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知ってた?キーボードのQWERTY配列はいかにして生まれたのか

2022.10.04

QWERTY配列とは、パソコンのキーボードの配列の一種です。無意味な文字の羅列のようにも見えますが、この配列に落ち着くまでにはさまざまな変化がありました。キーボード配列の歴史や、QWERTYという文字配列になった理由を紹介します。

QWERTY配列とは?

QWERTY配列が何かは、手元のキーボードを見るとすぐに分かるはずです。普段あまり聞き慣れない、『QWERTY』の意味や詳細を見ていきましょう。

キーボードのキー配列の1つ

QWEERT配列とは、キーボードの配列の1種です。QWERTYは『クワーティ』『クアーティ』『クウェルティ』などと呼ばれ、どの読み方でも構いません。

『QWERTY』という名前の由来は、英文字キーボードの配列に因んでいます。キーボードの文字列最上段を左から読んでみましょう。『Q』『W』『E』『R』『T』『Y』の順番に並んでいることに気付くはずです。

QWERTY配列では、最上段が『QWERTYUIOP』、中段が『ASDFGHJKL』、下段が『ZXCVBNM』という配置になっています。キーボードは、これらの文字列を中心にして数字と記号のキーが配置されているのが一般的です。

QWERTY以外のキー配列もある?

QWERTY配列以外に認知度の高いキーボード配列は、『Dvorak配列』『KALQ配列』などです。いずれも英文テキストを打つのに適した配列となっています。

Dvorak配列とは、米ワシントン大学のオーガスト・ドヴォラック教授によって考案された配列です。右から左にテンポ良く打てるのが特徴で、上下移動はあまりありません。使用頻度の高い母音が左手に集中しているため、打つスピードが上がります。

一方、KALQ配列とは、タブレット等で文字を打つのに適した文字配列です。両手の親指を使ってキーを打つとき、最も速度が出るように文字が配置されています。

とはいえ、すでにQWERTY配列が浸透しており、他の文字列を受け付けられない人が少なくありません。いくら「打鍵効率が良い」と言われても、乗り換えるまでには至らないようです。

キーボード配列の歴史

タイプライター

(出典) photo-ac.com

キーボードの配列は、最初からQWERTY配列だったわけではありません。キーボード配列の最初期から現在までを追ってみましょう。

初期タイプライターのキー配列

キーボードを備えた機器の初期モデルと言えるのが、1800年代半ばに誕生したタイプライターです。文字が描かれたキーを打つと、印字ヘッドが紙に当たり、文字をプリントできました。

初期のタイプライターは、現在のように上・中・下に分かれていません。上下2段のみのピアノの鍵盤に似た形状で、上段の配列は『-3579NOPQRSTUVWXYZ』、下段の配列は『2468.ABCDEFGHIJKLM』となっていました。利便性のためというよりは、『この配列しかできなかったため』と考えられます。

当時のタイプライターは、キーの間に別の段を支えるためのレバーが付いていました。文字の配列には制限があり、打ちやすさよりもタイプライターの仕様に合わせる必要があったのです。

なお、キーボードの数字に1と0は含まれていません。1と0は、それぞれ『I』と『O』で代用されていました。

ボタン式タイプライターのキー配列

鍵盤のような形状のタイプライターの後は、現在の形に近いボタン式タイプライターが登場しました。キーボードは4段で、最上段が『23456789-』、上から2段目が『AEI.?YUO,』、上から3段目が『BCDFGHJKLM』、4段目が『ZXWVTSRQPN』という配列です。

ボタン式のタイプライターは、ハイフン・ピリオド・疑問符・コンマが加えられ、整った文章を打ちやすくなっています。ただし、『年号を打ちにくい』『モールス信号を打ちにくい』といった課題があり、キーボード配列としては定着しませんでした。

ボタン式の課題を解消したキー配列

年号やモールス信号の打ちにくさを解決するため、さまざまなパターンの文字配列が生み出されました。キーボードの文字配列は、現在のQWERTY配列にかなり近くなっています。

とはいえ、タイプライターが生み出された19世紀は、まだキーボードの共通規格が設定されていなかった時代です。同時期に作られたタイプライターでも、生産した会社によってキーボードの配列は異なります。

例えば、最下段の文字配列だけを見ても『&ZCXVBN?;.‘』とするメーカーもあれば、『&ZCXVBN?;RP』とするメーカーもありました。

QWERTY配列の誕生

QWERTY配列のプロトタイプといえるのが、1872年に制作されたタイプライターです。現代と同じように、最上段左上から『QWERTY』の文字が並んでいます。ただし、『I』『U』や『A』『Z』の並びは現在のQWERTY配列とは逆です。

現代のQWERTY配列により近いのは、1873年に制作されたタイプライターです。こちらは。『I』『U』や『A』『Z』の並びも現代と同じになっています。唯一異なるのは、最下段左の『ZXC』が『ZCX』と並んでいた点です。なお、この時点でもまだ、数字の1と0は追加されていません。

なぜQWERTY配列が採用されているのか

パソコンを操作する

(出典) photo-ac.com

実際のところ、QWERTY配列が特別打ちやすい配列というわけではありません。効率のみを考えれば、後に発表されたDvorak配列の方が打ちやすいと言われます。なぜ、QWERTY配列が広く採用されるようになったのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

諸説あるものの理由は不明

QWERTY配列が採用された理由については、明確なことが分かっていません。有力な説はいくつかありますが、どれも決め手に欠ける状態です。

有名なところでは、『早打ちされるとタイプライターのアームが壊れるため、わざと打ちにくい配列にした』『わざと覚えにくい配列にして、他の製品に乗り換えさせないようにした』などの説があります。

また、QWERTY配列では『TYPEWRITER』という文字が全て上段に並んでいます。このことから、『タイプライターを売りたいメーカーが、顧客へのデモンストレーションを行うときに打ちやすくした』という説も有力です。

構成/編集部

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