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【戸田恵梨香】大人の“学び論”「誰かに愛を渡せる人になりたい。だから私は学び続けるんです」

更新日:2023.08.25

【戸田恵梨香】大人の“学び論”「誰かに愛を渡せる人になりたい。だから私は学び続けるんです」

2年前、VOCEのインタビューで「美しさを育むのは知識」という名言を残した戸田恵梨香さん。カバービューティへの出演は今回で5回目となるが、彼女の“学びの姿勢”は初めて会ったときからまったく揺るがない。彼女の美しさの根幹を成す“学び論”に注目したい。

誰かに愛を渡せる人になりたい、誰かを助けられる人になりたい。だから私は学び続けるんだと思います

戸田さんは常に学び続け、この5年間、進化を止めることなく成長を続けている。会うたびにアップデートされている姿は眩しく、神々しい。まずは「美しさを育むのは知識」という言葉に秘められた真意について聞いてみた。

「日本では『若さ=美しさ』みたいな傾向がありますが、私たちは生まれたときから死へと向かっていて、その間の“生きた軌跡”こそが美しいと私は思うんです。たとえば晩年のオードリー・ヘプバーン。私は彼女をとても尊敬しているのですが、彼女の『誰かを助けたい』という気持ちや、周囲の人に愛を分け与える姿は本当に美しい。誰かに対して“愛を渡すこと”は自分自身の器が大きくないとできませんが、それをつくるのが“学び”であり“知識”。何かを経験して学ぶことで、自分の器が大きくなっていくのかなって。誰かを愛すること、受け入れること、そして認めることは、時間をかけて得た深い知識や経験がないとできないことだと思います」

戸田さんは一息つき、こう続けた。

「だから、学んで得られる知識こそが“美しさ”に繋がると思うんです。私は死ぬときに自分の人生が愛にあふれていたと思いたい。そのために学び続けたいし、愛というものを大きく高く持ちたい。学ぶことは自分の中の“愛”を育てることでもあります」

戸田さんの“学び力”はいつもフルパワーだ。どうやって“自分が学びたいもの”と出合うのだろう。

「そうですね。仕事で考えるとお芝居も結局“人間力”が必須です。誰かと恋愛する、学校に行く、壁にぶつかる……。映画やドラマはフィクションですが、普遍的なものを描いているから役者が普遍的な生活を経験していないと表現できないと思うんです。極端な例ですが、ずっとプライベートジェットに乗っていたらコンビニに行く芝居はできないんじゃないかと。だから私は丁寧な普通の暮らしを送ろうと決めていますが、それだけだと自分がつまらなくなっちゃうので“今自分は人として何が足りないか、何を知りたいのか”というのは敏感にアンテナを張るようにしています」

そう言いつつ、「私はつい考えすぎちゃうタイプですから」と苦笑した。

「自分の中で意識がグルグルしちゃって、頭がパンクしやすい(笑)。だから息抜きで自然のあるところに行きます。そこで癒やしをもらうと『私にはこれが足りなかったんだ』とか『背負いすぎていたな』って分かる。ふとチカラが抜けたときに見えてくるものがあるんですよね。自分が飽きないように、でも頑張りすぎないように、変化を求めていきたいと思います」

戸田恵梨香さん

戸田恵梨香/Erika Toda
1988年8月17日生まれ、兵庫県出身。『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ)シリーズや『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBS)シリーズなど、話題作に多数出演。『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS)、『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ)など出演作は常に大ヒット。日本が誇る演技派俳優のひとり。11月には主演映画『母性』の全国公開が控えている。

撮影/伊藤彰紀(aosora) メイク/Haruka Tazaki(H studio) ヘア/KENICHI(SENSE OF HUMOUR) スタイリング/影山蓉子(eight peace) 取材・文/前田美保

Edited by 並原 綾

公開日:2022.08.22

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