2023.06.20
# 節約 # 年金

「悲惨な老後」になりかねない…「熟年離婚」が金銭的には“最悪の選択”といえるワケ

年々、増え続けている「熟年離婚」。きゅうくつな生活から解放され、気分はスッキリするかもしれないが、経済面では悲惨な末路をたどりかねないと、著書『何歳からでも間に合う初めての投資術』(ワニブックスPLUS新書)を発表した経済アナリストの佐藤健太氏は指摘する。とくに勘違いされがちな「年金分割」を中心に、熟年離婚のシビアな現実を解説してもらった。

悲惨な末路をたどりやすい「熟年離婚」

貯蓄、保険と並んで、老後の「生き方」の常識も、マネープランに大きく影響します。

団塊の世代が定年に突入し始めた2005年頃から、「熟年離婚」という言葉が流行し始めました。夫の「職業人」としての卒業と同時に、妻も「家庭人」としての役割を卒業し、これからは家族や子供よりも自分の人生を優先するというものです。

特に妻の立場から、「定年までは何とか我慢して、後は好きにさせてもらう」という文脈で語られることも多くなりました。

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どんなに仲の良い夫婦であっても、長い間にすれ違いが生じることはあるでしょう。子育てや金銭感覚のズレ、あるいは暴力や異性関係などから離婚に発展することもあります。

少子化や晩婚化とともに結婚する人が減少し、それに伴って離婚件数も減ってはいますが、長期間連れ添った後に離別する「熟年離婚」は増加しています。

人生いろいろ、結婚や離婚もいろいろではありますが、熟年での離婚は当初描いていたよりも悲惨な末路をたどりかねないため注意が必要と言えます。

まず、重要なのは「年金」です。夫婦で貯めた預貯金や購入した不動産であれば半分ずつに財産を分けることがありますが、「年金」は必ずしもそうなるわけではないことを知っておく必要があります。

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