地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
量子力学の体系を築いた物理学者ヴォルフガング・エルンスト・パウリ(Wolfgang Ernst Pauli、1900-1958)がこの日、オーストリアに生まれました。
パウリは18歳で一般相対性理論の論文を発表するなど、若くして物理学の才能を開花させ、大学時代の指導教授だったアルノルト・ヨハネス・ゾンマーフェルト(Arnold Johannes Sommerfeld、1868-1951年)や、親しい間柄だったニールス・ボーア(Niels Bohr、1885-1962)とともに量子力学の理論を構築した物理学者です。
特に有名な業績は「パウリの排他律(Pauli exclusion principle)」と呼ばれる原理の提唱で、これは「2つの電子は同じ量子状態を占めることができない」というものです。この理論でパウリが提唱した新しい量子自由度という概念こそが、現在「スピン」と呼ばれるものだったのです。
これらの発見によって、パウリは1945年にノーベル物理学賞を受賞しています。また、日本人にノーベル賞をもたらした「ニュートリノ」の存在を、初めて予言したのもパウリです。
ヴォルフガング・エルンスト・パウリ photo by gettyimages