2 Oracle Database Applianceライセンスの概要

この章では、各ハードウェア・プラットフォームに対するライセンス・プロセスの概要について説明します。

トピック:

ライセンスについて

Oracle Database Applianceはcapacity-on-demandライセンス方式を採用しています。

Capacity-on-demand (CoD)とは一部のコアを無効にしたOracle Database Applianceサーバーのことで、これによりOracle Database Enterprise Editionソフトウェア・ライセンスのコストを抑えることができます。コア数はデプロイメントの前でも後でも減らすことができます。より高い処理能力が必要になったときに、アクティブのコア数を増やすことができます。Oracle Databaseのライセンスは別々に供与されます。詳細は、Databaseライセンス情報ユーザー・マニュアルを参照してください。

Oracle Database Applianceのハードウェア・サポート識別子(SI)をMy Oracle Supportアカウントに追加すると、システム上のすべてのコアについてライセンスが設定されます。Oracle Database ApplianceモデルX9-2-HAはベア・メタル・システムとしてデプロイできます。Oracle Database ApplianceモデルX8-2-HA、X7-2-HA、X6-2-HAおよびX5-2は、ベア・メタルまたは仮想化プラットフォームとしてデプロイできます。両方のプラットフォーム・タイプに、Capacity-on-Demandのライセンスがあります。

ベア・メタル・インストールでは、Oracle Databaseで使用しないコアを無効にします。

  • Oracle Database Appliance X9-2S、X9-2L、X9-2-HA、X8-2S、X8-2M、X8-2-HA、X7-2S、X7-2M、X7-2-HA、X6-2-HA、X6-2S、X6-2MおよびX6-2Lの場合、コマンドodacli update-cpucoreを実行して、最低水位標の設定およびコア数の引き上げを行います。

  • Oracle Database Appliance X5-2の場合、Oracle Database Applianceのハードウェア・サポート識別子(SI)をMy Oracle Supportのアカウントに追加して、キーを作成します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを実装する場合は、すべてのコアを有効にします。ただし、Oracle Databaseおよび関連ソフトウェアを実行する仮想マシン(ODA_BASE)に特定のコアを割り当てることで、capacity-on-demandライセンスを設定できます。

第2章では、ライセンス・キーを入手し、My Oracle Supportに初期ライセンス要件を記録する方法について説明します。また、必要に応じて後でライセンスされたコア数を変更する方法についても説明します。第2章は、ライセンスがOracle Databaseに使用するコアを対象にしているベア・メタルのインストールのみに該当します。

Oracle Database Applianceに含まれるサードパーティ製品に関する情報は、第3章で説明します。

CPUおよびコア数

Oracle Database Applianceハードウェアのコア・ライセンスのオプションについては、この項を参照してください。

  • Oracle Database Appliance X9-2-HAにはサーバーが2つあり、各サーバーに16コアのCPUが2個ずつ搭載されています。Oracle Database Appliance X9-2-HAをデプロイすると、全部で64個のコア(各サーバーに32個のコア)が、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X9-2Lには、16コアのCPUが2個搭載されており、合計のコア数は32です。Oracle Database Appliance X9-2Lをデプロイすると、全部で32個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X9-2Sには16コアのCPUが1個あります。Oracle Database Appliance X9-2Sをデプロイすると、全部で16個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X8-2-HAにはサーバーが2つあり、各サーバーに16コアのCPUが2個ずつ搭載されています。Oracle Database Appliance X8-2-HAをデプロイすると、全部で64個のコア(各サーバーに32個のコア)が、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X8-2Mには、16コアのCPUが2個搭載されており、合計のコア数は32です。Oracle Database Appliance X8-2Mをデプロイすると、全部で32個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X8-2Sには16コアのCPUが1個あります。Oracle Database Appliance X8-2Sをデプロイすると、全部で16個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X7-2-HAにはサーバーが2つあり、各サーバーに18コアのCPUが2個ずつ搭載されています。Oracle Database Appliance X7-2-HAをデプロイすると、全部で72個のコア(各サーバーに36個のコア)が、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X7-2Mには、18コアのCPUが2個搭載されており、合計のコア数は36です。Oracle Database Appliance X7-2Mをデプロイすると、全部で36個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X7-2Sには10コアのCPUが1個あります。Oracle Database Appliance X7-2Sをデプロイすると、全部で10個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X6-2-HAには10コアのCPUが2個あります。Oracle Database Appliance X6-2-HAをデプロイすると、全部で40個のコア(各サーバーに20個のコア)が、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X6-2MおよびX6-2Lには10コアのCPUが2個あります。Oracle Database Appliance X6-2MまたはX6-2Lをデプロイすると、全部で20個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X6-2Sには10コアのCPUが1個あります。Oracle Database Appliance X6-2Sをデプロイすると、全部で10個のコアが、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X5-2ノードにはそれぞれに2個のCPUがあり、CPUごとに18個のコアがあります。Oracle Database Appliance X5-2をデプロイすると、全部で72個のコア(各サーバーに36個のコア)が、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

  • Oracle Database Appliance X4-2ノードにはそれぞれに2個のCPUがあり、CPUごとに12個のコアがあります。Oracle Database Appliance X4-2をデプロイすると、全部で48個のコア(各サーバーに24個のコア)が、デフォルトでハイパースレッディングが有効化されてアクティブになっています。

Oracle Database Applianceのベア・メタル・ライセンスは、システムにある使用可能なコアの数によって判断されます。Capacity-on-Demandのライセンス機能によって、システム・リソースのニーズが変化したときに、使用可能なコア数を変更できます。

ライセンスされるコア数を、現在アプリケーションに必要なレベルに初期化します。各サーバー・ノードには、同数のアクティブなコアがあります。その後、アプリケーションでより多くの容量が必要になったときは、ライセンスされたコア数を増やします。該当するOracle Database Applianceプラットフォームの表を参照し、コア・キーを入手して適用しライセンスされるコア数を変更します。

Oracle Database Appliance X9-2-HAのライセンスされるコア・ライセンス・オプション

この表は、Oracle Database Appliance X9-2-HAの各ノードにライセンスされるコアと、Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア、およびOracle RAC One Nodeのアクティブ・コアとの関連を示しています。

表2-1 Oracle Database Appliance X9-2-HAシステムのベア・メタル・ライセンス・オプションの例

各ノードにライセンスされるコア(X9-2-HAのみ) Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア(X9-2-HAのみ) Oracle RAC One Nodeのアクティブ・コア(X9-2-HAのみ)

2

4

2

4

8

4

6

12

6

8

16

8

10

20

10

12

24

12

14

28

14

16

32

16

18

36

18

20

40

20

22

44

22

24

48

24

26

52

26

28

56

28

30

60

30

32

64

32

Oracle Database Appliance X9-2LおよびX9-2Sのライセンスされるコア・ライセンス・オプション

表2-2 すべてのOracle Database Appliance X9-2LおよびX9-2Sシステムのベア・メタル・ライセンス・オプション

1つのノードにライセンスされるコア(X9-2S) 1つのノードにライセンスされるコア(X9-2L)

2

2

4

4

6

6

8

8

10

10

12

12

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14

16

16

N/A

18

N/A

20

N/A

22

N/A

24

N/A

26

N/A

28

N/A

30

N/A

32

Oracle Database Appliance X8-2-HAのライセンスされるコア・ライセンス・オプション

この表は、Oracle Database Appliance X8-2-HAの各ノードにライセンスされるコアと、Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア、およびOracle RAC One Nodeのアクティブ・コアとの関連を示しています。

表2-3 Oracle Database Appliance X8-2-HAシステムのベア・メタル・ライセンス・オプションの例

各ノードにライセンスされるコア(X8-2-HAのみ) Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア(X8-2-HAのみ) Oracle RAC One Nodeのアクティブ・コア(X8-2-HAのみ)

2

4

2

4

8

4

6

12

6

8

16

8

10

20

10

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12

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18

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40

20

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48

24

26

52

26

28

56

28

30

60

30

32

64

32

Oracle Database Appliance X8-2MおよびX8-2Sのライセンスされるコア・ライセンス・オプション

表2-4 すべてのOracle Database Appliance X8-2MおよびX8-2Sシステムのベア・メタル・ライセンス・オプション

1つのノードにライセンスされるコア(X8-2S) 1つのノードにライセンスされるコア(X8-2M)

2

2

4

4

6

6

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8

10

10

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12

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14

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16

N/A

18

N/A

20

N/A

22

N/A

24

N/A

26

N/A

28

N/A

30

N/A

32

Oracle Database Appliance X7-2-HAのライセンスされるコア・ライセンス・オプション

この表は、Oracle Database Appliance X7-2-HAの各ノードにライセンスされるコアと、Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア、およびOracle RAC One Nodeのアクティブ・コアとの関連を示しています。

表2-5 Oracle Database Appliance X7-2-HAシステムのベア・メタル・ライセンス・オプションの例

各ノードにライセンスされるコア(X7-2-HAのみ) Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア(X7-2-HAのみ) Oracle RAC One Nodeのアクティブ・コア(X7-2-HAのみ)

2

4

2

4

8

4

6

12

6

8

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8

10

20

10

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24

12

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14

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32

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20

22

44

22

24

48

24

26

52

26

28

56

28

30

60

30

32

64

32

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68

34

36

72

36

Oracle Database Appliance X7-2のライセンスされるコア・ライセンス・オプション

表2-6 すべてのOracle Database Appliance X7-2システムのベア・メタル・ライセンス・オプション

1つのノードにライセンスされるコア(X7-2S) 1つのノードにライセンスされるコア(X7-2M)

2

2

4

4

6

6

8

8

10

10

N/A

12

N/A

14

N/A

16

N/A

18

N/A

20

N/A

22

N/A

24

N/A

26

N/A

28

N/A

30

N/A

32

N/A

34

N/A

36

Oracle Database Appliance X6-2のライセンスされるコア・ライセンス・オプション

表2-7 すべてのOracle Database Appliance X6-2システムのベア・メタル・ライセンス・オプション

各ノードにライセンスされるコア Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア(X7-2-HAのみ) Oracle RAC One Nodeのアクティブ・コア

2

4

2

4

8

4

6

12

6

8

16

8

10

20

10

12

24

12

14

28

14

16

32

16

18

36

18

20

40

20

Oracle Database Appliance X5-2のライセンスされるコア・ライセンス・オプション

表2-8 Oracle Database Appliance X5-2のベア・メタル・ライセンス・オプション

各ノードにライセンスされるコア Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア Oracle RAC One Nodeのアクティブ・コア

2

4

2

4

8

4

6

12

6

8

16

8

10

20

10

12

24

12

14

28

14

16

32

16

18

36

18

20

40

20

22

44

22

24

48

24

26

52

26

28

56

28

30

60

30

32

64

32

34

68

34

36

72

36

Oracle Database Appliance X4-2のライセンスされるコア・ライセンス・オプション

表2-9 Oracle Database Appliance X4-2のベア・メタル・ライセンス・オプション

各ノードにライセンスされるコア Oracle RACおよびOracle Enterprise Editionのアクティブ・コア Oracle RAC One Nodeのアクティブ・コア

2

4

2

4

8

4

6

12

6

8

16

8

10

20

10

12

24

12

14

28

14

16

32

16

18

36

18

20

40

20

22

44

22

24

48

24

Oracle Database Appliance KVMハード・パーティショニングへの準拠

Oracle Database Appliance KVMハード・パーティショニングへの準拠については、この項を参照してください。

Oracle Database Appliance Database System (データベースKVM)およびコンピュート・インスタンス(アプリケーションKVM)は、Oracle Linux KVMのハード・パーティショニングに記載されているOracle Linux KVMハード・パーティショニング要件に準拠しています。

https://www.oracle.com/a/ocom/docs/linux/ol-kvm-hard-partitioning.pdf

仮想マシンのCPUが物理スレッドまたはコアに固定されていることを確認するには、コマンド
# virsh --readonly vcpuinfo VM_name --pretty
を実行します。
次の例は、dbシェイプodb2を持ち、2コア(4 vCPU)を使用するOracle Database Appliance Database SystemのCPUを検証する方法を示しています。
  1. コマンド
    # odacli describe-dbsystem -n dbs1 | grep "VM Name"
    VM Name:  x97f18b518
    を実行して、VM名を特定します。

    この例のDatabase System名はdbs1です。

  2. virshコマンドを実行し、vCPUがvm1の物理スレッドまたはコアに固定されていることを確認します:
    # virsh --readonly vcpuinfo x97f18b518 --pretty
    
    
    VCPU:           0
    CPU:            19
    State:          running
    CPU time:       79.3s
    CPU Affinity:   19,24,55,60 (out of 72)
    
    VCPU:           1
    CPU:            55
    State:          running
    CPU time:       71.5s
    CPU Affinity:   19,24,55,60 (out of 72)
    
    VCPU:           2
    CPU:            60
    State:          running
    CPU time:       71.7s
    CPU Affinity:   19,24,55,60 (out of 72)
    
    VCPU:           3
    CPU:            24
    State:          running
    CPU time:       73.1s
    CPU Affinity:   19,24,55,60 (out of 72)
    ----------------------------------------

    この例では、固定されているvCPUは19、24、55、60 (72のうち)です。