「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち

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「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち

解説

東日本大震災で多数の犠牲者を出した宮城県石巻市の大川小学校を題材に、遺された親たちの10年に及ぶ思いを記録したドキュメンタリー。

2011年3月11日に発生した東日本大震災で、津波にのまれて全校児童の7割に相当する74人の児童(うち4人は行方不明)と10人の教職員の命が失われた大川小学校。地震発生から津波到達までは約51分、ラジオや行政の防災無線で情報は学校側にも伝わり、スクールバスも待機していたにも関わらず悲劇は起きた。その事実や理由について行政からの説明に疑問を抱いた一部の親たちは、真実を求めて提訴に至る。わずか2人の弁護団で、いわれのない誹謗中傷も浴びせられる中、親たちは“我が子の代理人”となって証拠集めに奔走する。

親たちが延べ10年にわたって記録した膨大な映像をもとに、寺田和弘監督が追加撮影などを行いドキュメンタリー映画として完成させた。

2022年製作/122分/G/日本
配給:きろくびと
劇場公開日:2023年2月18日

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
松本裕子
撮影
藤田和也
山口正芳
音効
宮本陽一
編集
加藤裕也
MA
高梨智史
主題歌
廣瀬奏
宣伝美術
追川恵子
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(C)2022 PAO NETWORK INC.

映画レビュー

5.0必見

2023年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大変重要なものを描いた傑作だった。東日本大震災でとりわけ多くの犠牲者を出した大川小学校で、あの震災時、学校で何があったのかを知るために、犠牲になった児童の親御さんたちが裁判を起こす。遺族にとって裁判はファーストチョイスではなかった。遺族は、ただ何があったのか真相を知りたかったが、学校も行政も体制を守るための言説に終始する。検証のための第三者委員会も利権絡みで骨抜きになってしまう。だから、裁判を起こすしかなかった。そのことで、子どもの命で金が欲しいのかと心無い言葉を浴びせられる。
もっと海に近い学校はあったのに、なぜ大川小学校だけ犠牲者が突出して多かったのか、その真相を巡るプロセスには、いかにも日本社会のまずい部分が凝縮されている。遺族がこの裁判を戦ったお陰で様々なことが明るみとなり、今後の防災計画にも大きな影響を与えることになる。心無い視線と言葉を浴びせられながら、折れずに最後まで戦い、子供たちの死を無駄にしなかった人々の勇敢な記録だ。

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杉本穂高

1.0群集心理、民主主義とは?

誤った判断をしているのが、多数、もしくは大衆、教師、上司、会社、行政、国家だったら、
適切な判断をして意見しても受け入れられず、間違った判断に強制強要されたなら、
究極の選択として生きる権利もあれば、
死ぬ権利もある、
だとするならば、
裏山へ逃げたい、と言った、ぐずぐずしないで早く逃げればいいじゃない、と思った、証言した子供たちが、
死ぬ権利を知らずに自由行使し、誤った判断で死んだバカな大人達の無益な逡巡につき合わされて犠牲になった、
正しく判断していた、思った、生きる権利を無視され亡くなった子供たちが不憫でならない、

子供だった頃、親や教師がくだらない事で揉めていた時、
誰でも、どうでもいいから早くすれば?と思ったことがあるのではないか、
もし、この時、謙虚に、子供にどう思うか?尋ねる優秀な教師、大人が一人いれば、
即座に、どうでもいいから早くすれば?、と言った思う、
最近のバカな大人や教師は子供の人権を無視して、
自分たちだけで解決できるし責任があると思い込んでいる、
より良い教育と環境は、子供がどうしてほしいか、で、
大人や教師がどうしたいか、ではない、
驕れる大人の教師、教育委員会、行政、政治家、政府、国家の対応に常に不信の目を持たねばならないと確信する裁判、映画、
もし、大人の誤った判断に強要され亡くなった子供たちが生きていたら、
ダメな大人を見て育ち、社会改革リーダーになって能登の復興支援を済ませ国政を変えるような人材であったかもしれない、
4カ月経っても水もガスも復旧せず、仮設住宅にも入居できない、発展途上国のような、この国を。
映画の裁判、学校、教育委員会、行政の対応は、そんな子供たちの人権を無視する非人道的な憤りしかない、
製作された方々には頭が下がります。

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全国連加盟国不可侵条約締結、武装中立主義、多様性男女平等自由主義、5名作4良作3いい作品なので他は2以下です。

4.513年経っても終わらない

2024年3月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

3.11から13年のタイミングに旅先の大阪のミニシアターで再上映されていた本作。津波で多くの児童・教師が犠牲になった石巻市立大川小学校での学校側の過失とその裁判をめぐってのドキュメンタリーで、学校や自治体側の事実の隠蔽や無責任さ、他人事のような首長の発言、事故検証委員会の通り一遍の報告などが遺族が撮影してきた映像に生々しく記録されていて、非常事態での事故とはいえ、これでは遺族の気持ちが収まらないのは当たり前だろう。

原告の勝訴は、今後の学校・教育現場での命の在り方に重要な一石を投じることとなったし、なにより遺族にとって多少の慰めにはなっただろう。ラストに流れる子どもたちの歌う校歌にはこちらも涙がじんわり…。こういった未曾有の大災害の後は、Fukushima50を例に出すまでもなく(って、すいません、実は観てないす…)、大変つらい出来事でしたがみんな力を合わせてがんばりました、みたいな都合のいい美談でまとめられてしまいがち。本作では新たな事実がなにか明らかにされるわけではないが、問うべき責任や過ちを追及し続けたことが作品として残され、よかったと思う。

ただ、上映後の寺田和弘監督のリモート舞台挨拶の話では、損害賠償裁判に踏み切った遺族と関わらなかった遺族とで町が分断され、それをなんとかしたいという原告側弁護士とそもそも地域には所縁のない監督が話をするなかで映画化が決まったのだという。原告遺族に向けては金目当てだと誹謗中傷があったり、バラバラの町を融和するべく企画されたイベントも脅迫によって中止に追い込まれたとのこと。

本作はあくまで裁判の原告遺族サイドからの映画なわけで、なぜ等しく悲劇を被った者たちが一枚岩になれないのか、物事をうやむやに終わらせようするものはなんなのか、そんなことを一歩退いたところから見据えた作品を監督には次に撮ってほしいとも思った。

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ジョンスペ

4.5なぜ裁判になるのか⁉️

2023年8月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 5件)
共感した! 2件)
りか

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