現役引退の安美錦「やれることはやってきた」…関取在位１位タイ主な記録

◆大相撲名古屋場所１０日目（１６日・ドルフィンズアリーナ）

　関取最年長４０歳で元関脇の十両・安美錦（伊勢ケ浜）が１６日、現役引退を表明した。２日目の竜虎戦で古傷の右膝を負傷して途中休場。９月の秋場所で幕下転落が確実となっていた。師匠・伊勢ケ浜親方（元横綱・旭富士）がこの日、日本相撲協会に弟子の引退意思を伝えた。近日中にも承認され、年寄「安治川」を襲名して部屋付き親方になる見通し。

　◆安美錦に聞く

　―引退を決断して。

　「出られるように努力を積み重ねた。残念な部分もあるけど、やれることはやってきた。全部受け止めて出した結果なので、何の悔いもありません。（右）膝の状態とも相談してきたが、思った相撲が取れない。むちゃはできない」

　―１４日に師匠・伊勢ケ浜親方と話し合った。

　「『膝もダメだし、引退します』という話をして。親方は自分の気持ちを心配してくれて。『もう一回（土俵に）上がって、スッキリしては？』という選択もあるんじゃないかと。自分としてはいつ、こうなってもいいようにやってきました。思い残すことはない。『もう土俵に上がらなくていい』と伝えた」

　―引退を決断してから１６日まで稽古場に下りたが。

　「みんなは本場所がある。俺だけダラッとしているわけにはいかない。みんなの頑張る姿を見て体を動かした。早く（ぶつかり稽古で）胸を出せるようにしないとね」

　■安美錦の主な記録

　▼関取在位　魁皇と並ぶ歴代１位の１１７場所。

　▼幕内在位　９７場所は高見山と並び歴代２位（１位は魁皇の１０７場所）。

　▼年長関取　名古屋場所１０日目時点で４０歳９か月１３日となり史上４位（１位は４１歳９か月の藤ノ里）。

　▼通算出場　１８０５回は歴代３位（１位は大潮の１８９１回）。

　▼幕内出場　史上４位の１３９９回（１位は旭天鵬の１４７０回）。

　▼通算勝ち星　９０７勝は歴代８位（１位は白鵬１１２９勝）。

　▼三賞　１２回（殊勲４、敢闘２、技能６）は栃東（元大関）と並ぶ歴代１０位（１位は安芸乃島の１９回）。

　▼再入幕　１８年夏場所の３９歳６か月は昭和以降１位の年長記録。