地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
ビタミンCの発見者として知られる生化学者アルバート・セント・ジェルジ(セント=ジェルジ・アルベルト、Nagyrápolti Szent-Györgyi Albert、1893-1986年)が、この日、ハンガリーのブダペストに生まれました。
叔父が解剖学教授をつとめていたブダペスト大で医学・生理学を学んだジェルジは、その後各地の大学を点々として、1931年に、王立フェレンツ・ヨージェフ大学(現在の国立セゲド大学)に職を得ました。
ここで研究員と共に地元特産のパプリカから大量精製した"hexuronic acid"が構造的にはL-アスコルビン酸であること、またこれが以前から知られていた抗壊血病因子であること、これをビタミンCと名付けて、1932年に発表しました。
同時に細胞呼吸の研究を続け、フマル酸などが呼吸反応(のちにTCA回路とよばれる)で重要な段階をなすことを発見した。1937年、これらの業績(生物学的燃焼、特にビタミンCとフマル酸の触媒作用に関する発見)によってノーベル生理学医学賞を受賞しました。また1937年には止血作用を持つビタミンPを発見(ただし、ビタミンPは数種類の物質の混合物であることが後に判明し、現在「ビタミン様物質」と呼ばれています)。
さらに、研究員のシュトラウブ・ブルノーとともに、筋肉はアクチンとミオシンの2種類のタンパク質がATPをエネルギー源として収縮することを発見するなど、生理学の分野で多数の業績をあげました。
戦後は、ハンガリーの国会議員などもつとめましたが、のちにアメリカに亡命、がんの研究や、これに関して量子力学を生化学に応用する分子下生物学(量子生物学)を提唱するなどの研究を続けました。