2 PacemakerおよびCorosyncのインストールと構成

この章では、複数のノードで実行されているサービスへの継続的なアクセスを提供する高可用性(HA)クラスタを作成するようにPacemakerおよびCorosync機能を設定および構成する方法について説明します。

PacemakerおよびCorosyncパッケージへのアクセスの有効化

PacemakerおよびCorosyncパッケージは、Oracle Linux yumサーバー上のol8_addonsリポジトリ、またはUnbreakable Linux Network (ULN)上のol8_arch_addonsチャネルで入手できます。

一部の依存関係パッケージは、ol8_appstreamおよびol8_baseos_latest yumリポジトリ、またはULNのol8_arch_appstreamおよびol8_arch_baseos_latestチャネルから要求できます。

ULNを使用したリポジトリの有効化

ULNの使用を登録している場合は、ULN Webインタフェースを使用して、適切なチャネルをシステムでサブスクライブします。

ULNチャネルをサブスクライブするには:

  1. ULNユーザー名とパスワードを使用してhttps://linux.oracle.comにログインします。

  2. 「システム」タブの登録されたマシンのリストで、システムの名前が付いているリンクをクリックします。

  3. 「システム詳細」ページで、「サブスクリプションの管理」をクリックします。

  4. 「システム・サマリー」ページで、利用できるチャネルのリストから必要なチャネルを選択し、右矢印をクリックしてサブスクライブ済チャネルのリストに移動します。次のチャネルをシステムでサブスクライブします。

    • ol8_arch_appstream

    • ol8_arch_baseos_latest

    • ol8_arch_addons

  5. サブスクリプションの保存をクリックします。

Oracle Linux Yum Serverを使用したリポジトリの有効化

システムの更新にOracle Linux yumサーバーを使用する場合は、適切なOracle Linux yumリポジトリを有効にします。

yumリポジトリを有効にするには:

  1. 次のyumリポジトリを有効にします。

    • ol8_appstream

    • ol8_baseos_latest

    • ol8_addons

    dnf config-managerツールを使用して、yumリポジトリを有効にします。

    sudo dnf config-manager --enable ol8_appstream ol8_baseos_latest ol8_addons

 PacemakerおよびCorosyncサービスのインストールと有効化

クラスタ内の各ノードで、pcsおよびpacemakerソフトウェア・パッケージと、Oracle Linux yumサーバーまたはULNから使用可能なすべてのリソースおよびフェンス・エージェントをインストールします。次に例を示します。

sudo dnf install pcs pacemaker resource-agents fence-agents-all

firewalldを実行している場合は、サービス・コンポーネントがネットワーク間で通信できるように、各ノードにhigh-availabilityサービスを追加します。次の例で実行されるコマンドを通じて、この手順では通常、TCPポート2224 (pcsデーモンで使用)、ポート3121 (Pacemakerリモート・ノード用)、ポート21064 (DLMリソース用)、UDPポート5405 (Corosyncクラスタリング用)および5404 (Corosyncマルチキャスト用(構成されている場合))を有効にします。

sudo firewall-cmd --permanent --add-service=high-availability
sudo firewall-cmd --add-service=high-availability

pcsコマンドを使用してクラスタを構成および管理するには、各ノードでhaclusterユーザーのパスワードを設定する必要があります。

ヒント:

このユーザーに対して、各ノードでユーザーに対して設定したパスワードと同じパスワードを設定すると便利です。

各ノードでpasswdコマンドを使用して、パスワードを設定します。

sudo passwd hacluster

pcsコマンドを使用するには、pcsdサービスがクラスタ内の各ノードで実行されている必要があります。次のコマンドを実行することで、このサービスを実行し、起動時に開始するように設定できます。

sudo systemctl enable --now pcsd.service