え、こんな機能が? Windows 10のマイナー機能を活用しよう!

第5回

不要なファイルを削除してストレージの空き容量を増やす“ストレージ センサー”

ディスクの空き容量を監視して自動的にクリーンアップを実行可能

不要なファイルを削除してストレージの空き容量を増やす“ストレージ センサー”

 「Windows 10」の知られざる便利機能をピックアップする本特集。最終回となる今回は、不要なファイルを削除してローカルストレージの空き容量を増やしてくれる“ストレージ センサー”を紹介する。

「Windows 10」の不要ファイル削除機能“ストレージ センサー”

 「Windows 10」では古い機能の“近代化”が段階的に進められている。OS標準の不要ファイル削除ツールに関しても事情は同じで、これまでお馴染みだった「ディスク クリーンアップ(Cleanmgr.exe)」はもはや用済みとなりつつある。モダンな「Windows 10」ユーザーであれば、代わりに“ストレージ センサー”を使うべきだ。

OS標準の不要ファイル削除ツール「ディスク クリーンアップ(Cleanmgr.exe)」

 「Windows 10」では、「設定」アプリの[システム]-[ストレージ]セクションにストレージ関連の設定とツールがまとめられている。お目当ての“ストレージ センサー”もここに配置されている。

 “ストレージ センサー”の特徴は、“能動的(アクティブ)”にも機能するという点にある。「ディスク クリーンアップ」は基本的にユーザーが起動・操作しないとなにも行わない“受動的(パッシブ)”なツールといえる。一方、“ストレージ センサー”は「ディスク クリーンアップ」のように手動で使うこともできれば、オプションを有効化して自動的に空き容量を増やすこともできる。要するに、より“親切”な設計になっているというわけだ。

基本:「ディスク クリーンアップ」の代わりに使う

“今すぐ空き領域を増やす”機能

 “ストレージ センサー”で「ディスク クリーンアップ」に相当するのは、“今すぐ空き領域を増やす”機能だ。リンクをクリックするとスキャンが開始され、削除できる項目とその容量がリストアップされるのは「ディスク クリーンアップ」と同じだが、わざわざ[システム ファイルのクリーンアップ]ボタンを押さなくても「診断データ ビューアー」のログ(約1GB)などがリストアップされる点はわかりやすい。ただし、スキャンの時間は若干長くなっているようだ。

 スキャンが完了したら、不要な項目にチェックを入れて[ファイルの削除]ボタンを押し、削除処理を開始すればよい。機能面では「ディスク クリーンアップ」とほぼ同等だが、「設定」アプリに統合され、他のツールと共通のモダンなデザインになっている点は改善といえる。

応用:センサーを有効化して自動的に空き容量を増やす

“空き領域を自動的に増やす方法を変更する”画面

 一方、自動的に空き容量を増やす機能は、初期状態で無効化されている。利用する場合は[システム]-[ストレージ]セクションにあるトグルスイッチをONにする必要がある。

 基本的には初期設定のまま放置してよいが、より細かい設定を行いたい場合は、“空き領域を自動的に増やす方法を変更する”というリンクをクリックして設定画面を開く。この画面では“ストレージ センサー”が作動する条件を指定できるほか、“ごみ箱”や“ダウンロード”フォルダーのクリーンアップ条件が設定可能。

 ダウンロード”フォルダーのクリーンアップは「Fall Creators Update」で追加された機能で、ダウンロードしたものの一定期間利用されなかった不要ファイルを勝手に削除してくれる。

 なお、センサーによる自動実行を待たず、その場でクリーンアップを実施したい場合は、[今すぐクリーンアップ]ボタンを押せばよい。その際、[Windows の以前のバージョンを削除しますか]というチェックボックスをONにしておけば、OSをアップグレードする際に作成された復元データを一緒に削除できる。このデータは10日後に自動削除されるのでわざわざ手動で消す必要はないが、数GB単位の空き領域がすぐに必要になった場合には有用なので覚えておくとよい。

「Windows 10 RS5」での改善点

 なお、「Windows 10 RS5」では“OneDrive”の“ファイル オン デマンド”機能もクリーンアップ対象としてサポートされる予定だ。

 “OneDrive”はクラウドに保管しているファイルをローカルへダウンロードして同期をとるが、すべてのファイルがローカルでも必要となるとは限らない。不要なファイルまでダウンロードするのはストレージとネットワークの無駄というものだろう。そこで導入されたのが“ファイル オン デマンド”機能だ。

 “ファイル オン デマンド”機能は、ファイルのアイコン(メタ情報)だけをローカルフォルダーに表示する。ファイルの実体は極力クラウドに保持しておき、閲覧や編集などで必要になったときに(オンデマンドで)はじめてダウンロードする仕組みだ。ダウンロードの際はインターネット接続が必要となってしまうが、不要なファイルをローカルに保持しておく無駄を避けられる。

 不要になったファイルの実体は、ファイルやフォルダーの右クリックメニューにある[空き容量を増やす]コマンドで削除できる。しかし、これをわざわざ手動で行うのは面倒だ。「Windows 10 RS5」ならば、一定期間使われなかったファイルの実体を自動で削除できる。