やじうまの杜

「DirectX SDK」が消失? 一時Microsoftのダウンロードセンターから入手不能になった理由

現在は再び利用可能。「DirectX SDK」や「DirectSetup」に依存しない開発が望まれる

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「DirectX SDK(June 2010)」

 いささか旧聞に属しますが、古いゲームを動かすためにときどき必要になる「DirectX 9.0c SDK(June 2010)」が一時期、Microsoftのダウンロードセンターから入手不能となっていたそうです。

 「DirectX 9.0c SDK」はMicrosoft以外のWebサイトでも再配布されていますし(入手する際はくれぐれも信頼のおけるWebサイトからお願いします。マルウェアを仕込まれている可能性もなくはないので)、すでにシステムにインストールされていたり、ゲームに同梱されていれば、それをバックアップして利用することもできますが、公式で入手できなくなるのは困ったものです。

 結局、今回「DirectX 9.0c SDK」がダウンロードセンターから削除されたのは“SHA-1”アルゴリズムで暗号化された古いコンテンツコンテンツを廃止する方針に従ったもので、幸い現在は“SHA-256”に署名を差し替えて再ダウンロードできるようになっているとのこと。

 詳しい経緯については下記のブログ記事で述べられていますが、今年1月にいったん削除されたものの、パッケージをSHA-256で再署名し、2月20日頃に再び利用できるようになったとの由。

 ただし、中身のDLLではまだSHA-1が利用されており、既知の脆弱性があるためあまり利用は推奨しないとのこと。あくまでも古い環境でゲームをメンテナンスするためだけに使うべきとのことです。

このダウンロードは、レガシ DirectX SDK です。これは終了しているため、古いソフトウェアを維持する目的でのみ使用してください。DirectX for Windows 7 以降が対象の場合は、代わりに最新の Windows SDK を使用してください。

DirectX SDKのダウンロードページより引用

 そもそも現行のOSならば、「DirectX」ランタイムは基本的にOS(またはWindows Update)に含まれています。「DirectX SDK」に関しても、最新の「Windows SDK」があれば基本的に不要です。ゲーム開発者は古い「DirectX SDK」や「DirectSetup」による再頒布ソリューションに依存しないことが強く推奨されています。