netstat(1M)
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 表示 | Trusted Solars での変更点 | 属性 | 関連項目 | 注意事項
名前
- netstat- ネットワークステータスの表示
形式
-
netstat [-anv]
netstat [-g| -m| -p| -s| -f address_family] [-n] [-P protocol]
netstat {[-i][-I interface]} [interval]
netstat -r [-anv]
netstat -R [-anv] [system] [core]
netstat -M [-ns]
netstat -D [-I interface]
機能説明
netstat は、選択されたオプションに従って、ネットワークに関連するさまざまなデータ構造の内容をいろいろな書式で表示します。
コマンドの第 1 の形式では、アクティブなソケットのリストをプロトコルごとに表示します。第 2 の形式は、他のさまざまなネットワークデータ構造から 1 つを選択します。第 3 の形式は、インタフェースの状態を表示します。第 4 の形式は、ルーティングテーブルを、第 5 の形式はマルチキャストルーティングテーブルを、第 6 の形式は、1 つまたはすべてのインタフェース上の Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) の状態をそれぞれ表示します。
オプション
- -a
-
すべてのソケットとすべてのルーティングテーブルエントリの状態を表示します。通常は、サーバープロセスが使用するソケットは表示されず、インタフェース、ホスト、ネットワーク、デフォルト経路だけが表示されます。
- -f address_family
-
統計またはアドレス制御ブロックレポートの対象を、指定された address_family に限定します。address_family には、次のどちらかを指定します。
- inet
-
AF_INET アドレスファミリの場合
- unix
-
AF_UNIX アドレスファミリの場合
- -g
-
すべてのインタフェースのマルチキャストグループメンバーを表示します。
- -i
-
TCP/IP トラフィックに使用されるインタフェースの状態を表示します。 ifconfig(1M) を参照してください。
- -m
-
STREAMS 統計を表示します。
- -n
-
ネットワークアドレスを数値で表示します。netstat は通常、アドレスをシンボルで表示します。このオプションは、どの表示形式とでも使用できます。
- -p
-
アドレス解決プロトコル (ARP) テーブルを表示します。
- -r
-
ルーティングテーブルを表示します。
- -s
-
統計をプロトコル別に表示します。-M オプションとともに指定された場合は、この代わりにマルチキャストルーティング統計を表示します。
- -v
-
冗長。ソケットやルーティングテーブルの追加情報を表示します。
- -I interface
-
特定のインタフェースの状態を表示します。interface は、ie0、le0 など、有効な任意のインタフェースです。
- -M
-
マルチキャストルーティングテーブルを表示します。-s オプションとともに指定された場合は、この代わりにマルチキャストルーティング統計を表示します。
- -P protocol
-
表示する統計や表示するすべてのソケットの状態を protocol に関連するものに限定します。
- -d
-
Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) の制御下にあるすべてのインタフェースの状態を表示します。
- -D
-
DHCP 用に構成されたインタフェースの状態を表示します。
オペランド
表示
- BOUND
-
バインドされた。接続または待機の準備ができている。
- CLOSED
-
クローズされた。ソケットは使用されていない。
- CLOSING
-
クローズされ、リモート停止が行われた。肯定応答を待っている。
- CLOSE_WAIT
-
リモート停止。ソケットのクローズを待っている。
- ESTABLISHED
-
接続が確立された。
- FIN_WAIT_1
-
ソケットがクローズされた。接続を停止している。
- FIN_WAIT_2
-
ソケットがクローズされた。リモートからの停止を待っている。
- IDLE
-
アイドル。オープンされているが、バインドされていない。
- LAST_ACK
-
リモート停止の後、クローズされた。肯定応答を待っている。
- LISTEN
-
着信する接続を待機している。
- SYN_RECEIVED
-
進行中の接続の最初の同期化をはかる。
- SYN_SENT
-
アクティブに接続を確立しようとしている
- TIME_WAIT
-
クローズの後、リモート停止の再送信を待っている。
- -g
-
マルチキャストグループメンバーのリストを表示します。
- -m
-
メモリーの使用量を表示します (たとえば、STREAMS mblks)。
- -p
-
アドレス解決テーブルを表示します。これは arp(1M) と似ています。
- -s
-
さまざまなプロトコルレイヤの統計を表示します。
- forwarding(1)
-
ゲートウェイとして機能している。
- not-forwarding(2)
-
ゲートウェイとして機能していない。
アクティブなソケット (第 1 の形式)
netstat [ -anv ] [ system ] [ core ]
アクティブなソケットの情報には、ローカルとリモートのアドレス、送信と受信の待ち行列サイズ (バイト数)、送信と受信のウィンドウ (バイト数)、プロトコルの内部状態があります。
ソケットアドレスの表示に使用される記号形式は通常、次のどちらかです。
ソケットアドレスがホスト名を表す場合は次のとおりです。
hostname.port
ソケットアドレスが特定のホストではなくネットワークを表す場合は次のとおりです。
network.port
ソケットに関連する数値ホストアドレスやネットワーク番号を使って、それに対応する記号ホスト名やネットワーク名が hosts または networks データベースから検索されます。
アドレスのネットワークやホスト名が不明な場合 (または -n オプションが指定されている場合)、ネットワークアドレスが数値で表示されます。無指定または「ワイルドカード」のアドレスやポートは「*」で表示されます。インターネットの命名規則については、inet(7P) のマニュアルページを参照してください。
TCP ソケット
TCP ソケットの状態を表す値には、次のものがあります。
ネットワークデータ構造 (第 2 の形式)
netstat [ -s | -g | -m | -p | -f address_family ] [ -P protocol ] [ -n ] [ system ] [ core ]
表示形式は、次のオプションのどれを指定するかによって異なります。
統計では、MIB 指定変数が使用されます。定義されている ipForwarding の値は次のとおりです。
複数のオプションが指定されていると、netstat はそれぞれの情報を表示します。
インタフェースステータス (第 3 の形式)
netstat -i | -I interface [ interval ] [ system ] [ core]
インタフェースステータスでは、現在のすべてのインタフェースの情報が 1 行に 1 つずつ表示されます。-I オプションでインタフェースを指定すると、そのインタフェースの情報だけが表示されます。
この情報は、インタフェース名、mtu (最大伝送単位または最大パケットサイズ) (ifconfig(1M) のマニュアルページを参照)、インタフェースが接続されているネットワーク、各インタフェースのアドレス、インタフェースに対応するカウンタからなります。カウンタの種類には、入力パケット数、入力エラー数、出力パケット数、出力エラー数、衝突数のカウンタがあります。二地点間インタフェースの場合、Net および Dest フィールドはリンクの相手の名前またはアドレスです。
-n オプションを指定すると、インタフェース名の代わりに IP アドレスが表示されます。
オプションの interval を指定すると、出力は、ユーザーが中断するまで interval 秒ごとに表示されます。
-I オプションで入力インタフェースを指定すると、トラフィック情報だけが各列に表示されます。指定したインタフェースが最初に、合計カウントがその後にそれぞれ表示されます。このリストの書式は次のとおりです。
input le0 output input (Total) output packets errs packets errs colls packets errs packets errs colls 227681 0 65947 1 502 261331 0 99597 1 502 10 0 0 0 0 10 0 0 0 0 8 0 0 0 0 8 0 0 0 0 10 0 2 0 0 10 0 2 0 0 |
入力インタフェースを指定しないと、アドレスファミリ inet の最初のインタフェースが表示されます。
ルーティングテーブル (第 4 の形式)
netstat -r [ -anv ] [ system ] [ core ]
ルーティングテーブル情報は、使用可能な経路と各経路の状態からなります。各経路には、宛先のホストまたはネットワークと、パケットの転送で使用するゲートウェイが表示されます。flags 列には、経路の状態 (「オン (up) なら」U)、経路がゲートウェイに向かっている (G) のかどうか 、経路がリダイレクトによって動的に作成された (D) のかどうかが表示されます。-a オプションを指定すると、ルーティングエントリが、結合されたルーティングおよびアドレス解決エントリ (A)、ブロードキャストアドレス (B)、またはホストのローカルアドレス (L) を表すフラグとともに表示されます。
ローカルホストに接続されているインタフェースごとに、インタフェース経路が作成されます。このようなエントリのゲートウェイフィールドには、発信インタフェースのアドレスが表示されます。
refcnt 列には、同じリンクレイヤアドレスを共有している経路の数が表示されます。
use 列には、結合されたルーティングおよびアドレス解決 (A) またはブロードキャスト (B) 経路を使って送信されたパケットの数が表示されます。ローカル (L) 経路の場合には、このカウントは受信されたパケットの数です。その他の経路の場合には、このカウントは、新しく結合された経路およびアドレス解決エントリを作成するためにそのルーティングエントリが使われた回数が表示されます。
interface エントリは、その経路に使用されたネットワークインタフェースを示します。
マルチキャストルーティングテーブル (第 5 の形式)
netstat -M [ -ns ] [ system ] [ core ]
マルチキャストルーティングテーブルは、仮想インタフェーステーブルと実際のルーティングテーブルから構成されています。
DHCP インタフェース情報 (第 6 の形式)
netstat -D [ -I interface ]
DHCP インタフェース情報は、インタフェース名、その現在の状態、リース情報 (リースの開始時期、有効期限、更新開始時期)、インタフェースのために行われたプロトコル交換の数からなります。
次の例は、コマンド行と、DHCP の制御下にある 5 つのインタフェースをもつホストからの出力を示しています。
# netstat -D
Interface Status Sent Received Rejects
le0 BOUND 1 1 0
(Began,Expires,Renew) = (12/04/1996 18:08, 12/04/1996 19:08,
12/04/1996 18:38) qe0 BOUND 1 1 0
(Began,Expires,Renew) = (12/04/1996 18:08, 12/04/1996 19:08,
12/04/1996 18:38) qe1 BOUND 1 1 0
(Began,Expires,Renew) = (12/04/1996 18:08, 12/04/1996 19:08,
12/04/1996 18:38) qe2 BOUND 1 1 0
(Began,Expires,Renew) = (12/04/1996 18:08, 12/04/1996 19:08,
12/04/1996 18:38) qe3 SELECTING 4 0 0
#
|
拡張メトリック情報をもつルーティングテーブル (第 7 の形式)
netstat -R [ -anv ] [ system ] [ core ]
この形式は、-r の形式に次の情報が加わったものです。表示された経路に拡張メトリック (emetric) 情報がある場合には、拡張メトリックが次の行に字下げされて表示されます。経路に複数の拡張メトリックがある場合は、各情報が 1 行ずつ表示されます。表示書式は route(1M) の書式と同じです。つまり、各フィールドにはキーワードが表示され、さらに、値がある場合は等号 (=) と値がその後に表示されます。各フィールドはコンマ (,) で区切られます。経路の性質 (ローカルかリモートか) およびルーティングテーブルへの入力方法によっては、経路に拡張メトリックがない場合があります。その場合、拡張メトリックは表示されません。
Trusted Solars での変更点
-R オプションには、net_rawaccess 特権と実行 UID 0 が必要です。
属性
次の属性の説明については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
| 属性タイプ | 属性値 |
|---|---|
| 使用条件 | SUNWcsu |
関連項目
注意事項
netstat がカーネルのテーブルにアクセスしているときに、テーブルが変更されることがあります。その場合は、正しくない情報や部分的な情報が表示されます。
カーネルクラッシュの後でネットワークステータス情報を調べたい場合は、savecore(1M) 出力に対し crash(1M) を使用します。
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