松任谷正隆氏「忠さんに届くように」、小坂忠さんへ追悼演奏、亡くなる10日前のやり取り明かす

スポーツ報知
「SONGS&FRIENDS」に出演した松任谷正隆氏

 音楽プロデューサーの松任谷正隆氏が30日、パシフィコ横浜国立大ホールで行われたプレミアムコンサート「SONGS&FRIENDS」のシリーズ第4弾「Music Tree Grow to the SKYE&their family」に出演し、29日に亡くなったシンガー・ソングライターの小坂忠さん(享年73)を追悼した。

 小坂さんが、この日の公演を、自らのラストステージにしようと闘病生活を送っていたことを告白。松任谷氏は「『ちょっと弱ってきたかな』『車いすで出て来ていい?』『誰かにヘルプしてもらっていい?』と、メールでやりとりをしました。すぐそばのホテルもリザーブして、何があっても大丈夫なようにしようって準備していました。10日ほど前かな、僕のところに電話があって『立ち上がることができなくなった』って言われたんです…。その時に“僕の最後のステージになるから『機関車』を歌いたいんだ”って。だけど、『きっともう歌えないと思う…。できたら、さかいゆう君に歌ってほしい』とも言っていました」と明かした。

 「ステージで携帯をつないで、忠さんもベッドの上で一緒に歌って。これが最後の自分のパフォーマンスにする(計画もあった)。昨日(29日)の午前に、天国に逝かれてしまいました…。今日は間違いなく忠さんに届くように、さかい君が歌います」

 指名を受けたさかいゆうは、松任谷氏の演奏に合わせて「機関車」をカバー。心のこもった歌声で天国の小坂さんに届けた。

 松任谷氏は、大学時代に小坂さんと初対面した際のエピソードも披露した。

 「バンドをやるにあたって、何も分からないまま連れて行かれたのが、小坂忠さんのところだった。初めて会った忠さんは、まるでヒッピー、歯がなかったです」などと回想。東京郵便貯金会館(現メルパルク東京)で行われたライブコンサートのレコーディングを振り返り、「今思い出しても、これ以上、緊張したことはない。2日ぐらい前から寝られなかったですね…。レコーディングしたら一生残っちゃうじゃないですか。あまり下手こくと、僕の音楽をやっていく道が閉ざされると思ったら、すごく緊張してしまった」と懐かしんだ。

 自身は鈴木茂(ギター)、小原礼(ベース)、林立夫(ドラムス)による“大型新人バンド”のSKYE(スカイ)として出演。ライブにはポルノグラフィティ、JUJU、木村カエラらアーティスト13組が参加し、3000人を魅了した。

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