昨年秋に西山へ飛来したアサギマダラ

 日高町は、渡りチョウ「アサギマダラ」の飛来地としての知名度アップで来訪者や関係人口の増加を図り、地域活性化につなげようと、アサギマダラが好むという植物「フジバカマ」の植栽イベントや観察会を開く。一般財団法人地域活性化センターの地方創生に向けて〝がんばる地域〟応援事業の助成金を活用。事業費を計上した一般会計補正予算案(第2号)が21日の議会定例会で可決された。

 長距離を移動することから「旅するチョウ」として知られるアサギマダラ。全国の個人や有志の団体が各地でチョウを一時的に捕獲し、羽に日付や場所を記入、再び放すマーキング調査が行われている。アサギマダラはさらに移動した場所で再捕獲され、羽に記された捕獲情報から移動ルートや時期、距離が判明する仕組み。インターネットの普及に伴って、マーキング情報や検索が容易になり、急速に拡大している状況の中、メディアでも取り上げられ、活動が徐々に全国へ広がっている。

 日高町の西端に位置する西山(標高328・7㍍)は、フジバカマやヒヨドリバナ、ツワブキが自生しているため、毎年秋になるとアサギマダラが山頂付近に飛来。2011年には10月に西山から放たれたチョウが高知県香美市を経由、12月に香港で再捕獲され、最長移動距離(約2500㌔)を記録。西山は絶好の観察地点として一定の認知度がある。

 新しくスタートする事業は、「神秘の蝶『アサギマダラ』観察会@最長移動記録の地~日高町西山『アサギマダラの谷』~」。事業費は150万円で、フジバカマの植栽イベントや観察会を開く。植栽は西山山頂付近の約100平方㍍で実施。マーキング観察会は県外への出張と西山を計画している。

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