コミュニケーションツールとしての格闘ゲーム
はじめに
以前、僕が格闘ゲームにハマった理由について書きました。簡単にまとめて言うと、“コミュニケーションツール”として格闘ゲームを見ているということでした。
今回はより格闘ゲームを“コミュニケーションツール”として見たときに、どんな特徴があるのかについて、深堀りしていこうとおもいます。
格闘ゲームの持つ面白さ
格闘ゲームをやるようになって、特に面白いなと感じるのは、対戦やプレイスタイルに個人の性格が色濃く反映されるという点です。
対戦相手が何を考えているのか、どんな行動を取るのか、どんなキャラクターで、どのように勝ちたいのか、それら全てが対戦を通して伝わってきます。
使用するキャラクターを選択する時点で、その人の性格が反映されていますし、言い方を悪くすれば、さながら「格ゲープロファイリング」とも言えるようなことも考えられます。
完全に主観的な意見で恐縮ですが、具体例を挙げてみますね…。
ザンギエフ使い→純粋な読み合い(コマ投げか打撃か)を好み、少し頭の硬い職人気質タイプ。
リュウ使い→勝ち方に独特の美学のようなものを持っていて、頑固者。明確に勝ちを定義したいタイプ。
バーディー使い→対戦を楽しめる時とそうでないときの落差が激しい気分屋タイプ。
アビゲイル使い→基本的に対戦を楽しんでいて、自分のやりたいプレイが出来た時に喜びを感じるのはもちろん、通らなかった時も仕方ないやで済みやすい。ストレスをあまり溜め込まないタイプ。
ガイル使い→とにかく何かしていたくてボタンを押している。待ちのイメージがあるが、実は動き続けていたい。落ち着きがなく、すぐ何かに興味が移りがちなタイプ。
完全に主観的な考え方なので、全く参考にならないので適当に流してください笑。
ただ僕はこんな感じで使用するキャラクターにプレイヤーの性格が引きずられるというようなことはあるのではないかなと思っています。
他にもプレイスタイルの差も面白い要素になりますね。
例えばももちさんのケンとえいたさんのケンでは、同じキャラクターのはずなのに全く立ち回り方が異なります。
どちらのプレイスタイルが正解というものは無く、個人の持つ理想とする勝ち方、プレイスタイルを目指した結果なわけです。つまりプレイヤーの内面が対戦画面の中で表現されるのです。何て面白いコンテンツなんだと言いたいですね。
また格闘ゲームは、対戦という共通言語を用いることで、初めて出会った相手とも話題探しをする必要もなく、対戦について熱く語り合うことが出来るのも格闘ゲームの面白さです。
初めて出会った人との会話って、話題に困りがちですよね…
しかし格闘ゲームは語れる内容がもう無限大です。ただ一つの正解がない、環境が常に変化しているからこそ、共通する話題は尽きることがなく、格ゲーマーは話が止まらなくなってしまうのです。
コミュニケーションツールとしての特徴的な機能
格闘ゲームの持つコミュニケーションを促進させる特徴的な機能を挙げてみたいとおもいます。
①共通話題の生成
②対戦という同期的なコミュニケーション
③年齢や性別関係なく、同じルールが適用されること
①については先ほど述べた通りですから割愛します。
②同期的なコミュニケーションとは、お互いが同じ空間、時間に存在して何かしらの行為をすることを指しています。ネット対戦では空間は共有することはないかも知れませんが、時間は共有しています。オフ対戦の場では当然どちらも共有していますね。
なぜこの同期的なコミュニケーションが重要かと言うと、同じ空間、時間を共有したものは互いに親しみを感じやすくなるからです。
特に格闘ゲーマーには、対戦という共通言語がある分、互いのプライベートにはあまり関与しないという独特な距離感があります。
これについても同期的なコミュニケーションを通じて、互いがどこまで踏み込むかという難しい調整が可能になっているのです。
③年齢、性別に関係ないルールとは、格闘ゲームの対戦の中では性別も年齢も考慮されずに勝ち負けが判定されることは意味しています。
他の多くのスポーツは年齢的な肉体の衰えや怪我の危険性などから、年齢別や性別で一緒にプレイ出来る選手を分けたり、ルールが一部変更されたりします。
選手の保護の観点からは素晴らしいと思いますが、年齢や性別でプレイヤーを分けてしまうことで互いの交流が乏しくなったり、同じ感動を共有出来なくなったりする問題が起こります。
プレイヤーを分けることのない格闘ゲームは、他のスポーツと比較してこの点は非常に優れている部分ではないかと思います。
終わりに
昨今E-sportsと騒がれ始めていますが、僕はそのブームが一過性のものにならないか心配です。
改めて格闘ゲームの持つ優れた部分を見直して、自分に出来る活動があるのではないかと考え続けていきたいです。
まだ答えは出ていませんが、何か行動に移す段階が目の前に来ているのではないかと感じている次第です。