概要

武装錬金を使用してホムンクルスを討伐する組織。ヒロインの津村斗貴子もここ所属。元は中世ヨーロッパの錬金術師ギルドに端を発する研究機関だった。

「武装錬金」世界（というか、和月伸宏作品世界）では中世の錬金術において、ホムンクルスと核鉄しか完成に至らなかった。後にホムンクルスには原因不明の食人衝動があることが判明したため、その核鉄を用いて現存するホムンクルスたちを倒し、また、悪人が武装錬金を使用することの無いように核鉄を回収・管理することを目的としている。

　作中に登場した中で一番格が高いのが「亜細亜方面大隊長」の坂口照星なので、世界的に展開している組織であることは推察されるがその全貌は不明。

構成メンバーはホムンクルスを討伐する威力部隊「錬金の戦士」を中心に医療関係者や科学者などが幅広く参加している。

「錬金の戦士」は主に10代後半から30代の若い男女で構成されており、中でも実力あるベテランは「戦士長」なる管理職に任命され、新米の戦士たちの統括と指導および教育にあたる。また戦士たちは互いに敬意を込めて「戦士・○○（○○には各人の名前が入る）」と呼び合う習慣がある。しかし大半がホムンクルスの被害者であるためかホムンクルスに対する敵意も甚だしく、一部の戦士には加担する者、邪魔立てする者は普通の人間であっても殺しかねない危険な思想も浸透している。

各国政府とも太いパイプを持ち、一般人の死者さえ出さなければ、街の大規模破壊を始め、大抵の無茶は任務の名の下、速やかな事後処理が施される等、単なる正義の味方とは言い難い側面を持つ。目的のためなら手段をさらさら選ばない組織体質をしており、極めつけがヴィクター一家に纏わる百年前の黒い核鉄の事件である。

瀕死のヴィクターを救命する名目があったとはいえ、賢者の石の製造実験で齎された黒い核鉄を移植した結果、生命力を吸う化け物と化したヴィクターを再殺すべく錬金の戦士だけでなくホムンクルス（＝創造のために犠牲にした人間がいる）、それもヴィクターの娘であるヴィクトリアを無理やりホムンクルスに変えて父親を殺させようとするという外道極まりない蛮行を行い、挙句の果てにヴィクターを裏切り者とした上で自分たちの失策を隠蔽する。

その結果、偶然とはいえかつてと同じく黒い核鉄によって化け物となった元一般人の新人戦士の少年を再殺せよと追いたてる、過去と同じ過ちを繰り返す。このことからヴィクターは戦団、ホムンクルスの区別なく錬金術に纏わる一切の殲滅を宣言する。

最終的にヴィクターから過去の戦団の罪を告げられた照星の決断により、核鉄の回収、ホムンクルスの月への撤退が完了したため、核鉄の管理とホムンクルスの再人間化以外の一時的な活動凍結が行われ、斗貴子・剛太・毒島など若いメンバーは就学を求められ、成人のメンバーは別の職業に転職した。

在籍者

※小説『/Z 夢見た楽園』に登場

在籍経験者

余談

在籍者には苗字もしくは名前に、戦いや武器に関する漢字が入っている。また、入っていない者であっても、自身の武装錬金に関係する漢字が使用されている。

ちなみに該当しないパピヨンとバタフライにも「攻」や「爆」の字がある。

• 武藤カズキ…「武」
• 津村斗貴子…「斗」（「闘」の略字の意もある）
• 中村剛太…「剛」（猛々しいの意）（ドイツの双発重爆撃機『ゴータ』に由来する説も）
• 早坂桜花…日本軍の特攻兵器『桜花』
• 早坂秋水…日本軍の特攻兵器『秋水』（“秋水”には研ぎ澄ました刀という意味もある）
• 防人衛…「防」「衛」（防人（さきもり）は古代の北九州近辺の防備にあたった兵士の呼び名）
• 坂口照星…「照星」（鉄砲の狙いをつける部位）
• 火渡赤馬…「火」
• 楯山千歳…「楯」（日本海軍の航空母艦『千歳』に由来する説も）
• 毒島華花…「毒」
• 戦部厳至…「戦」
• 円山円…「丸」
• 根来忍…「忍」（根来は戦国時代の忍者集団の名）
• 犬飼倫太郎…「犬飼」
• 剣持真希士…「剣持」「きし」

関連項目

武装錬金　秘密結社　錬金術師

ホムンクルス(武装錬金)