眼。『旧約聖書』にある退廃した都を滅ぼした神罰を再現できることから名付けられた。

生命活動は維持させたまま下半身のみを塩にするなどといったコントロールも可能だが、神や神殺しに対しては肉体の一部を一時的に塩化させるのが限度なので、彼らとの戦いでは接近戦の補助として用いる。発動中は視力が増大されて数km先まで見通せるようになり、透視能力も得られるため遮蔽物を無視して作用する。能力に上限は存在せず、その気になればその場をほとんど動かないまま東京都民全員を塩化させることも可能。なお、対象を石化させるアテナの『蛇の邪眼』にも似た能力だが、この権能はあくまで生物が対象なので無機物までは塩化させられない。

塩化の解除は非常に困難であり、塩化した直後では最高峰の治癒の力をもってしても一時的な復活が限界。作中では時間経過によるヴォバンからの呪力供給停止・「顕聖之符」の破邪の力・天叢雲劍による呪力吸収・禍祓いという4つの要素があって解除できたのが唯一の成功例となっている。


冥界の黒き竜(Otherland's Dragon)

古代メソポタミアの竜蛇の相を持つ地母神イナンナから簒奪した権能。肉体から分離させた霊魂を、実体を伴う体長30mのブラックドラゴンへと変える力。魔竜化した霊体は、片手が使えずとも体格が互角の『猪』を抑え込むほどのパワーを誇り、加えて竜の口からは強力な炎を噴射する。変身中は「死を想起させる儀式」として自らの心臓をえぐり出すことにより、地上から冥界経由でアストラル界への転移が可能で、呪力を高めれば目的地へと強制的に送り込む性質があるアイーシャの『通廊』内でも自由に移動できる。

さらに竜蛇の不死性により霊魂はなかば不滅となっており、ドラゴンの体が滅びたとしても魂の状態から再生が可能。人間体の時に敵の攻撃によって死亡した場合、たとえ肉体が完全に灰になっていたとしても、大量の呪力を消費することで五体満足で蘇生させる効果もある。ただし、復活時に消耗した呪力は1~2ヶ月の間決して回復しない。

仮死状態となった自らの肉体が無防備となるのが最大の弱点で、この権能を使う時は主に従僕たちに命じて体を守らせている。ドラゴン化には面倒な手順を踏む必要があるらしく、変身は魔王内戦まで80年以上使用してこなかった。また、魔狼状態とは異なり太陽への耐性も失われてしまうほか、《鋼》が持つ竜蛇殺しの権能が弱点となる。


劫火の断罪者(Red Punishment)

中国の炎神祝融から簒奪した劫火殲滅の権能。神すら灼き殺す断罪の焰を天から落とし、地獄の劫火で周囲を焦土と化す。直径20km前後の範囲を焼き尽くし、最低でも都市一つ覆い尽くすまで燃え広がる。以降はいつでも解除可能で、最高で7日7晩燃え続ける。敵地や戦場を一撃で焼け野原に変えるほどの威力があるが、威力が高すぎてあとには何も残らないので使い所が難しい、呪力の消耗が大きいため連戦では使いづらい、上空から落下させる以外に一切の応用が不可能なので防御などに使うことができない、発動から着弾まで数十秒ほどかかるなど欠点も多い。さらに、自分が巻き込まれないために遠距離から焼き払う必要があるという性質から攻撃が大味なので、しぶとい相手を倒しきれる確証もないことから神やカンピオーネ相手の戦闘では使いにくい。実質焦土戦術向きの権能であるが、牽制目的で行使する場合もある。


血の聖餐祭(Bloody Blessing)

シヴァの妻の1柱とされるインド神話の戦闘女神カーリーから簒奪した権能。血を見た者・臭いをかいだ者・味わった者を数の制限無く対象とし、血を求める殺傷本能に覚醒させる。対象は肉体を強化されて鬼のような戦闘能力を得られるが、凶暴化し手近な生き物を本能のままに殺そうとする殺戮鬼となってしまう。よほど強靱な精神力の持ち主でなければ衝動を押さえ込むことが出来ない。羊1頭程度の犠牲で軍勢を十数万単位で殺し合わせて壊滅させられる凶悪な権能である。


詠う呪文書(Singing Spellbook)

テンプル騎士団が崇めた黒き魔道の邪神バフォメットから簒奪した権能。魔術の使い手から知識と術を無理矢理奪い(標的からは1つだけ、犠牲者からは全て)、適当な紙の束に文字化して刻みつけ表紙に口のついた呪文書として保管する力で、ヴォバンの指示で魔術を行使することが可能。呪文書は、背表紙の高さが10歳児の背丈ほど、厚さも子供の肩幅と同じほどもある黒革の巨大な書物の形をしていて、宙に浮いている。

元々は《死せる従僕の檻》の方が利便性が高く、本人も本のページをめくるのを嫌う性分なのであまり使わなかったが、使い勝手を改善させるための即席の工夫で、ヴォバンにページをめくらせるなと命令されたことで、『魔導書の精』として少女の姿の使い魔に変化した。

魔導書の精

《詠う呪文書》が変化した具現体(アバター)。紫のドレスと黒い外套、つば広の黒帽子をまとう、か細い声に12歳前後で金髪碧眼、クラシックドールのように可憐な色白の少女の姿を取っている。ヴォバンには絶対服従するよう指示されており、自らの意思で侯爵の要求に適した魔術を使用することができる。《瞬間転移》のような高難度の魔術を幾つも使いこなし、侯爵が求める神話の知識や遠隔地の情報などを伝える役目も担っている。


名称不明

神託の守り手ゴルディアスから簒奪した新たな権能。敗れぬはずの国を滅ぼし、不死身の神や魔物を殺めるための、「定められた運命を断ち切る力」。例として権能を短剣に込めて使用することで、切れぬはずの拘束具を切断し、因果を操る権能を無効化して致命傷を負わせることが可能。


ラグナロクの狼

北欧神話の終末の魔狼フェンリルから簒奪した新たな権能。全長60mを越す巨大なフェンリルの頭蓋骨へと変身、あるいは召喚し、相手を丸呑みにする。フェンリルが終末の時に太陽を呑みこむとされることから、太陽神の力に対して非常に有効。空から地面に激突させれば直径数百mのクレーターを穿つほどの破壊力を誇り、そのパワーを押し止めることさえ難しいが、小回りが利かず、気の利いた使い方もできないうえ、連発もできないのが欠点。


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