カインにセフィロスも… 不思議と憎みきれない! 歴代『ファイナルファンタジー』の“闇落ちキャラ”たちの画像
『FF1&2』『FF3』『FF4』『FF5』『FF6』『FF7』『FF7リメイク』(編集部撮影)

 大人気RPG『ファイナルファンタジー』シリーズ。6月22日に発売された最新作『ファイナルファンタジーXVI』は、パッケージ版とダウンロード版を合わせた初週売上が全世界累計300万本を突破するなど話題を呼んだ。

『FF』シリーズを一層面白くしている要素のひとつには、魅力的な悪役やライバルキャラの存在も挙げられるだろう。今回はそのなかから、魅力的であると同時にどこか人間臭さのある悪役を紹介していこう。

■劣等感に翻弄された『FF4』カイン・ハイウインド

 カイン・ハイウインドは、21歳の若さにしてバロン王国の竜騎士団隊長を務める青年だ。主人公のセシルとは学友同士で、序盤の戦闘での「あてにしてるぜ カイン。」「フッ まかせておけ。」という掛け合いからも、お互いが強い信頼関係で結ばれているとわかる。

 しかしその一方で、カインはセシルの恋人ローザに好意を寄せていた。そのうえ戦士としてもセシルに対し劣等感を抱いていたことから、ゴルベーザにつけこまれて洗脳されてしまう。

 それ以降は何かとセシル達の敵として戦うことになるカイン。一度は洗脳が解け元に戻ったかと思いきや、再び洗脳されてしまう。その際の「おれは しょうきに もどった!」というセリフは、ファンの間では何かと語り草になっている。

 セシルは最終的にローザと結婚して幸せなラストを迎えるが、それに対しカインは自責の念もあってか人里離れた「しれんのやま」での修行に向かうという、少し物悲しい結末となっている。

 洗脳時の行動にはある程度本心も反映されているだろうが、元々カインは真面目で責任感が強いキャラだ。その自制心の強さやピュアさがよくわかるからこそ、つい同情してしまったプレイヤーも多いのではないだろうか。

■かつては英雄だった『FF7』セフィロス

 次に紹介するのは『FF7』のセフィロス。彼はかつて世界を牛耳る大企業「神羅カンパニー」の私設軍隊に属するソルジャーで、その中でもトップに君臨するクラス1stだった。さらにその中でも数多くの功績をあげたことから、人々から「英雄」と呼ばれてもいた人物である。

 ソルジャー時代は責任感が強く仲間思いの人格者だったセフィロスだが、周囲から持て囃される機会が多いのもあってか、「自分は普通の人とは違う」というエリート意識を持っていた。

 しかし任務でニブル魔晄炉を訪れたのをきっかけに、セフィロスは自分の出自を知ってしまう。彼の正体は実験によって生み出された強化人間のようなもので、もはやモンスター同然の存在だった。皮肉にも彼の「自分は普通の人とは違う」という自意識は、想定外の形で証明されることになってしまったのだ。

 自暴自棄になったセフィロスは、主人公・クラウドの故郷であるニブルヘイムを燃やす等の暴挙に出るが、大切な人たちを傷つけられて怒ったクラウドによって倒されてしまう。選民意識を抱いていたセフィロスにとって、当時一般兵だったクラウドに敗北したことは相当こたえただろう。

 もはや人間と言えない状態にされたという点では、クラウドもセフィロスも同じだ。しかしクラウドには仲間がいて、大切な人のために戦うことができるという大きな違いがあった。そうした意味でセフィロスはクラウドの対比のような存在になっている。

 ソルジャー時代の数少ない友人を亡くしてしまったセフィロスに、ほかに仲間と呼べるような存在がいたら……と思わずにはいられなかった。

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