谷川岳 一ノ倉沢衝立岩ダイレクトカンテ

2021年6月9日  メンバーたぬき Osue 

天候 終日快晴

一ノ倉沢へ立ち入りテールリッジを詰めた事が有る者にとっては、アプローチ途中一度は立ち止まり、垂直にそそり立つ衝立岩に目を移す事が有るだろう。その垂直の壁は、まさに圧巻で有り多くのクライマーは衝立正面壁には足を進めず烏帽子沢奥壁へ進路を取る。
私もその中の一人で有った。しかしいずれ正面壁にラインを引きたいと言う思いは一ノ倉沢へ訪れる度に大きくなり、梅雨前の貴重な好天とパートナーに恵まれる中、正面壁入門ルートとされるダイレクトカンテへ岩を楽しみに行ってきました。
早朝、とは言うもののこの時期にしてはすっかり陽が昇り明るくなってからアプローチ開始。
梅雨前直下の晴天続きより、本日は移動性高気圧に覆われ快適な登攀が約束される日和にしては思いの外クライマーは見受けられず、快適なアプローチ。
毎回この時期は、林道で体を温め雪渓でクールダウンそしてテールリッジにて大汗を掻くと言うルーティン的なアプローチを経て取り付きへ到着。

圧巻の衝立岩 登攀対象に切り替わった瞬間より威圧を感じる


これまで憧れだった圧巻の衝立正面壁は、いざ登攀対象に切り替わった瞬間から一気に威圧を放つ存在となり緊張を強い入られる。その反面個人的には興奮と壁に向かいあえる喜びが交互に入り混じる中ダイレクトカンテ取り付きにアプローチ開始。

( )内は個人的な体感グレート ロープスケル
【ダイカンまでのアプローチ】
1P(Ⅲ⁺ 65m)
アプローチと言っても悪い。中央稜取り付きより約7~8m程下った小テラスよりアプローチ開始。取り付きにはハンガー2本有り。
バンドをトラバースし右下気味に足を進める。要所にハンガーが有り慎重にルーファイすれば問題は無い。笹薮に突入し浅い凹角状に垂れ下がるFIXを頼りに高度を上げるとアンザイレンテラスへ。
スタカットでアプローチ開始したが最後はコンテに切り替えた。


2P(懸垂 15m程)
立派なラペルステーションより懸垂。約15m程の懸垂だが右下気味に下降。自然に右下気味に懸垂すればリング3つの終了点へ到達。このラインが自然な流れに思えるが、トラバースしながら懸垂するとペツル2本が有る。個人的にはペツルの支点構築地点は微妙に思えた。

【ダイレクトカンテ】
1P(Ⅳ 40m)
右上み見えるブッシュに突っ込む様に高度を上げる。ブッシュからはバンド状を右にトラバース。昨今クライマーが入って無い為か踏み跡は不明瞭で非常に神経を使う。
途中1P終了点からFIXが垂れ下がりラインを錯覚させるが、FIXは横目に更に右上気味に高度を上げブッシュの覆いしげる浅い凹角より直上した後、左に回り込むようにトラバースしピッチを切る。

1P終了点よりフォローを出迎える


2P(Ⅳ 35m A2)
出だし右上する様にトラバースしながらハング目指し高度を上げる。5m程右上した後、ボルトに導かれ凹角状を左上気味にボルトラダーで高度を上げる。
一手一手が遠い。下部に関してはプロテクションが非常に悪く、正面壁の洗礼を受けたように感じる。
時間を掛け慎重に高度を上げトポ通りピナクルテラスにて切る。

2P人工開始 垂直の世界が広がる


3P(Ⅳ 20m A2)
ルート上の核心ピッチ。 大ハングを頭上に見据え威圧感は有るが登攀ラインは右のフランケに進みスカイラインを目指す。
2Pよりプロテクションの質は上り精神的な負荷は減る。終了点直下は数手だがフリーになり悪く感じた。  終了点はハンギングビレーで非常に悪い。

3Pルート上の核心ピッチ上部のハングが威圧的


4P(Ⅳ 40 A1)
ハンギングビレー地点よりすぐ横のカンテを越えトラバース。トポにはA1の記載だったが個人的には悪く感じた。人工基調のトラバースだが所々フリーが混じり、切り替えに非常に神経を使うピッチだった。
右上に見える大きな立木目指し高度を上げ笹薮に突っ込み怪しいリング2本にてピッチを切り登攀終了。

カンテを乗り越しフリー混じりのトラバースへ


【下降】
下降は北稜より衝立前沢経由にて高度を下げる

ダイレクトカンテ終了点より一枚 この後長い北稜下降が待つ

大木の支点より4Pの懸垂。衝立前沢の目印であるピナクルまでロープ連結にてコップスラブ方面へ懸垂。20m 40m 40m 60mのスケルに感じた。持参した下降ルートのトポは個人的には全くあてにならなっかった。
平坦地の略奪地点より衝立前沢み入り下部にてロープ1本にて3回懸垂した後一ノ倉沢へ合流

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衝立岩 登攀対象に切り替わった瞬間威圧を放つ
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